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第15話 新・武器

結果から言うと俺達のパーティーは1位で終わった。

 ボス討伐を達成すると1位確定らしい。

 そして2位以下はポイント制になっており、順位に応じて報酬が変わってくる。


今回1位の報酬はもちろんボスの素材一式にそれぞれの職にあった武器。

 さらに1000万Gという初心者には破格の報酬だった。

 あの後パーティーメンバーとはフレンドとなり解散となった。


もちろん、もちこさんともフレンドである。

 あの事については平謝りをして許してもらった。

 まあ元々怒ってはいなかったみたいだが。


リンドウに教えて貰ったのだが、このゲームセクハラし放題!……というわけではなく、ホールドをしていた瞬間にもちこさんの目の前には通報アイコンが出ていたということだ。

 それを押されたら運営の調査が入り、最悪の結果になる可能性があったそうだ。

 最悪というのは永久アカウントBANである。

 生体登録をしているVRでは実質その人物が一生そのゲームを遊べなくなる非常に重い罰である。

 なので運営も慎重に調査を行うらしい。


俺の場合は事故だったのでそうならないだろうが、一定期間のBANは事故でもありえるとか。

 まあ一番は通報をしなかったもちこさんに助けられた部分が大きいだろうが。

 この手のセクハラは度々起こるので、ゲームならではの対処法があるのだが。


とにかく初心者としては最高のスタートを切れた俺は恵まれていると言えるだろう……いろいろな意味で。


今日は前々から興味のあった『露店』なるものを見に来ていた。


「すみません。露店を利用したいのですが」


露店担当のNPCに話しかける。


「いらっしゃい」


メニュー画面が表示され選択肢が現れる。


「『出品』『購入』か」


シンプルな2択だった。


「商品をみるか」


購入ボタンを押して出品されている物を見る。

 武具が多く、その次にアイテム類の数が多かった。

 武器のハンマーに条件を絞る。

 モノづくりに器用値を大きくプラスしてくれるハンマーは欠かせないモノだと思っている。 


「お! これいいな!」


少しお値段は高いが、器用の値が100もある。

 今のレベルで装備できるハンマーでは最高値であろう。

 露店を見る限りそれ以上良いものは装備レベルが高いものだった。


「これ買うか」


お値段が400万Gと初心者にはキツイレベルではあるが、イベント勝者が毎週出ることを考えると売れるのかもしれない。

 ちなみにレベルが20を越え、資産が1000万Gで中級者へ片足を突っ込むと言われている。

 ハンマーを購入した俺は次に出品を選択する。


「回復薬を出品と、100個で90万Gかな」


他の人の出品額を参考に少し低めに値段を設定する。

 回復薬は生産職が作ったものしか流通しないため需要がかなりある。回転率が速いというのも儲けやすい。


「最初の出品が売れてくれれば自信あるんだけどな」


回復薬には当たりはずれがあり、作る人によって効果の大きさが変わってくる。

 なので一度質の高い生産者という認識が広まれば、自分の名前がブランドとなるのだ。

 出品をいくつか出しておき、まずはリピーターを増えること願う。


「次はお待ちかねの武具作りだな」


今回の報酬であるミノタウロスの素材は結構優秀らしい。

 物理攻撃と物理防御を上げてくれ、シンプルに強くなれる。

 魔法職なら防具一択だが、物理型の俺には武器強化にも使える。


ハルバートを取り出しミノタウロスの素材を混ぜる。

 するとハルバートの形が崩れ、ツヤや輝きも失われてしまう。

 武具に素材を加えるともう一度鍛えなおすところから始まるらしい。

 ここから一時間ほど叩いたら完成した。

 前回に比べて大分短い時間だが思ったよりかかってしまった。


今回の素材を足したことにより色合いが大分変ってしまった。

 全体のベースの色が白から黒へ、そして赤い模様が波打っている。


「なんか禍々しいな!」


刃の部分も装飾感が出てきて、どちらかというと槍に近いのではないかと思ってしまう。


「まあカッコいいしいいか」


中二心をくすぐられるデザインになってしまった。


「ステータス確認だな」


ハルバートの性能を確認する。


---烈火のハルバート--- 


物攻:200 魔攻100

属性:「火」

スキル:「爆炎」「パワーブースト」


--------------------


ステータスが上がった上にスキルまでついてきた。


「物理攻撃力を10秒間大幅UPか」


大幅というのがどれくらいの効果なのかわからないが、攻撃力の上がったハルバートと相性がよさそうだ。


「ん? メール?」


フレンドのリンドウから連絡が来ていた。


「話したいことがあるから、夜にでも話せないか? 何だろう」


夜にこれといった用事もないためOKの返事を出しておく。

 そのあと残った素材で防具も強化した。

 アバターを作るほどの余りがなかったので外見が白で武器との統一感がなくなったが、現状満足なのでそのまましておくことにした。


夜までこのまま待つのは流石に疲れるので、一度ログアウトして休むことにした。


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