2ー③
この回は登場人物が主に二人なので名前ではなく彼、彼女で書いてます。読みにくい時は申し訳ありません。
エピソードタイトルを間違えてましたので編集しました。
(やっと出来た久々の自由時間…でもあまり時間が…本当に困る…一体どんな方法を使えばこんなに巻き戻るの?)
この日のディスティニーは放課後の予定が空いていたので改めてこれまでを思い返しながら困惑していた。
(神聖な力を宿す木の魔力が怒りで国を覆うのはもう止められないみたいだしなぁ…初めはこの国から私が追い出されたのがきっかけかもしれないけど…あれはちょっとやりすぎだよねぇ。
考えられるとしたら…そうだなぁ…この国は絶対にあの木の逆鱗に触れる何かをしてるって事だけど…ずっと探っても何も出て来ないしなぁ…ああ、もうっ!一体何したのかなぁ?はぁぁ…わからないことを考えても時間の無駄だしなぁ…とりあえず切り替えないと…さぁて…今後はどうしたものか…やり尽くした感はあるから可能性が高かったものを選んで…)
追放されて姿を消した後の彼女は何故か必ず霊体としてある場所に固定されてしまうとそこから動けずに全てが終わるまで魔物が国中を跋扈する様子を見ていて結末は知っていたのでこれをなんとかしたくてずっと出来る範囲でやれることをしていた。
これまでの記憶を振り返りながら歩いていると無意識で足が向いたのは図書館だった。
この学校では図書館は別の建物にありその蔵書量もかなりのものだったので毎回ここに来ては思いついた事を出来るだけ詳しく調べて今後のヒントになりそうなものを探していた。
この時の彼女は神聖な力を宿す木の神話やそれに関連しそうな本を手に取ると迷いのない足取りで奥にあるお気に入りの一人用の席に向かうと集中して読み始めた。
彼女が図書館に行く理由は他にもありこの場所はほぼ人が来ないので彼女の憩いの場でもあった。
(…うーん…無いなぁ…エーデルオークが関連するなら…世界樹関係かなぁ?しかしそんな大層なものがこの国には…ん?待てよ…もしかしたら…)
ページを捲る手が止まりそこに書かれている文面を目で追いながらその手はある可能性に気付いて震えていた。
(え?ちょっと待って…もしこの話がそれに関係するなら…嫌ぁ…いやいや…まだ仮説だから…でも可能性は……)
頭に手を当てて信じられない可能性に青ざめながら戸惑いつつ軽く頭を掻いていた。
「それなら我が家に不自然なタイミングでアレが来たのも頷ける…この嫌な予感はやはり…でもなぁ…」
その思いは小さな呟きになりその後は深呼吸をしながら自分を落ち着かせようとした。
そしてやらなければならないことに気付いて慌てて席を離れようと顔を上げると更に青ざめた。
*****
「何故…貴方が…」
「ディスティニー嬢、大丈夫?」
そこにいたのはこの場では違和感しかないアズライルだった。
彼は彼女の事を知ろうと思い密かに探していたら彼女が図書館に向かう姿を見掛けたのでそのまま後を付けていて様子を見ていると顔を上げた時に顔色が悪すぎる事に気付いて慌てていた。
「い、いえ。問題ありません」
彼がいるなら彼女もこれ以上は近くにいたくなかったので仕方なく本を片付ける事にした。
「私はこれで戻りますのでこの席に座られるならどうぞ」
この時の彼は彼女の邪魔をしたことで彼女自身が逃げるようにすぐに席を立つ可能性を失念していた事に気付いた。
「ディスティニー嬢、待ってくれ。君に話があって後を追って来たんだ」
考え事に夢中になりすぎて普段の彼女からはあり得ないミスをした事に気付くと少し面倒臭そうにして小さく溜め息が漏れ出ていた。
「手短にお願いします」
「…」
そして二人は別の席に移ると対面で座ったのだが彼がなかなか話さないので彼女は時間が惜しくて苛立った。
「…何も無いなら私はこれで…」
