B00 ここから読みたい人のためのまとめ
○ここまでのあらすじ
・第一章
冒険者アカデミーを首席で卒業するも、どこのギルドにも所属できなかった首席のアカデミー卒業生、ラッツ・リチャード。アカデミーで覚えられる基礎スキルという基礎スキルを全て覚え尽くし、それでも『セントラル・シティ』の冒険者初心者として途方に暮れる彼は、初めて訪れたダンジョン『轟の森』で謎のゴボウ(?)と出会い、死に掛けのハーピィを発見する。
ハーピィのフルリュ・イリイィは、自分の妹が人間界に迷い込んでしまったと話す。たまたまハーピィの見てくれが好みだったラッツは、そのままノリでフルリュに協力することに。ところがフルリュの妹、ティリルは人間界の冒険者、ダンド・フォードギアをリーダーとするパーティーに拉致されていた。
フルリュの怪我をまずは治さないといけない。道中ラッツは、怪しげなエロスでラッツを誘惑する聖職者、フィーナ・コフールと出会う。何故かラッツに協力するフィーナ、彼女は敵か味方か。
フルリュと他の魔物との違いに気付くラッツ。人間界に存在するダンジョンには、『ノーマインドの魔物』という心なき魔物が蔓延っている、とゴボウは話す。フルリュのような『魔族』とは違うもののようだ。
たまたまダンドのパーティーに居たアカデミーの同期、レオ・ホーンドルフと再会していたラッツは、レオと共に『嘆きの山』と呼ばれるダンジョンの山頂で、ダンド・フォードギアを懲らしめる。ところが、ダンドはティリルを『嘆きの山』のダンジョンマスター、エンドレスウォールの生贄とするつもりだった。
召喚されてしまったエンドレスウォールをどうにか倒したラッツ。フルリュと妹を見事助け出す。
これにて一件落着!
……の予定だったが、レオの名を語って勝手にダンジョンを攻略していた代償……と称され、ダンドの所属していた『ギルド・ソードマスター』のギルドリーダー、シルバード・ラルフレッドに、エンドレスウォールから手に入れた『ゴールデンクリスタル』を奪われてしまう。財布も落とし、無一文になったラッツは唯一残ったフィーナの束縛から逃れるため、セントラル・シティを後にするのだった。
○主要な登場人物
・ラッツ・リチャード
冒険者アカデミーの中でも最高峰と名高い、『ライジングサン・アカデミー』の首席卒業者。カーキ色のジャケットと炭鉱マン上がりのゴーグル、指貫グローブがトレードマーク。
頭の回転は早いが分からない事を考えるのが苦手で、何かの真理的な話は最も苦手。
悪戯好きで博打にも強い半面、性格は根本的に素直であり、うっかり都合良く騙されてしまうこともしばしば。強くなることに努力は惜しまないが、行動原理は『仲間を守ること』にあるため、情を感じる場面で非情を貫く事を最も苦手とする。
ホワイトニング:聖職者のスキル。物理攻撃・防御力を高める付与魔法。
キャットウォーク:盗賊のスキル。移動速度を高める付与魔法。
イーグルアイ:弓士のスキル。動体視力など、空間把握能力全般を強化する付与魔法。
マジックオーラ:魔法使いのスキル。魔法攻撃力・防御力を高める付与魔法。
聖水作成:聖職者のスキル。魔力を含む水から聖水を作る。
チョップ:剣士のスキル。短剣で突きを放つ。
ソニックブレイド:剣士のスキル。疾風の速度で斬り付ける。
パリィ:剣士のスキル。打撃攻撃を受け流すが、重い攻撃には使えない。
刺突:武闘家のスキル。手刀による突きを放つ。
飛弾脚:武闘家のスキル。相手を蹴り飛ばす。防御的な意味合いが強い。
牙折り:武闘家のスキル。武器持ちの相手に対して、武器を破壊する役割を持つ。
