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第七話;光と闇

パシーン・・・


愛が諒を思い切りぶん殴る・・・。

「ふざけないでよ・・・。なんで私がそんな事を・」

「だから、それは!!!」

諒が愛を掴もうとすると、愛は腕を振り払いどこかに走りだした。

愛の目には涙が光っている・・・。

一体二人に何があったのか・・・それはつい20分前の事である・・。


「・・この辺で少し休みましょう・・。」

諒が近くにあった公園のベンチに愛を座らせた。

愛は、落ち着かないように剣を持ち横目で諒をみる。

「ねぇ・・そろそろ教えてくれない?あの・・ヘドロみたいな化け物

とか、さっきの黒いコート着た人・・後、諒君の事も・・」

愛の質問に諒は少し驚いたように愛を見た。

「本当に・・分からないんですか?」

「わ、分かんないよ・・。あんな化け物・・初めて会ったし、あの人

だって・・なんで私を襲うのかも知らない・・。

私・・この剣に祟られてんのかな・・・」

愛が心配そうに言うと諒はただ下を向いて語り出す。

「あの化け物は‘邪魂”と言い、人の生気を吸い取る化け物で

・・リリースが使っていた‘闇の軍隊”の一つです。」

「や、闇の軍隊?」

愛が思わず復唱した。

諒はコクッとうなずき再び話し出す・・・。

「そう・・。ここじゃない別の世界に‘光”と‘闇”で統一している

国があるんです・・。光の姫が中心となっている‘光の国”、闇の姫が

中心となっている‘闇の国”・・・この二つの国は絶対共存してはいけない。

本来‘光”と‘闇”の国はどちらか一つの国が生まれるはずだった・・・

しかし、なんの手違いか二つとも生まれてしまい、一番強い魔力の持ち主

が‘光の姫”‘闇の姫”となって、お互いを消し合おうと戦争を何百年

もの間おこなっていたんですよ。」

諒の話を半信半疑で聞く愛・・・。

別世界・・光と闇・・戦争・・愛にとって理解不能な話ばかり。

でも・・少し気になる・・。

「そして、約千年の月日が流れて・・光の国にも闇の国にもあらたな姫が

誕生した。光の姫・‘クリス・ルーンベルト”闇の姫・‘フィア・リリース”