話が進まず無駄に過ぎる時間が惜しくなった彼女は淡々とした口調で席を立とうとした。
「待ってくれ。本当に話しはあるんだ…しかし…これは荒唐無稽な話で君が信じるかはわからない。今から話す事はそれくらいとても信じ難いことなんだが…聞いてくれるか?」
「そこまで仰るなら移動しましょう」
彼を見ていると何やら思い詰めているような様子で話し方からしてなんとなく人には聞かれない方が良いだろうと感じた彼女は仕方なく場所を図書館にある学習室の個室に移動することにした。
個室に入ると彼は彼女が大人しく席に着くのを確認してから自分も机を挟んで座り一度深呼吸をして口を開いた。
「私は前とその前の記憶がある…それは前世と呼ばれるものとは全く違っていて全て現実の今と同じ内容の記憶なんだがそれには必ず君が関わっているんだ」
「…」
ここであえて夢だとは話さず記憶があるとだけ話したのだが彼女は今回ずっと謎だった彼の行動の違和感についてやっと理解が出来たので静かに話の続きを待つことにした。
「…君が私の婚約者となってから卒業式後のパーティーで居なくなると必ずこの国は魔物に襲われて滅亡するんだ。
その時に陛下からは必ず『己の罪は己で償え』とだけ話をされてその後の俺達は最前線に送り込まれて魔物と戦いながら前はなんとか最後まで戦えていたけど破滅の象徴のドラゴンが現れて全てを破壊してたんだ。
そして前の記憶でわかったのは魔物の襲来の前に君の父君は空を見て『まさかこれ程とは…』と呟いてた事とその後に来た陛下にディスティニー嬢と関係があるのか尋ねると必ずと言っていいほどに『勝手な事をする者に教える義理はない』とだけで言葉を濁していたんだ。
そこで今の私は初めの頃は様子を見るために君を避けてたけど途中から君を知る必要があると感じて君を調べさせてもらった。
でも何もわからなかったから直接本人に尋ねたくて婚約者の立場を利用して二人だけになる機会を探していて今に至るんだ。
私が聞きたいのは君は一体何者であの後に何をしてたのかを教えてほしい」
「知ってどうなさるおつもりですか?今後の対応次第で私はすぐに国を出ても構いませんよ」
彼女にとってこれ以上の茶番は勘弁で警戒するのは当然のことだった。
彼女の口からあっさりと出た『国を出る』の一言で彼は彼女が既に国を出る準備が整っているのだと察して慌てた。
「待て、まだはやまらないでほしい。今更だからどうしようもないのはわかる。しかしわかってはいても私としては出来ることなら真相を知った上で今後の対策を講じるつもりでいるけど今は情報が足りなくて下手に動けないから八方塞がりに近くて困ってるんだ。
そこで君の知る情報が必要だと感じたから君の今後の行動も全て教えてほしい事と先程の呟きのあれとは何かも教えてほしい」
あまりにも衝撃的で思わず口にしていた事に気付いた彼女は気不味そうに視線を逸らした。
「…今は何も話せません。私が話せる事はそれだけです」
言葉を濁して話はここまでだと言わんばかりにすぐに席を立ち、部屋を出ようとした。
「行かせない。ここで全てを話してもらう」
「離してください」
足早に部屋を後にしようとする彼女の手首を掴んで自分に引き寄せると逃がさないように抱きしめて動きを封じた。
「嫌だ。私もまた繰り返して魔物に殺されたくないんだ。
そのために探ってみても陛下も全く尻尾を出さないから君にしか聞けないんだ」
今まで敵だと思っていた人物から今回は味方に回ると言われると突然のことに彼女も戸惑った。
「弟君もいらっしゃるでしょ?」
「今のあいつは使い物にならない。この際だから協力しないか?君が手に負えない部分は私の方でわかるかもしれない。
どうだろうか…これならお互いに悪い話でもないだろ?」
(やはり漠然とでも気付いたのかな…?)
