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国と歴史②〜成立と戦争〜

紆余曲折あったがちゃんとユールスニアに来た目的をちゃんと思い出してミナを両親の元に送り届けたエルドナス達。

帰ろうとしてたがミナの両親の言葉に甘えて少し休憩をするようです。

「それにしても皆さんよくここまで無事にたどり着けましたね」

ミナの両親の言葉に甘えお茶を入れていただいたところでミナの母からそんな言葉をもらう。

たしかに途中寄り道したり目的を見失ったりとか色々とあったからなぁ…

「そうですよ、皆さんは聞いたところによれば隣の国からいらっしゃたとか。それにあのように豪華な馬車に乗って来られたら彼らには確実に見つかっていたでしょうに」

彼ら…とはどなたでしょうか?ちょっと心当たりは無いですねぇ。

「僕は思い当たる節は無いんだけどなんかあったっけ?」

ぐるっと首を回してエーシェたちの方を見る。

「僕も心当たりなーい」

「そうね。私も無いわね」

ヒスイとエーシェも心当たりなしと。やっぱりそうだよねー。

「みなさん正気ですの?途中でえーと…こんにゃくとすこんぶみたいな名前の方々に絡まれたではないですか」

こんにゃくとすこんぶ?というかなんでその単語知ってるんだカミラ。

「こんにゃく?すこんぶ?」

ミナの頭の上にははてなが浮かんでいる。小首をかしげているのがこれまたかわいい…じゃなかった確かにそんな変な名前の奴らに絡まれたような絡まれていないような?

「えっと、もしかしなくてもコニーニョスクアーダではありませんか?」

「「「「それだ!」」」」

ミナの父親が言った言葉にはとっても聞き覚えがあった。というかさっきのこんにゃくとすこんぶからよく推測できたな…

「やはりそうですか。彼らもやはり変わりませんね」

「えーっとそのゴミーノハキダーメ?って何なんですか?」

「コニーニョスクアーダです」

あ、えっと…ごめんなさい覚える気無いのバレバレっすよね。

「みなさんお疲れでしょうからぜひ休憩がてらにこの国の昔話でも」

そう言ってミナの父親は話し始めた。


〜時は千年以上前に遡る〜

これはここユールスニアが自由国家と呼ばれ始める前のこと。

まだ国家として成り立つ前の現在のユールスニア国土内には他国からの流民が集まり小さな集落のようなものが出来上がっていた。

集落は自然と人が増え、それぞれが自然と集落の中で役割を見つけ共同体として生活をしていくようになった頃から人々の衝突ということもしばしば増えていった。

その結果人々は意見と意見をぶつけ合い、話し合いをすることが増えその意見を取りまとめるためのリーダーが出現した。これがこの自由国家で生まれた最初の王だった。

始めは集落にいる人々の生活を豊かにするために集落内の意思決定権を有していただけの王だったが、時間とともに次第とその役割と目的は変わっていったのであった。

人の欲は尽きることが無い。

少し前まで望んでいたものが手に入れば新たに望みが生まれる。

そうしていくうちに今の集落だけでは限界が来てしまい、人々がとった行動は1つ。

足りないならば補えば良い。それが今の集落に無いのであれば奪うしか無い。

結果として生まれたのは集落同士の戦争だった。正義と正義のぶつかり合いで勝利した集落は負けた集落を取り込み大きくなり更に次の標的に狙いを定める。

こうした戦いの日々は数十年に渡って続き、最後の一つになるまで続いた。

最後の戦いの勝利した巨大な集落がそのまま現在のユールスニアの原型となった。

初代国王の名をユグドル=ユールスニア。

彼の名前から国名をユールスニアとしたのであった。

ユグドルは現在のユールスニアでも語り継がれるほどの賢王であった。

戦いに明け暮れていた時代を勝ち抜くために必要だった軍事力。

敵の集落と戦うために必要だった情報を集めるための情報収集能力。

新たに自分たちの集落に取り込まれた集落の人々からも尊敬を集めるだけのカリスマ力。

戦場だけではなく集落内で起きた出来事に対しての判断力。

そういった王たる資質を持って生まれたのがユグドルであったと言われている。

また、このユールスニアが自由国家となったのもこのユグドルの思想が色濃く反映されているからだと言われている。

「我らは流民の子。我らはたまたまこの地に集まっただけの寄せ集めの集団である。そんな我らが新たにこの国に入ってこようという仲間を拒む必要など一切無い」

という言葉を残していると言われる。

自分たちの生まれがどのようなものだったのかを理解し、今後の国のあり方を決めるに足る言葉であった。

ユグドルが王として統治をしていたのはユールスニアが出来上がってから20年ほどであった。

その間に彼はこの国の礎を作り上げ、ただの寄せ集めの集団に過ぎなかったユールスニアを1つの国としたのであった。

いかに賢王といえども人の子である。最後の時が訪れた。

争いに明け暮れた日々を思い犠牲になっていった仲間を思い最後は涙をしたと伝えられている。

このときのユールスニアには王が居たこともありユールスニア王国と名乗っていた。

他の国と同じようにユールスニア王国も世襲制を採用しており、賢王ユグドルの後任にはユグドルの息子、孫とユグドルの血族の者たちがユールスニア王国の統治を行っていった。

