優しい帰り道と暖かな贈り物
「ここまで来たら、もう大丈夫か?」
聖職者が優しく言うと子どもたちは頷いた
「ありがとうございます!」
子どもたちが頭を下げ礼を言う
「いいぜ気にしなくて、それより早く帰りな、今頃お母さんやお父さんたちが心配してるぜ?」
「うん!帰んないと怒られるもんねー!」
「みんな待ってるよねきっと!」
「おう、気をつけて帰れよ」
「もう無人の屋敷に何か入るんじゃないぞ?」
薬師は優しく笑いながら手を振って見送った
その姿が見えなくなるのを確認してから 薬師は深い安堵の溜め息をつく
「はあー、やれやれ、これにて一件落着だな」
薬師が伸びをすれば、聖職者も首をコキコキと鳴らした
「まあ何にせよ無事終わってよかったじゃないか」
「まったくだぜ全く、あのガキンチョどもに怪我が無けりゃそれで良いんだが……」
薬師が微笑みながら言った
「ありがとうよ聖職者、今日はお前に助けられっぱなしだったな」
落ちてきたシャンデリアの件と言い、亡霊の件と言い
「そんなことは無い、お前だって子供たちを真っ先に庇いに行ったじゃないか、お前が子どもたちを守ってくれてなきゃ、あの亡霊の浄化させる神の詩を唄う暇なんかなかったし子どもたちを庇いながら亡霊の浄化をするなんて無理だ」
「ははっ、違いねえ、お互い様だな」
二人は顔を見合わせて笑うと肩を叩き合った
そしてそのまま歩き出そうとしたその時
後ろから声をかけられ振り返った
そこには先程送り出したはずの子供たちがいたのだ、まだ何か用があるのだろうか
「おう、どうしたぁ?」
薬師が屈んでのんびりとした口調で問いかければ子どもたちは互いに笑い合い
各々後ろに隠していたものを出した
野菜と果物が山ほど積まれた籠、丸パンが山ほど乗った籠、そして塩漬け肉が入った大きなツボまで持っていた
「えっとね、おじさん達助けてくれたから、僕たちからのお礼です!」
「これは俺たちからの気持ちだから受け取ってください!!」
「おお、こいつぁありがたい!!遠慮なく貰っていくぞ!」
薬師は嬉々として受け取った
「じゃあ気を付けて帰るんだよ」
聖職者は笑顔で言う
「ありがとう!ありがとう!聖職者のおじさん!薬師のおじさん!」
子どもたちは元気いっぱいに手を振りながら夕焼けが照らす道を家に帰るために駆けていった
あとには子どもたちから贈られた尊い贈り物を持つ聖職者と薬師だけが残された
「ああ、本当に嬉しいねぇ」
「そうだな、こんなに喜ばれるならまた困っている人を助けたくなる」
後から留守番をしてくれていた少年に
皆が無事に帰ったことを伝えれば少年は心底嬉しかったのか涙を流しながら
聖職者と薬師に礼を言った
「ありがとうございます!本当に!本当に…」
「いいんだよ、それより留守番ありがとうな」
「ああ、気にしないでくれよ、困ったことがありゃまた来ると良い。」
二人は笑って答えた
少年を送り届けてから
聖職者と薬師はようやっと我が家に帰宅した
「しっかしまあ、なんと言うか」
普段なら考えられないほどのご馳走が食卓に並ぶ
「今日は随分と豪華だな」
子どもたちがくれた野菜と塩漬け肉で作ったスープ、丸パン、色とりどりの瑞々しい果物
いつもより豪勢な食卓だった
子どもたちの優しさに感謝して手を合わせる
薬師は手を合わせて
「いただきます!」
聖職者は手を組み
「オーディンよ、数々の恵みに厚く感謝します」
主神への祈りを謳った後に食べ始めた
いつも以上に穏やかな笑みを浮かべながら笑い合う二人を眺めながらフギンを枕にしたムニンが小さくあくびをした。
クエスト
《幽霊屋敷の子どもたちの行方》CLEAR!
報酬:子どもたちからもらった野菜と果物が山ほど積まれた籠、丸パンが山ほど乗った籠、そして塩漬け肉が入った大きなツボ。