レッドボール:魔法使いのスキル。火球を投げ付ける攻撃魔法。
レッドトーテム:魔法使いのスキル。火柱を立てる攻撃魔法。
ブルーボール:魔法使いのスキル。水球を投げ付ける攻撃魔法。
ブルーカーテン:魔法使いのスキル。上空から水が降り注ぐ攻撃魔法。
イエローボルト:魔法使いのスキル。電撃を放つ攻撃魔法。
三種のアロー(レッド・アロー、ブルー・アロー、イエロー・アロー):弓士のスキル。属性矢を放つ。
ホワイトニング・イン・ザ・ウエポン:ラッツの固有スキル。武器の急所率を高める他、武器そのものの耐久値が上がる。
強化爆撃:ラッツの固有スキル。炎を起こした場所を爆発させる。
重複表現:ゴボウ伝授のスキル。付与魔法を重ね掛けする事ができる、強力なスキル。
・ゴボウ
突如としてラッツの前に現れたゴボウ的物体。色々な知識を持っているが世界の真理に接触する話が多く、ラッツとは相性最悪の関係。何故か、『嘗て』と話すとラッツの意思に関係なく、会話が中断される。
その全ては謎に包まれている。
・フィーナ・コフール
『ルナ・ハープの泉』よりラッツの前に現れ、何かと付き纏ってくる聖職者。ストレートの銀髪に碧眼を持ち、桃色のシスター服を着ている事が多い。
ラッツを手篭めにすることが目標らしく、何かとラッツに挑発的な行為を仕掛ける。その度に、ラッツからは「何を考えているのか分からない」と思われている。
元、ギルド・セイントシスターのギルドリーダー。聖職者ならではの強力な付与魔法を得意とする。
ハイ・ヒール:味方一人の体力を大幅に回復させる。
ガードベル:対象者への物理攻撃を、対象者の体力と同じ分だけ無効化する。
レデュースダメージ:本来受ける筈のダメージを最大二分の一まで減少させる。
セイントベール:魔力空間を作り出し、中に居る味方の防御力を向上させる。
ラジカルガード:一方向に巨大な盾を出現させ、攻撃を防ぐ。
・フルリュ・イリイィ
ラッツが『轟の森』で助けたハーピィ。緩やかにウェーブした金髪、真っ白な肌。瞳の色はエメラルドグリーン。胸が大きい。翼は腕に羽が生えているタイプだが、普段は折り畳まれているのであまり目立たない。
健気な性格で、どうしようもなく騙されやすい。一度助けられたラッツに好意を寄せる。重複表現を発動させるための重要なトリガー要員だった。
付与魔法の倍増化は純粋な強化として使えるため、ラッツに重宝される。但し、今のフルリュの魔力からは『三重掛け』がギリギリのレベルのようだ。
得意技はキス系の魔法。単体支援を得意とする。
リラクゼーション・キッス:味方一人を回復させる。
マジックリンク・キッス:味方一人と魔力を共有し、互いの好きなように利用することができる。
・レオ・ホーンドルフ
ラッツのアカデミー時代の同期。一直線な熱血男で、冷めている時と熱い時の差が激しい。
ギルド・ソードマスターを辞めてからは、アカデミー時代の師匠であるエトッピォウ・ショノリクスの元で修行している。
ソードマスター時代の黒い戦闘服を愛用し、以降赤いマントを羽織っている。腰の黒刀は親譲りの名刀。
ヘビーブレイド:ソニックブレイドの上位スキル。武器破壊の意味を併せ持つ。
ウェイブ・ブレイド:魔力を発し、飛び道具となる斬撃を放つ。
・チーク・ノロップスター
『フリーショップ・セントラル』の店員。ピンク色の跳ねた猫っ毛に、赤銅色の瞳を持つ。いつも元気。
・シルバード・ラルフレッド
顔はイケメンらしく人望も厚いようだが、何かと不審な点が目立つ。ギルド・ソードマスターのギルドリーダー。