初めての戦い
止まっていた時間が動き出したような感覚がした。
気がつくとそこは今までいた自分の部屋とはまったくことなり、違う世界がそこにはあった。
ここはうん。森だ…
おかしいでしょ。なんでさっきまで自分の部屋で変なゲームのキャラ設定してたのに森にいるの?
現実離れした環境に俺は盛大にため息をついた。
「もしかして…ここが異世界?」
あの機会が最後に異世界へ転送がなんちゃらとか言っていたような。
もしこの世界が異世界だとしたらあのステータスがあるのかもしれない。
「試してみる価値はありそうだな」
俺はアニメなどの知識から培ったステータスの起動の言葉を言ってみる。
「ステータスオープン」
名前 ユウマ
種族 人間
年齢 15歳
職業 引きこもり
体力 20
魔力 200
攻撃力 2
防御力 10
俊敏力 5
スキル 幸運
固有スキル 言語理解 妄想魔法
うん。ひどいな。
普通がどれぐらいなのかは分からないが低いということだけはわかる。
このステータスで本当に大丈夫なのか?
「まぁ、いい。とりあえず探索でもしてみるか。」
俺は諦めの気持ちで森の探索を始めた
探索を続けているとやたらと視線を感じる。
その視線にはなぜか食べ物でも見ているような気持ちが込められている。
「えっとー。誰かいるんですかー?いたら返事をして下さい」
俺は恐る恐る問いた。
すると、近くの茂みからガサガサという音が聞こえた
(クマでもいるのかな?)
俺はその茂みをまじまじと見つめそう考えた。
結論を言おう。クマだった。
まだ普通のクマだったら、少しは正気を保てていたのかもしれない。
しかしその茂みから現れたクマは通常のくまの5倍はあるような巨体だったのだ。しかもクマにはあるまじき悪魔のツノのようなものが生えていた。
グガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!
「お、おい。まじかよ」
そのクマは俺を見つめると、急に狂ったかのように猛突進してきた。
「ちょ、ちょっとまてよ!!」
俺の言葉に聞く耳をもたず走ってくるそのクマは俺の右肩の肉をそのツノのでえぐった所で少しとまった。
「ぐああああ!痛ぇ!死ぬ!もうやだ!なんだよこの変なクマは!何か情報くらいくれよ!!」
妄想魔法で”鑑定”を獲得しました。
その無機質な言葉が頭に響くと同時にそのクマのステータスが目の前に現れたのだ。
名前 デーモンベア
種族 クマ
年齢 150歳
職業 森の王
体力 5000
魔力 1500
攻撃力 5000
防御力 5000
俊敏力 5000
スキル 突進 引っ掻き 咆哮 のしかかり HP自動回復 身体強化
固有スキル なし
ナニコレ。勝てるわけないじゃん。俺のステータスの1000倍くらいあるぞ?
よし。死ぬ気でにげよう。 それしかない。
俺は今まで出したことのないスピードで入り組んだ道をかけめぐった。
クマも俺を食おうと俺の後ろを追ってきた。
「はあ、はあ、はあ。いつまて着いてくるんだよ!!しつこいぞ!俺は食べてもおしいくないぞ!!」
俺は必死に逃げていたがもう、体力の限界だった。
クマはもう俺のすぐ後ろにいた。
死を覚悟したその時
落とし穴におちた。
「うわああああ!」
その落とし穴は人が1人入れるくらいの穴が3m続いていた。
もちろんそんな高いところから落ちたら最低でも骨が折れますよね♪
はい、それでは
グキ。
「ぐああああ!」
見事足から着地し、両足とも骨が粉々に砕けていた。
俺はその痛さに苦痛を叫んでいると、穴に入れないクマは諦めたようにこの場から離れていくのが見えた。
「一応助かったのか。 ぐっ!痛え。なんとかならねえか。」
妄想魔法で回復魔法を獲得した。
「うっ。」
自分の中から何かが抜けるような感覚がした。
「クマの時もこんなのあったな…。一応見てみるか。 ステータスオープン」
名前 ユウマ
種族 人間
年齢 15歳
職業 引きこもり
体力 1
魔力 50
攻撃力 2
防御力 10
俊敏力 5
スキル 幸運 鑑定 回復魔法
固有スキル 言語理解 妄想魔法
おぉ、魔力が減ってなんかスキルがついてるな。
「ぐっ!身体中が痛ぇ。とりあえず回復するか。 ヒール。」
頭の中で流れていた言葉を口に出した。
その後、体が明るい光りに包まれ傷が治り始めた。
「おぉ!痛くねぇ!すごいなこれ!ステータスオープン!」
ステータスオープン」
名前 ユウマ
種族 人間
年齢 15歳
職業 引きこもり
体力 20
魔力 0
攻撃力 2
防御力 10
俊敏力 5
スキル 幸運 鑑定 回復魔法
固有スキル 言語理解 妄想魔法
体力は完全に回復していた。しかし、魔力はもう0になっており体がだるかった。
「よし。少し寝るか」
俺は睡魔に襲われ死んだように眠るのだった。