彼の話で彼女は密かに感心した。なぜなら普通は魅入られた記憶があるとそれは甘美な記憶として残り人は密の味を覚えると無意識でそちらが優先されて次にこの魔法を掛けられると抗えないのでその後もなかなか自力では戻れない。こうなると状態異常の解除系が得意な魔法使いに頼むしかなくなるのが常識だった。
しかし今の彼は正常な思考を自力で維持していた。これが示すところはそれに抗う何かを身につけて耐性を手に入れた事になる。
それは魅入られた記憶よりも衝撃的な何かを得るか事前に気付いて対策していると言うことにはなるが魅入られた者はそれに気付かない事が多いので対策を怠りがちになり結果的に同じ過ちを繰り返す事が多く前回までの彼はそれだった。
しかし今回の場合はアザレアに対しての対策を何もしてなくても恐らく魔物の襲撃が彼にとってトラウマになるほどに衝撃的な事だったのだという考えに至ると今の彼が正気なのも頷ける話で理解が出来た。
これを踏まえて彼が正気の状態で彼女自身の情報を共有したいと求めた事は個人的に彼の行動に対してかなり戸惑いがあっても王族の禁書庫ならば確実に何かを掴める可能性は高い。
これは今までにない程の好機なので出来れば逃したくはないし願ってもない申し出ではあった。しかし今までの彼があまりにも酷すぎるために信じられない気持ちも強かった。
「…考えさせてください」
ここで時間がなくとも勢いに流されるのは良くないと思えると一度仕切り直す必要性を感じた。
「わかった。君がここに向かうならその時は私も一緒について行くからその時に返事をくれればいい」
(え?何言ってるの?この人ってこんなに阿呆なの?迷惑以外はないって何故気付かないの?
あぁ…そういえば毎回卒業パーティーで頭が悪そうな冤罪掛けて品のないやり方の放置をしてたよね…これが素なら頼れないからここで返事をするのもありなのかな?
でもなぁ…一人で調べるにしても限界もあるし…しかも時間がないのにコイツに時間を割くことになるのも嫌だしなぁ…んー出来れば関わりたくないなぁ…)
どれだけ考えても迷惑に思えた彼女は密かに苛立っていた。
「…それは困ります。わたくしも考える時間が必要ですので付き纏われますとやりたいことが出来なくなります。
今は少しでも時間が惜しいので返事は城で会う機会にお願いします」
今は月に一度の顔合わせで前回は先日だったので彼女は時間が欲しくて約一月の猶予をもらう事にした。
一方で彼はというと意外と頑なな態度を崩さない彼女に対して『このまま逃げるのでは?』と不安になっていた。
「わかった…では私の婚約者であることを忘れられないようにおまじないをするから絶対に忘れないでね?」
「…いっ…何を…」
顔が近付いて首に何かが触れたかと思うとチクリと痛みが走った。
「ここに婚約者として私の所有印を刻んだから絶対に逃げないようにね?」
耳元で囁くようにされた話は彼女に嫌な予感を与えて今すぐにでも鏡を見たくて離れようとしたが彼はまだ話は終わってないのか離してくれなかった。
「こうしてすぐに逃げる君を捕まえるのもなかなか…今初めて気付いたけど…なんだかゲームみたいでこれはこれで楽しめそうだね。
未だに信じたくはないけど…もしこれが何かの得体の知れない力で本当に巻き戻っていたとしても次もその記憶があれば今度は初めからこんなことをするのもいいかもね?」
もしこれが現実だとしても婚約者であることは確定したようなものだと確信している彼はこの立場を利用しようとすることにした。
これは彼女にとって迷惑な話だったので今すぐ離してほしくて無言で暴れ始めた。
「こらっ!暴れるな。でも私としてはこれも得ではあるな。そんなに動くと君の体がもっと密着するだけだし?わかってやってるのかな?」
「…!?」
にやりと笑いながら話すと彼女はそれはそれで嫌だと感じてピタリと止まった。
「いい子だ。ではこのまま話を続けよう。君の様子を見てて思ったけどあまり反応がないところをみると記憶があるんじゃないのか?