この二人は、幼い頃から戦っていて歴代の姫達を遥かに上回る戦争をおこ

なっていたんです。周りからは‘子供の姿をした、化け物”とまで言われる

ほど恐れられていました・・・。しかし、14歳になって少したった頃、

闇の国のスパイが光の国に潜入していた事に気づかず、光の国は窮地に

落とされてしまった。」

諒がギリッと歯をかみ締める。

その顔は、本当に悔やみと憎しみで溢れていた・・・。

「それで・・どうしたの?」

愛は恐る恐る聞く・・・。

なにかいやな予感が止まらない・・・。

「そいつに闇の国の監視システムを壊された上に、国境付近にいた軍人を

全員殺されてしまい闇の軍勢の動きがいっきに分からなくなってしまった。

混乱した光の国に追い討ちをかけるように、大量の邪魂とリリースが攻めて

来たんです。その結果、光の国の国民と城の皆は、大量虐殺・・・。

ルーンベルト様はそれを食い止めようと一人リリースに立ち向かっていきま

した。激戦を繰り広げたお二人でしたが・・・術のぶつかり合いが激しすぎ

て‘異界のはざま”が開いてしまったんです・・・」

「なに?その・・異界のはざまって?」

「・・・この世界と向こうの世界を繋ぐ通路のようなものです・・・。

普通に通りぬける分には問題ありませんが、通り方を間違えると

すべての記憶を失い、容姿もすべて変わってしまうと言う大変危険な

所なんです・・・。それで・・お二人はそこを通って記憶を失って

しまいこの世界に来てしまった・・。」

「へぇーーー・・・・それで?」

愛には、なぜ諒が自分にこんな話をしたのかまったく理解出来てない。

諒があまりの鈍感さにはぁ〜っとため息をつく。

「その光の姫が、き・み・な・の!!!!!!」

諒がずびしっと指を指した

愛はしばらく固まり・・・そして・・

「わ、わたしぃぃぃぃぃぃ!!!??」

愛がベンチからとび上がる。

反応おそ・・・。

「あなたやリリースを追って私とクローゼはこの世界に来たんです。

それなのにあなたはまっっったく覚醒せず、リリースに先をこされて

しまい命を狙われる始末・・・。そのうえ、その剣は光の国に伝わる

戦うときには欠かせない大っ切な剣なんです。それを祟られてるなど

‘光の剣”に失礼ですよ!!」

諒があきれたように愛を見ながら話す。

愛は呆然とするばかり・・・。

「ま、またまた〜〜・・・」

愛がひきつった笑みをこぼしながら諒を叩く・・・。

諒が少し怒り気味で愛を睨みつけた。

・・・・。

「ほ、ほんとに・・・・?」

愛がただならぬ諒の怒りオーラに戸惑う。

「だ、だって私は・・幼稚園のとき春花と初めて会った事も・・

小学校の時二人で泊まりにいった事もある・・。

今だって・・二人で美術部の部長、副部長になって美術部を

も、もっと楽しくしよっていったよ!?も、もし・・私が姫なら・・」

「・・偽者です・・。」

諒がぼそっと言った。

愛の顔から急に血の気が引く・・・。

「偽・・者・・。」

「異界はざまは強大なエネルギーの塊ですからね・・・。そこを通った

事によりあなたの記憶とその周囲の記憶もずれてしまったんでしょう。

まぁ、いずれ記憶が戻れば分かります。」

愛は諒の言葉などこれ以上聞きたくなかった。

諒の話だと、家族・今までの過去・・春花との記憶も嘘と言う事になる。

「う、うそだ・・私はあなたみたいな力持ってないもん・・」

愛の中にぐるぐると‘偽者”という字がまわっていく。

「あなたは自分で気づいていないだけでものすごい力をもっています。

その剣だってあなたの力があるからこそその力を頼りにここへ現れ

たんですよ?あなたはこの世界を滅ぼしてしまうような力を持って

るんです。」

「違う・・そんなのデタラメじゃん!!!」

愛が涙目で叫ぶ・・・。

今までに諒が使っていたような力なんて自分は知らない。

こんなの信じろと言うのが無理だ。

「なんで手間をかけてあなたに嘘をつかなければいけないんですか!!

あなたはここら辺の人間共と違う。あなたは闇の姫を倒すために

生まれてきたんです!!こんな所で人間ごっこしてる場合じゃない

んですよ!!」

諒が声を荒げた。

愛のもどかしさににイラだっているようだ。

しかし・・・愛は諒の言葉に固まる・・・。

‘人間ごっこ”・・・。

諒は間違いなくそういった。

<人間ごっこ・・・って言ったよね・・・。この人は・・そうやって

人をみてんの?家族と過ごしてきた日も春花といた日々もいきなり

偽者とか言って・・あげくのはてには遊びだと・・・。

ふざけないでよ・・・私は今までへこへら笑って過ごしてきた

んじゃない・・。皆でつらい事乗り越えてここまできたのに・・・

それなのに・・・・この人は!!!>

愛がギリっとこぶしをにぎりしめた。

「・・・だとしたら私にどうしろと・・。」

愛が低い声できく。

諒は顔を上げ、愛を見た。

「・・・今すぐこの世界をぬけて、あちらに帰ります。

そして、リリースと戦う準備を・・・−」


パシーン・・・・

愛が諒に思い切りビンタした・・・。

諒が思わず固まる・・・。

「ふざけないで・・・なんで私がそんな事を・・・。」

「だ、だからそれは!!」

諒が愛を掴もうとすると愛がその手を振り払う。

「私は鈴崎愛なんだよ!!目立たない美術部部長やって春花と

笑っていたいのに・・今・・本当に楽しいのに・・・変な化け物や

諒君のせいですべて狂いそうなんだから!!!!」

愛は涙をこぼしながら諒をにらみつける。

諒は何も言わない・・・。

かすむ目に‘光の剣”がうつった・・。

<これのせいだ・・・。全部・・これを拾ったから・・・!!>

「諒君強いんだから一人で戦えばいいじゃん!!!!!

私はそんな意味の分からない戦いに巻き込まれて、この生活を

壊したくない!!!」

愛はそういうと剣を投げつけどこかへ走り去る・・・。

失恋より・・・自分の存在を否定されたのが何よりもショックだ。


「諒君のバカ・・・・!!」






こんにちわ!!

っと言いたいですが七話を遅らせてしまい本当に

申し訳ありません・・。今後は話もどんどん進んでいくのですが、私や友人にも「新学期」という名の

試練が待っております・・ヤバイです・・。

というわけで小説は土日に書くことになり

ペースダウンは免れません<泣>

しかし、なるべく止めないよう努力するんで温かい

目でみてください!!

それでは、ご感想と質問等お待ちしております!!


byざしきのわらし


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