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第十七話;涼蘭の素顔

「う、う、わああああ!!」

諒が慌てて涼蘭(すらん)を突き飛ばす。

諒の顔が真っ赤なのが離れていても分かる。

「気のせいだったようですね。」

「お、お、まえ、な、な、何を・・・」

諒は涼蘭を指さしながら怒鳴るが、涼蘭は平然と笑ってる。

「鈴崎、こ、こいつ・・・―」

諒が涼蘭を見ながら愛に助けを呼びかけるが、愛は黙って下を見ている。

その頬には涙がつたっていた。

「す、鈴崎・・・」

「ごめん・・・私帰る・・・」

愛はだっと駆け出した・・・。

今はもう諒の顔を見れない・・・見てしまうと何かが溢れてしまいそうだ。

「お、おい・・・!!!」

諒は涼蘭をチラっとみると愛を追って走り出す・・・。

一人残された涼蘭は一人怪しい笑みをこぼしていた。

「バカな人達・・・」

その姿はまるで悪魔のよう・・・。

「どう・・・ルーンベルト・・・。幸せを奪われた気持ちは?ふふ・・はははははは!!!」

涼蘭の狂った笑い声はその場に高く、けたましく、長く長く響いていた・・・。



{翌日}


いつもはどこのクラスよりもにぎやかなクラス・3−A・・・・

しかし今日は違った・・・。

重々しい空気がクラス全体を包み込む・・・。

原因は春花と愛のケンカ&愛の失恋・・・

愛は黙ってうつむき机を見ているし春花は春花で勉強してる・・・。

気まずい・・・。

「だ、誰かあの二人なんとかしろよ」

「無理いうなって」

「っていうか私初めてあの二人がケンカしてるの見たよ」

ひそひそ話がクラス内で飛び交う・・・

すると春花のシャーペンが愛の足もとに転がった・・・。

愛もそれに気づき、取ろうとイスを引く。

二人の手が同時にそのシャープペンにのびた。

愛も春花も気まずそうに顔を見る・・・春花はすっとペンを取りまた勉強し始めた。

愛はそんな春花を悲しそうに見ると席を立つ。

<春花・・・まだ怒ってるのかな。>

愛はあてもなく廊下を歩きながらそんな事を思う。

もし・・・自分が涼蘭と関わりを持っていなければいつものように春花と話して、いつものように諒の顔を見れたのかもしれない。

<あの子はなんなの・・・なんで、なんで・・・>

愛が思わず歯を噛み締める・・・。

涼蘭のあの微笑みが頭から離れない・・・どこかで見たことのあるようなあの微笑みが・・・

・・・っとその時いきなり肩を誰かに叩かれた。

高倉・・・涼蘭・・・。

「た、高倉さん・・・」

「どうしたのですか?私の知ってる鈴崎先輩じゃありませんよ?」

涼蘭が心配そうに聞いてくる・・・。

「い、いや・・・別に」

<この子は私と話していてもなんとも思わないの?>

愛がスカートの裾を握りしめる。

涼蘭のずうずうしさにに愛は怒りすら覚えた・・・。

しかし涼蘭の次の一言で愛の頭の中が真っ白になった・・・。


「やっぱり桜井先輩の事好きなんだぁ・・・」


<は!?>

愛は思わず顔を上げてしまう。

いつもの涼蘭の優しいお嬢様面じゃない・・・憎たらしく冷たい瞳をこちらに向けている。

「た、高倉さん・・・?」

「先輩〜正直、私の事憎いでしょ?だ〜い好きな諒君取られちゃったから・・・」

涼蘭がくすくすと肩を揺らしながら笑ってる。

愛は急変した涼蘭の態度に戸惑うしかない。

「そういえば桜井先輩、ファーストキスだったりして〜」

「えっ・・・」

愛は涼蘭の何気ない一言に怒りを覚える・・・。

自分の気持ちを知っててもなお諒へ手に手を出した涼蘭が憎い・・・。

「なんで・・・なんでそんな事すんの!!!??」