他の者の反応はほぼ同じだが君だけが何故か違うから気になってたんだ」
「…」
意外と鋭く観察されていて驚いたがここで真実を話すか迷った。
「沈黙は肯定と見做す」
「気の所為では?」
「そうきたか…この場合なら確かに私も君のような態度を取るだろうけど、残念ながら私は確信を持って話してるんだよ」
(え?何か下手を打った?)
内心では心当たりがなくてハッタリだと思っていたので余裕だったが少しだけ嫌な予感がしていた。
「君はアザレア嬢と対峙する時に必ず他の令嬢達のような蔑みの視線ではなく探る視線を向けてたのは気付いていたかな?
私は前の記憶では少し気になってずっと君を観察してたんだよ。その時に君は婚約が白紙になるタイミングはアザレア嬢だと理解してた筈だよね。
あの時の君は彼女を上手く乗せて不名誉な罪を受けると自然な動作で止める間もなく逃げたよね」
図星だった。確かに白紙のタイミングで未来が変わるのではと考えて試していたのだが結果は変わらず再び振り出しに戻っていた。
「それでパーティーの後はどうなってたのかな?追放された時には国外に逃げて国の惨状を見てたのか?
隠さずに全てを教えてくれたら解放するかもしれないよ?」
言い方が気になったがこのまま情報を与えないでいるとずっと離してくれそうにないので仕方なく口を開いた。
「…確かに記憶はありますけれど…追放後については私も疲れ果てて自害等をしてたのでその後の事は知りませんわよ」
「えっ?君は追放後もそのまま生きてたのではないのか?」
彼が本気で驚いていると抱きしめる腕の中の彼女からは呆れたような盛大な溜め息が聞こえてきて彼も困った。
「…貴方は…何もわかってらっしゃらないのは理解出来ました。
もうお話しすることはありませんからこの手を離してくださいませんか」
「それは駄目だな。話すまでは逃さない。何があったのかを話しなさい」
本当にわかってなさそうで呆れるとまた重い溜息が漏れた。
「…貴方は…侯爵令嬢が右も左もわからない世界でしかも金品を奪われた身一つの状態でいきなり放り出されて生きて行けると思ってたなら…それはとてもおめでたい話ですよね。
おめでたい頭の貴方にこの意味がおわかりになりますか?」
「は?金品を全て奪った?どういうことだ?」
嫌味口調も気になったがそれよりもここまで酷い扱いをしていたことは把握しておらず全く知らなかったので困惑してた。
「えぇ、毎回ご丁寧に馬車の中で付添人も用意してドレスは平民の服に着替えさせられて全てを奪われてました。
貴方達は本当に最低ですよねぇ…それで私に協力を求めるのですか?それはご自分達のしでかした事を棚に置いて仰ってるのでしょうか。
馬鹿にしてます?あれだけの事をしておいて今更都合が良すぎますよね。
あぁ、そうでしたねぇ…殿下は私を都合の良い道具程度にしか見てませんでしたものね。それならこの言動にも納得出来ますわねぇ…本当に最低ですよね。
こんなに横暴な人が未来の国王?それなら魔物が襲ってなくても何れは国が滅んでも可笑しくないでしょうねぇ」
鼻で嗤うようにつらつらと出てくる事実に彼は衝撃を受けつつ確かに何も出来ない女性をいきなり一人で放り出す行為は残酷な死刑と同じような事だと今初めて気付いた。
しかし彼自身はそこまで酷い状態にしろとは命令しておらず戸惑っていたが実際に被害に遭った彼女の口から出たならそれは紛れもなく事実なのだと思われた。
「それは…すまなかった」
「すまなかったで私は無実の罪を着せられて罪人として簡単に殺されるんですね。
流石は人前でもあれだけの品性を保たれる殿下ですわねぇ」
「…」
この際なので彼女も腹を括りもう一度やり直す覚悟で言いたいことを言ってしまおうと思うと止まらなくなっていた。
流石に改めて『無実の罪で…』と言われると彼も実感が湧いて反論も出来ずにばつが悪そうな顔になったが命は惜しいので腕の力を緩める事が出来なかった。
「私は貴方達に殺されました。しかも冤罪で何度もです。それが全てですのでもう話す事はありませんから離して下さい」
「それは困る」
「何が困るのでしょうか?お互いに記憶を持つなら恐らく巻き戻るたびに貴方もその時に死んでますよね。
それなのに何もしてない者をご自分の勝手な都合で散々殺しておいて国が滅びる時に自分達も死にたくないからとこんな事をして恥ずかしくないのですか?
