第13話 エリアボス戦
お昼に間に合わなかった!
投稿時間不安定になるかもしれません。
---ステータス---
名前:コウ
Lv:12/30
HP:170/170
SP:220/220
物攻:160 物防:35
魔攻:60 魔防:5
速度:5 器用:60
スキル: 『ハンマーブロウ』『スイングロード』『アイテム作成』『武具作成』『アバター作成』『不壊の探究者』
パッシブ:『創作神の加護』『ハンドメイド』
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現在のステータスだが、大分偏ってきた。
器用に振ることで作成スピードが上がったぐらいの恩恵を感じるが、他は数字通り変わりない。
スキルは新しく『スイングロード』を覚えた。
待望の戦闘系スキルで、走りながら攻撃できるスキルだ。
偏りについては装備を工夫しながらバランスを取るしかない。
「ここを抜ければボスエリアだ」
ここまで極力戦闘は避けてきた。
何度かモンスターと戦い、プレイヤーとは遭遇しないように細心の注意を払いここまで来た。
森の中を抜けると大きく開けた場所に出た。
「あれか?」
開けた場所ではすでに戦闘が行われていた。
「うわっ! デカッ!」
ダナさんが驚いている。
エリアボスは巨大なミノタウロスだった。
二足歩行の牛型モンスターで両手に斧を持っている。
現在戦っているパーティーは必死に抵抗しているが、勝負になっていなかった。
「あれはレベリングしてないな」
リンドウが呟く。
「被ダメージが増えるんだっけか」
一人また一人と攻撃に当たって消えていく。
最後には回復NPCを操作しているであろう後衛のみが残り、やられるのを待つばかりだった。
「よし! 次は俺たちが行くぞ! エリアに入ったら出られないからな!」
「了解!」
ダナさんともちこさんの顔に緊張が走る。
最後の一人がやられるとミノタウロスも消え、エリアに張られていたバリアらしきものが消える。
「準備はいいな?」
全員が頷く。
リンドウが先に足を踏み入れる。
エリアにバリアが展開される。
パーティーメンバーは入ることはできるが出ることはできない。
全員が中に入ると、エリアの奥の方から大きな炎が上がる。
「来るぞ!」
そこに現れたミノタウロスが大きく雄たけびを上げる。
「配置につけ!」
リンドウを先頭に横に開くように控える。
打ち合わせ通りに最初は攻撃をしないでボスの先制攻撃に備える。
ボスは雄たけびが終わると突然突進をしてきた。
「回避!」
狙いをわざとリンドウに向けさせ、他の人は楽々コースから外れる。
パーティーがばらけすぎるとターゲットがランダムになるらしく、それを避けるためにできるだけ近くに集まったのだ。
突進の終わったボスは自分の勢いのあまりスリップをしていた。
突進は脅威で初見で何人かやられてしまうが、分かっていれば意外と簡単に対策できる。
「叩け!」
事前の打ち合わせ通りダメージ稼げるボーナスタイムを逃がさないように、全員で攻撃を加える。
「動くぞ!」
初心者イベントのボスだけあって行動は読みやすい。
何度か挑めばレベル適正に達していなくても倒せるだろうが、リスクは高い。
ボスから離れる。
起き上がりざまに腕を振りぬいてくる。
「ここまでは大丈夫だな」
初動だが上手く動けている。
俺はハルバートを構え直し前に出る。
このパーティーで一番攻撃力が高いのは俺だ。
しかしスキルが少ないのと、射程の短さなどがネックになり安定して前線に立てないのだ。
なので単発的に前に出てダメージを狙う。
スキルを放った後は余裕をもって退く。
器用極振りをしているためスピードがない分早めの行動が必要になってくる。
「オラ!」
俺と場所を入れ替わるように前に出たリンドウがボスの攻撃にスキルを合わせる。
攻撃同士が打ち合った瞬間、火花が飛び散りお互いの体勢が崩れる。
「行け!」
体制が崩れたリンドウは動けないが、ボスも同じだ。
この隙にまたダメージを稼ぐが、先ほどより稼げてはいない。
「暴走モードに入るまでこれを繰り返すぞ!」
ボスは一定以下のHPになると暴走モードになり、パワーやスピードが段違いになる。
上手くパターンにはめ込み徐々にHPを削っていく。
何度か被弾してしまったが、回復スキルをかけてもらうだけで間に合ったので計画通りに進んだ。
「暴走モード来るぞ!」
リンドウが一撃を入れるとミノタウロスは咆哮をあげ体が赤くなり、湯気が出てきた。
「ここからはパターンがないから各自の判断に任せる」
そう、暴走モードはその名の通り暴走をするのだ。
一番ダメージを稼いでいる奴を狙うなど、決まりがないので各自で隙を伺うことになる。
ここまでくると、レベル差を埋めていないと一回の攻撃で大ダメージを貰ってしまう。
――ボスが動き出す
リンドウはその動きを見て一撃を入れられると判断したのか、スキルを発動させた。
「危ない!」
気づいた時には遅く、ボスは急に”武器を投げた”
「がぁ!」
スキルを発動していたリンドウは避けることができず、被弾してしまう。
「リンドウ!」
「来るな!」
ボスの攻撃で態勢を崩され、スキルも不発に終わったリンドウはあまりにも隙だらけだった。