愛は思わず声を荒げる。廊下を通っていた生徒がいっせいに愛をみた。

「あら?わたくし何か言いましたでしょうか?」

涼蘭はバカにするように愛を見ると、愛の方へ近寄ってくる。

そして耳元でボソッとつぶやいた。

「あたしはねぇ、あんたみたいな幸せヅラが大嫌いなんだよ・・・」

愛はその言葉に固まる。

涼蘭は平然と通り過ぎた・・・。

愛はじわっと目に涙をため、トイレへ駆けて行く・・・。

その時偶然一部始終を見ていた諒はただ黙って愛を見ていた。


{昼休み}


諒が屋上にいるとドアがゆっくりあく。

涼蘭がそっと微笑みながら入ってきた。

「光栄ですわ、まさか桜井先輩から私を呼び出すなんて・・・」

「お前はおれの質問に黙って答えてればいい・・・」

諒はキッと涼蘭を睨みつけた。

しかし、涼蘭はにこにこ笑ってる・・・。

「質問その1、お前さっき愛と何話してた・・・あいつ泣いてたぞ!!」

諒が怒鳴る・・・その目は怒りに震えている・・・。

しかし涼蘭は顔色一つ変えない・・・。

「女の子の秘密話ですわ・・・。大した事ではありません・・・。」

「質問その2、お前・・・わざと鈴崎に近づいたろ!?」

「おっしゃってる意味がよく分かりませんわ・・・。」

ここまで怒鳴られているのに顔色一つ変えない涼蘭はどこか不気味に見える。

この余裕の源はなんなのだろうか・・・。

「お前はわざと愛に近づいて、鈴崎の心の支えである新藤とケンカさせたんじゃないのか!?自分の立場を利用すれば新藤を逆上させるのは簡単な事だ・・・そして思い通りにケンカした。お前のねらいはなんなんだ!?なんで鈴崎を・・・―」

「わざわざ呼び出して言いたい事はそれ?」

涼蘭がバカにしたように諒を見た・・・。

すると諒の体に黒い植物のつるが巻きついてくる。

「・・・うっ」

そのうちの一本が諒の首に巻きつき、体を持ち上げた。

「気づくのがおせぇんだよ・・・。このあたしがあんたを好きになるとでも?冗談きついっつうの!!」

涼蘭が声をあげて笑う。諒は死に物狂いで涼蘭に手を向けた。

「せ・・・‘セシル”」

諒が呪文を唱えるがいつもの光が出てこない。

涼蘭はその姿を見て再び声をあげて笑った・・・。

「ここの屋上には光の力を封じるお札が貼ってあるからここでは力は使えない!!どうだ・・・!?

ルーンベルトにも助けを呼べねぇだろ!!!」

「お、お前・・・まさか」

諒は涼蘭の正体に気づくがこの状況ではなにも出来ない・・・。

「さぁ〜て・・・来てもらおうか・・・」



愛が美術室で絵を描いていた時だ・・・。

「せ、せんぱ〜い!!!!!」

2年の後輩がものすごい勢いでドアを開けた。

「どうしたの・・・?」

「どうしたのじゃありませんよ!!」

後輩は愛からペンを取ると机をバンッと叩いた。

「先輩のマイ・スイートダーリンがピンチです!!!!」

「・・・・高倉さんの事なら知って・・・―」

「その高倉さんなんですが・・・!!」

後輩は息をととのえると愛の肩を握る・・・。


「桜井先輩と高倉さんが校内からいなくなったんですよ!!!!」








こんにちは〜!ざしきのわらしです!!

みなさんはこの作品の中で一番好きなキャラはなんですか?私は涼蘭が結構好きですね。私個人としては一番好きに描かせてもらってるのかも(笑)

こういう腹黒キャラって描いてて楽しいんですよ!!

・・・・。

私の腹は涼蘭と違って腹黒じゃありませんよぉ!!?

ずばり、クリスタルです!!(ある意味怖い)

それではたくさんのご感想お待ちしております。


byざしきのわらし

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