あれだけ冤罪で私を殺しておいて無神経だとは思わないのですか?本当に面の皮が厚い方ですわね」
やられた側にしてみれば確かに彼は実行犯なのでここで正論を話されると取り返しのつかない事をしたのだと今更ながらに気付いて困ったが彼女の言葉は彼にとって衝撃的だった。
ずっと悪夢だとばかり思っていた記憶は実は本当に何かしらの力が働いていたのかしっかりと巻き戻り自分は本当に死んでいた。それなら尚更この腕を解くことが出来なかった。
「……ではその罪を今回は贖わせて欲しい。君に誠実であることを約束する」
「今更なので遠慮します。こうしているのも気持ちが悪いのでそろそろ離してください」
「それはまだ出来ない。私もどうかしてたのは謝るし今更だが君と話がしたいんだ。
どうすれば少しでも君との距離を縮められるのだろうか」
「話がしたい?本当に今更ですね…以前の貴方の話では私は都合の良い道具なのでしょう?
道具が壊れても所詮はただの道具でしかないわたくしに対して心も痛まない貴方と話しをする時間すら惜しいので諦めて下さい」
彼はアザレアと一緒にいた頃の事を思い出して悔しそうに唇を噛み締めた。
「記憶がある今となっては以前に最低な事を思い行動に移した事は反省してる。それでも…君には悪いが今この腕を解く事はどうしても出来ない」
「貴方には未来の王妃となる光魔法の使い手のアザレア様がいるでしょう?彼女と一緒に頑張れば宜しいのではないでしょうか。
わたくしは貴方達の茶番に付き合わされて本当に腹立たしいのでそろそろこの立場も降りさせて頂きますわね」
「それは出来ない。まずはお互いに話して情報の共有をしたいんだ」
ここでアザレアを出されると困るのだが彼もここで引き下がるならディスティニーに話し掛けてはおらず腕の力を緩める事はしなかった。
「私は貴方達のいるこの国が嫌いですので今更未練もないですよ」
「そんな…」
話せば話すほど彼女の心は遠くなるのを感じて彼はなんとも言えない気持ちになった。
「早く解放してください」
「無理」
「無理ではないですよ。この腕の力を緩めて下さるだけで宜しいのですから簡単ですわよね」
「逃げるから」
「逃げるのではありません。帰るだけですわ」
「私から逃げるだろ?」
「貴方から逃げるというよりは近付きたくないので離れるだけですから勘違いなさらないで」
「だから認めるつもりはないよ」
「認めるも何も、今までの行いですから諦める事を覚えてください」
「それを言われるとあの時にもっと上手く立ち回れていたらと後悔しかないな」
「上手く立ち回らなくても人を道具としてしか見ない時点で貴方達の本性を理解してますから無意味ですわね」
(このままではまた…どうすれば)
どうやっても平行線を辿るどころか硬い地表をも抉る勢いで心象が悪くなっているのを感じながら外を見ると少しずつ暗くなってきていたので時間がないのを感じつつも折角の好機を逃したくない彼は内心では焦り頭を抱えていた。
ここまで読んで下さって有り難うございます。
まともなアズライルは命懸けなのでかなり必死です。
今回は文字数が多くて長すぎました…出来る限り省略して収めようとしましたが諦めました。
長文にお付き合いくださった皆様、本当に有り難うございました。
次は少し短くなる予定…の筈…温かな目でお付き合い下さると有り難いです。
脱字の修正致しました。