ケケサル鉱山の結晶竜
聖職者と薬師と侍はギルドの依頼でケケサル鉱山と言う鉱山に鉱石を採取しに来ていた
ケケサル鉱山は
ケケラサラル鉱石と言う木目調の鉱石が採れる。ケケラサラル鉱石で出来た武器防具、装飾品は土耐性が高い
ケケサル鉱山は数少ない結晶竜の生息地でもある。
「辻斬り騒動が終わったかと思ったら、次は鉱石採取か」
鉱石採取に相応しく薬師は頭を守るヘルメットを被り、腰には薬草の入った袋を下げていた。
「まあまあ、のんびり鉱石採取ってのも悪くないんじゃないかァ?」
侍はケラケラと笑っている、羽織にヘルメットと言うアンバランス極まりない格好だ。
「依頼内容はケケラサラル鉱石10個を納品する事だ。テュールいわく期限は特にない様だが、早めに頼むとのことらしい」
聖職者もまたヘルメットをかぶっていた、肩にはカラスのフギンが、ヘルメットの上にはムニンが止まり辛そうにしていた。
「んでよォ?ケケラサラル鉱石?何か言いづらい名前の石っころは何処にあるんだィ?聖職者?」
「さあ、テュールからは石は茶色で木目の様な模様をしているからすぐにわかると言っていたな」
「ほう、すぐわかるたって…ここいらにある石は皆、茶色いからなぁ……」
「確かにそうだな」
3人が辺りを見渡す、どこもかしこも茶色い石だらけだ
「…まあ、とりあえずぼちぼち探そうぜ」
薬師が笑うと、岩の後ろにある光る鉱石に照らされ何かの影が動いた気がした。
「あァ?なんだァ?」
侍は警戒心0で近寄った
「お、おい侍!危ないだろうが!」
薬師の制止を無視して、侍が屈み込み何かを鷲掴みにした
「お、おい…」
聖職者が恐る恐る声をかけた
侍の手には背中にびっしり水晶の結晶を生やした小さな竜がキュウキュウと鳴いていた。
その手の中でぱたぱた暴れているのは、どうやら竜の子供だったようだ。
薬師がびっくりした様に言う
「こりゃ結晶竜の子供じゃねえか!なんでこんな所に?」
「これは珍しい物を見たな」
「結晶竜ってなんだィ?」
「結晶竜は鉱石を餌に生きるドラゴンだよ。滅多に人前に姿を現さないんだけどな。」
「へェー、でも、なんかこいつからは血の臭いがするぜェ?」
竜はキュウキュウ鳴きながら暴れている
聖職者と薬師が足を見ると竜の子供の脚からはポタポタと赤い液体が落ちていた。
よく見ると脚に傷があり、そこから流れ落ちているようだった。
「怪我をしてるみたいだな」
「あらら、可哀想にねェ?」
侍が竜の子供に鼻が触れ合うほど顔を近づける、白目と黒目が反転した異様な双眸に見つめられ竜の子供はますます怖さに怯えて泣き出した。
侍は気にせず、竜の子供を覗き込んだまま言った。
「女神の慈悲」
愛の女神ヘルンの癒しの奇跡、美しい光が竜の子供の傷を包み込む。するとみるみると傷口が塞がっていくではないか。
侍は竜の子を地面にそっと置く
竜の子は目を丸くしてキョトンとしている。
侍はケラケラ笑っていた
「心配すんなよォ、とって喰やしねえさァ、可愛いちびちゃんよォ?」
竜の子は侍の笑顔に安心したのか、キュウと小さく鳴いて侍の肩に止まった。
侍は少し驚いていた
「なんだィ?吾は別に旨いもんなんざ持ってないぜェ?」
そう言いながら指を差し出せば竜の子はパクリと侍の指を咥えチューチューと吸い始めた。
その姿はまるで母親の乳を飲む赤子の様であった。
「……やばいねェ、吾、れっきとした男だけど今なら母性に目覚めそうだよォ」
「お前がそんな事言ってると、なんだか気持ち悪いぞ……」
聖職者がぼやく
「いや、やばいよォ?これは…こんなお前…おいィ、聖職者ァ、お前も指差し出して見ろってェ」
「俺がか?」
試しに竜の子に指を差し出せば竜の子は甘える様に聖職者の指を舐め始めた。
「ああ……確かに…これは母乳出そうだ……」
「だろォ?」
「…………」
薬師は呆れたように二人を見ていた
「なんで野郎が揃いも揃って竜の子に母性愛を芽生えさせてんだよ……」
「まあまあ、薬師ィ?お前も指出してみろよォ」
「やめろやめろ、危ないもん勧めるみてえに竜の子を差し出すな!俺はいい!」
「まあ、遠慮するな」
竜の子供の前に聖職者が薬師の指を差し出せば、竜の子供は甘えた様に鳴きながら、ぺろりと薬師の指を舐めた
「……男でも乳が出たら良いのになっ……!」
野郎が三人、見事なまでに母性愛に目覚めた瞬間である。
かわいいものには弱い三人




