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ケケラサラル鉱山の依頼完了

「おう!おかえりお前さんら!ケケラサラル鉱石の納品お疲れさん!」


蛇の中庭のギルドマスターのテュールが豪快に笑いながら三人を出迎えてくれた


「いやあ、しっかし結晶竜を殺して無理やり結晶剥ごうなんざ…蛇の中庭の条約《無闇に生物などから素材を剥ぎ取らない》に違反してるじゃねえか! こっちもギルドとして黙っちゃあいられねえ! よって、件の冒険者は罰金とケケラサラル鉱山への立ち入り禁止! 今後、この様な事がないように気をつける様に!」


テュールがそう言うと、冒険者は青覚めた

しかし、とどめとばかりに聖職者がテュールに冷たく告げる


「こいつらは結晶を剥ごうとしただけじゃないぞテュール、結晶竜の子供を斬り付けて傷付けて殺そうとしたし、結晶竜の親を殺して結晶だけじゃなくて竜の体全ての素材を売ろうとしていた」


「文字通り、竜の全身をなァ?母ちゃん竜が殺されかけた時の竜の子の悲鳴と親竜にとりすがって流した涙が吾の頭から離れてくれないよォ……」


侍は目を伏せて悲しい表情をしながら言った

その言葉にテュールの顔色が真っ青になった


「そ、それは本当なのか?」


テュールの言葉に二人は静かに頷いた

それを聞いたテュールは真っ青な顔から一転して顔を真っ赤にして叫ぶ


「何やってんだテメエら!!︎!!︎」


テュールの声が蛇の中庭に響き渡った

それから三人の冒険者はギルドマスター直々に説教された後、冒険者としての資格を剥奪され

冒険者の資格を失った


「ぜぇはぁ…ぜぇはぁ…す、すまないなお前ら…と、取り乱しちまった」

テュールはぜえぜえと息を切らせていた


「なァ?テュールよォ?吾は資格剥奪?ってのがよくわからねェんだがな?冒険者の資格を剥奪されるとどうなるんだィ?」


侍はそう言う話には疎いのか、こてんと首を傾げてテュールに問うた


「ぜぇはぁ…冒険者の資格を取得してないと、ギルドの依頼を受ける事も出来なければ、ダンジョンに入る事すら出来ない。冒険者がダンジョンに潜るのは、ダンジョン内の魔力濃度が高い場所でしか手に入らない貴重な鉱石や薬草を手に入れる為だ つまり、ダンジョンに入れない冒険者はただの穀潰しにしかならないんだよ」


テュールの説明を聞いて、侍はへェ?と笑った


「じゃァ、あいつら明日からまともに働くことも出来ずに野垂れ死ぬしかないってわけかィ」


「まあ、そうなるな あの三人の冒険者はケケラサラル鉱石のねぐらを荒らしただけでなく、竜の子を半殺しにしようとした挙句、竜の親を殺したからな。」


「ちょっと待ちなァ?竜の親は死んでなんかないよォ?吾と薬師が助けたぜェ?薬師の塗り薬と吾の女神ヘルンの奇跡で親竜は助かったからなァ?」


その言葉にテュールは心底安堵した様に息をついた


「それだよ、それなんだよ!あと少しお前らが遅かったら、結晶竜の親子は死んじまってたかもしれねえんだ! お前らの迅速な対応のおかげで結晶竜の親子は無事だった! だから、今回の冒険者をボコった件は俺の独断で不問にしよう!

結晶竜の親子を助けてくれたことに感謝する!ありがとう!」


テュールが深々と頭を下げてお礼を言うと三人は照れ臭そうに頭をかいたり、鼻の下を擦ったりしながら、おぅ!と返事をした


しかし、テュールの怒りはなかなか冷めない


「あいつらろくでもねえ冒険者だったな!結晶竜から無理やり結晶剥ごうなんて言語道断だ!あいつらは鉱石を食べてひっそり暮らしてるだけの竜を殺そうとしたんだぞ!? しかも、ケケラサラル鉱石のねぐらを無断で荒らすし…… あー、もう、思い出しただけで腹が立つ! 」


「あっ、結晶で思い出したんだけどな…」

聖職者がごそごそと懐から結晶竜からもらった結晶を取り出す、竜から貰った結晶はまるで虹の様に七色に輝く美しいものだった


「これ、結晶竜の親が俺たちにくれたんだが…これ持ってると罪に問われたりするか?」


テュールは結晶を見て少し驚いた顔をしたが豪快に笑い飛ばした


「がっはっは!心配はいらねェよ!罪に問われるのは無理矢理結晶を剥ごうとした奴だけだし、これは竜からの贈り物なんだろ?なら、何も問題はないさ」


「よかった……じゃあ、この結晶は貰ってもいいのか?」


「ああ、いいぞ!むしろ、竜が人間にこれを渡すって事は、その人間は竜に認められたって事だしな それに、こんなに綺麗なもんは滅多に見れないからな、大事にしろよ」


「わかった」


聖職者は嬉しそうに微笑んで、大事にそれを懐へとしまった


「可愛かったよなぁ、竜の子…本当に優しい子だったなぁ」


「いやァ、もォやめろォ薬師ィ…やっと涙が止まったばっかなのにまた出ちまいそうだァ……吾が奇跡で傷を治してやったら甘えて吾の指をパクリと咥えてなァ 可愛いったらなかったぜェ」


侍が頷く


「ああ……確かに…あれは母乳出るかと思った」


聖職者が頷く、テュールはそんなに気に入ったのかと考え


「……お前らが良かったら、なるだけケケラサラル鉱山の仕事回してやろうか?最初だからもちろん、危険度が低い仕事ばかりだけど…」


「え!良いのか?!」

聖職者が詰め寄る


「おィ!薬師ィッ!音源とったかィ?ケケラサラル鉱山の仕事回してくれるってよォッ!」

「あぁ!バッチリだ!」


三人とも嬉々としている


「そんなに、そんなにか…お前らそんなに竜の子が好きなのか……まぁ、いいけどな、うん……つか、男なのに母乳が出そうって何だよ…どんだけ母性愛強いんだよ…… まぁ、いいや…こいつらなら絶対に結晶竜たちを傷付けたりしないからな…… おい、お前ら!次の依頼もよろしく頼むぜ!」


三人は他のクエストを受けながら、結晶竜の子の成長を見守るのが楽しみになったらしい。


クエスト

《ケケラサラル鉱山での採集》clear!


報酬:クエストの報償金と結晶竜の親から貰った結晶竜の水晶

あと溢れんばかりの母性愛

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