雀達と花火
「今日は何処で花火大会があるんですの? リーダー。」
「確か此処から南に2、3km離れた所にあったはずだ。」
「また花火の音が聞こえない所で線香花火をして花火が終わるのをまっているんですの?」
「……そうだ。我慢してくれ。」
私達雀は大きな音に敏感ですわ。だから毎年花火の音が聞こえない所まで行き花火が終わるまでそこで線香花火をして時間をつぶすの……。
鳥類だからって夜は寝ているから関係ないって思うかもしれないけど私達は少し特別で魔法が使えるの。いつから使えるようになったかはあまり覚えていないわ。私達のグループはみんな魔法が使えるんだもの。だから魔法を使えば夜も行動できるようになるわ。
それに魔法を使えば人間にもなれるからみんなで線香花火をして待っているの。でも毎年毎年線香花火ばかりでもう飽きてしまいましたわ。それに花火もみて見たい……。移動するまでまだ時間があるからリーダーに相談してみようかしら。
◇◆◇◆◇
リーダーは何時も私達の住み処の木の一番上にいるわ。行ってみるとそこにはリーダーがいましたわ。
「リーダー、少しお話よろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「あの、大変言いづらいのですが、……毎年毎年線香花火ばかりで飽きてしまいました!」
「確かにそうだな俺も飽きてきたところだ。」
「そうなのですか?」
「そうだ。君でこの話をされたのは9回目だ! そう仲間全員からされた。」
「そうなのですか。」
「そうだ。去年も仲間達から7回同じ話をされた……。」
「私以外の仲間達からお話をされていたのですか。知りませんでした。」
「だが、今年は違う! 仲間が遂に俺を入れて10羽集まった。だから今回は線香花火で我慢しなくていい!」
「本当ですか?」
「! 余計な事を言ったみたいだ。詳しくは夜移動してから話そう。」
「はい! 楽しみにしています。」
◇◆◇◆◇
夜になり花火が聞こえない所まで移動するとリーダーが私達に人間になって輪になり手を繋いで待っている様に言いましたわ。
「これから始める!」
「何をですの?」
「無音の花火大会だ!」
「無音ですの?」
「そうだ! みんなの花火のイメージを空に打ち上げてくれ。自分たちのイメージだから音はしない。しかもこれは10人集まらないと出来ない魔法だ。」
「そんな魔法があったんですの。」
「みんな今まですまなかった! これからはこうしてみんなで花火大会ができる。しかも仲間が増えれば増えるほど打ち上げられる回数が増える。今回は1人2発が限度だ。」
それを聞いた私は嬉しくなりみんなと一緒に喜びあったわ。
「こんな感じだ!」
リーダーが目を閉じ集中し始めると頭からポンという音と共に何かが打ち上げられましたわ。それを目で追って空を見上げると空に青い大輪の花が咲きましたわ。
「キレイ……ですわ。みんながんばりましょう。」
「うん。」
それぞれが空に花火を打ち上げて眺めているとリーダーが「みんな一斉にいくぞ。」と声がかかりみんなで花火を打ち上げると空に1番でかい花が咲きましたわ。
「キレイ……。」
するとみんな雀に戻ってしまいましたわ。
「やはりそうか……。」
「リーダー、どういうことですの?」
「花火をみんなで打ち上げると大量の魔力を使うから雀に戻ってしまうんだ。」
「そうなのですか。」
「みんな、そろそろ人間達の花火大会も終わった頃だ。住み処に帰還する!」
「はい。」
こんな花火大会なら仲間をたくさん集めて毎年やりたいですわ、リーダー。
読んで頂きありがとうございました。




