第二話;謎の生物
{その夜}
愛は、ベッドに横になりながらあの光っていた剣を見つめる。
あの後、愛は少しためらいながらもその剣を無理矢理バックにつめて
持ち帰ったのだ。
<そうだ!!春花にこの事を教えてあげよー!!>
愛がケータイをバックから取り出そうとするが、その手が止まる。
<まてよ・・・。落ちてた物を拾って来たなんて春花に言ったら・・・>
愛の中に春花が愛の事を軽蔑するのでは・・・っとそんな考えが浮かぶ。
いくら友達でも、落ちてた物となれば引いてしまうかもしれない。
「・・・やめとくか・・・」
愛はボスッとケータイをベットに投げ、ふたたび横になる。
目の前にはあのきれいな剣を置いて・・・
<一体・・・誰がこんな剣を捨てて行ったんだよ>
愛はそんな事を思いつつ剣を見つめる。
持ってるだけで価値のありそうな剣なのになぜ手放すのかが分からない。
<何か手放さなければいけない事情でもあったのかな・・・>
愛は、剣を手に取り刃を見る。すると、刃に何かの後が付いていた。
日柄はたっているが赤茶色の物が剣の溝にはまってる。
あきらかに・・・これは・・・
「血ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
愛は、思わず叫んでしまう。それと同時に剣を手から落としてしまった。
<な、な、なんで血ィ!?まさかこれで人を斬ったとか!?>
愛が、恐る恐る剣を拾った。
<そーいえば、テレビで昔‘呪われた家宝”特集やってたっけ・・・>
その番組を思い出した愛の顔が引きつる・・・。
ただでさえ不気味な所に捨てられていた剣・・・そして血痕・・・
「この剣、呪われてたりして〜・・・」
ははは〜、一人引きつった笑みをこぼす愛・・・。
そしてピタっと止まり・・・。
「ふざけんじゃねえよ!!こちとら15歳で死んでられっか!!」
愛がゲシゲシと剣を蹴っ飛ばす。さっきの態度とは大違いだ。
「殺される前にぶち壊してやるぅぅぅ!!!」
・・・。
愛には、呪いの恐怖などないように見えるのは私だけだろうか。
万が一、呪われていたらそっちの方がヤバイだろうに・・・。
愛は、剣を持ち部屋を出ようとするが何故かドアではなく窓に行く。
「今、玄関から外に出たら親に怒られるから・・そんな時は・・」
バァン・・・愛が窓を開けるとそこにははしごがかかっていた。
愛が家を抜け出す時に使う非常出口。
愛は慣れた手つきで下に降りていく。よく脱走するのに使ってるらしい。
<元の場所に戻して、その上ぶち壊して、それから・・・>
愛が剣の処分の仕方を考えていた時だ。
いきなり周りにある電灯がチカチカし始めた。
愛も異変に気づき思わず足を止める。
「な、なに・・・!?」
「見ツケタ・・・」
そんな声が聞こえたかと思うと愛の目の前にベチャ・・っと何かが
落ちる。
黒い・・・ヘドロのような物だ。
「オ前ノチカラ・・・貰ウ・・」
グニョグニョとへドロが、人型に変形していく。
その姿はまるで泥粘土で作った物に水をかけたようだ。
「うぅ・・わぁ・・」
愛が思わず尻餅をついた。足の震えと手の振るえが止まらない。
<な、何こいつ!?ゆ、夢!?>
愛が震える手で頬をしねる前にそいつの手から黒い光が飛び出した。
・・・その光が愛の頬にかする・・・
まるで火傷のように頬の一部が痛んだ。
「ゆ、夢じゃない・・・」
愛はほぼ絶望的な声を出す。
こんな得体のしれないものが現実に自分を襲おうとしてるのだ。
もうどうしたらいいのか分からない。
「オ前ノチカラ・・・ヨコセェェェ!!!」
あのヘドロのようなものが愛に飛び掛る。
愛が思わず目を閉じた時だ。
カァァァ・・・剣が輝きだして光がヘドロを弾き飛ばす。
「え・・・?」
愛が思わず剣を見つめた。剣は愛の不安を振り払うかのように輝いている。
<守って・・・くれたの・・・?>
愛がそんな事を思った時だ。あのヘドロのようなものがバラバラに
なった体を一つにし、再び人型になっていく。
「オノレ・・・ナメタ真似ヲ・・・」
あのヘドロのようなものがジリジリ愛に迫って来た・・・。
「オ前ノチカラ・・・ヨコ」
「いやあぁぁぁぁぁ!!!」
愛は、ヘドロの声をさえぎり剣でヘドロのようなものにぶっ刺す。
次の瞬間、ヘドロの動きが止まった・・・。
愛は恐る恐る剣から手を放す。
ザッ・・・ヘドロが砂と化してその上にさっきまで刺さってた剣が
落ちた。
「こ、怖かった〜・・・」
愛はとりあいずほっとしたのか、へなへなと座り込む。
しかし、その姿を見つめる二つの黒い陰が・・・。
「・・・なんて様でしょう。あれが異界の姫のやる事ですか?」
黒いコートを着て、仮面をつけた少女がつぶやく・・・。
もう一人も同じ服装の少女だが、ただじっと愛を見つめていた。
「手はすべてまわしてある・・・。お前も自分の役目をやれ・・」
「分かってますわ。わたくしはあの女を殺せれば十分ですもの」
「クローゼ・・・!!」
さっきまで愛を見ていた少女がクローゼを睨みつける。
「奴を殺すのはこの私の役目だ。お前は絶対殺すな・・・!」
少女の言葉にクローゼがくすっと笑う。
「ふふ・・・分かってます。しかし少しはいじらせてくださいね」
クローゼは怪しい笑みをこぼした。
少女は、クローゼをただきつく睨みつける。
二つの陰が月に怪しく照らされていた。
みなさん、こんな私の作品を読んでくれて本当にありがとうございます。読んでのとおりまだまだ読みずらい点などありますが、私なりにこの作品良さを伝えていこうと思ってますので最後まで見守ってください。
じつは、私友人の家で書いていてたまに話が止まるかもしれませんが、意地でも書き続けるんでよろしくお願いします!
たくさんのご感想お待ちしております。
by;ざしきのわらし