第11話 彼女、目撃
ラーメン屋に行ってから2週経ったある日の昼休み。
私はまたしても、昼食の相手がいない日になってしまった。
あ~、どうしようかな?藤井さんを誘いたくても、言い出すきっかけも無いし、なんか今日は忙しそうで、話しかけるのも気が引けちゃうのよね。
仕方ない、今日はひとりでご飯かな。
周りを見ると、藤井さんは席にいなかった。
あれ、もういない、気が付かないうちに、行っちゃったみたいね。
外に出てこの前のそば屋へ行った。中に入って店内を見ると、なんと藤井さんがいる。やった、ラッキーと思って近づこうとしたその時、一緒に女性がいることに気が付いた。
池谷由美さん、私が異動してくる前に、この部署にいた先輩社員だ。確か、今は別のフロアにいるはず。業務の引継をした時以来、私は話をしたことはほとんどない。大人っぽい美人で、少し話しかけづらい雰囲気なのよね。
なんかふたりがいい感じになってるわ。楽しそうに話してる。いやいや、私も同じ様に楽しそうにしていたはず、負けてないわ。って、私は何を考えてるんだろう。
私よりも付き合いも長いはずだし、仲良くて当たり前よね。
約束して来てるのかな?それとも私の時みたいに偶然?どうなんだろう?
会社では私との行動を知られるのを嫌がってたのに、どういうこと?
池谷さんとのは仲は知られてもいいのかな?そして池谷さん以外の女性とのことは知られたくなかったから、目立たないようにしたの?
いや、池谷さんとも偶然会っただけかもしれないわ。ふたりをアピールしてるわけでもないし、考え過ぎね。
でも、凄く自分勝手だけど、他の女性とは行動して欲しくない。そんな事言える立場ではないのだけど。
後で聞いてみようかな。でも聞きづらい。なんて聞いたらいいのだろう。
お昼休みが終わり、午後の仕事が始まった。でも、さっきのお店で見た事が気になって仕方がない。
どういう関係なのか聞きたい。
なんて聞けばいいの?
どういう関係ですか、って大きなお世話ね。
つきあってるんですか、って突っ込み過ぎだし、絶対に答えてくれないわ。
もし、付き合ってるだなんて言われたら、どうするの、、、
偶然会っただけだよと言われたら、ほっとできるかな。
聞いてどうするの、と言われるとどうしようもない。
藤井さんだときっと何も教えてくれないわよね。
なんて思っていたら、藤井さんから話しかけられた。タイミング良すぎて、少し驚いてしまったが、特別な事でもなく、普通に書類の確認の話。そりゃそうよ、私がお店で見かけたことを、藤井さんは知らないのだから。
それに私に話す必要もない、そんな関係でもない。
どう話を持っていこうか、何をきっかけにしようか、考えているうちに書類の話は終わってしまった。
しかも、こちらの様子がおかしいのを察したのか、少し変な顔をされた気がする。
あぁ、もう、うまく言えないな。
その後も、仕事をしながら悩んでいたら、藤井さんは外回りに出かけてしまった。
あ〜あ、もう聞けないわね。
明日になったら、今更感しかないし。
モヤモヤする。