ユグドル以降の王の名前はそれほど語り継がれていない。それほどにユグドルが秀でた才能を持っていたとも言える。

そんな状態でもユールスニア王国はさほど乱れることなく安定した成長を続けていくことが出来ていたのだ。

その要因はユールスニア王国の国土にあった。

エーシェやエルドナスの生まれたナレファンス王国に比べれば領土が大きいわけではないが、決定的な違いが1つあった。地形である。

ナレファンス王国はエルドナスが生まれた家があったのが山脈の一部であったり、ヒスイと会った森が山を1つ超えなくてはいけないなど海洋に面しているとはいえ国土の中で占める山間地の割合がユールスニア王国に比べて高い。そのため、人が生きていくために必要な食料の確保に困っているのは事実である。

実際問題食料自給率という点では半分に行くかどうかというところが関の山であり、半数程度を他国との貿易で賄っている。山脈や海洋があるため資源には困らないのがナレファンス王国の利点ではあるがそれでもギリギリのバランスで成り立っているのである。

一方でユールスニアの国土の殆どは平野である。また、都合よく国内には大小様々な川が周辺の国から流れ込んでくる。海洋の無い内陸国ではあるが農地として活用できる土地には困っていないのだ。

加えて気候も温暖であり、寒さで作物が痛むこともなく安定して食料を確保することが出来ていた。

そのため食料が豊かなユールスニアには流民が止まることなく流れてきたのであった。

国として大きくなっていく中で国として農地の開墾を続けていたことで食料で困ることはなかった。

そうして数百年は他国と諍いを起こすわけでもなく安定して国として成長を続けていったのだった。


だが、平穏というのはいずれ綻びが出るものである。

その頃に起きたのがヒスイの経験している神々の神々の戦争だった。

神々の戦争が起きたきっかけはとある1柱の神が主神であった神に対して楯突いたところから主神派閥と反逆派閥に別れ争い続けていたものだった。

ちなみに、以前エルドナスというかアティが倒したアヴェンという邪神はこの反逆派閥に属していた元神の1柱だったりもする。そして、アティは主神の城を守るために門番のような役割をしていた主神派閥である。

この戦争は人と神が争うような戦争ではなかった。だから直接的な被害が出ていないように思えるが、この世界の神と人々、土地には密接な関係があったためそう穏やかには事が進まなかった。

人々は自然や事象に対して畏怖を抱いた時に自然と神に祈っていた。そうした信仰から生まれる神も多数居た。その結果、その神の状態によりその自然や事象にも影響が出ていたのである。

例えば、豊作の神が傷つけば傷ついている期間はずっと不作が続いてしまう。水の神が傷つけば水の質が悪化するなどなど、人々の生活に直結するような出来事は戦争の間に多数目撃されたと言われている。

その結果生まれたのは人々の闘いであった。

それまで豊かに暮らしていたはずの土地で豊かに暮らすことができなくなれば、人は豊かさを求めてそれを勝ち取るという方法しか知らないのである。

ユールスニア王国にもその影響は出ていた。食料の豊かなことで有名な土地を欲しがり様々な国からの襲撃を受けたユールスニアだが、元は戦いの中に生まれた国である。いかに成立から数百年の年月が経過していようとその精神は受け継がれていたこともありなんとかしのぎ続けていったのであった。

戦いが続けばどちらかの国が勝ちどちらかが負ける。負けた国が形をなしていれば話は別だが、そのような甘い話は少ない。国として存在をしなくなったという例も多々ある。

戦いを機に大きくなった国もある。西方にある統一国家ジンという国は現在の国土内に多数あったとされる小国をすべて武力により統一し今の国の形になったと言われている。

また、その時期に一切自国から戦いを仕掛けなかった国も複数ある。ユールスニア王国や出来たばかりのナレファンス王国や統一国家ジンよりも更に西方に位置する島国がその例である。

ユールスニアは戦いを好まず、国を無くしさまようことになった人々を受け入れ続けていった。

しかし、これがユールスニア王国を傾ける事態を招くことになってしまう。


やがて時は過ぎ、神々の戦争も終わりを迎えることになる。主神が反逆派閥のリーダーであった反逆のきっかけを作った神を討ち取ったことにより戦争に終止符が打たれたのであった。

その後、反逆派閥に属していた神々は邪神という扱いになり、世界に大きく光と闇の存在が生まれることになるのだが、それはまた別の話である。

神々の力が復活したことにより世界には再び平和が戻ったのであった。

自国を守ることのみを考えていた各国の王達は世界が豊かになっていくのを見ていがみ合うのをやめたのであった。

そのうちに各国の王達が今後このようなことが起きないようにと国際協力を求めるようになりそういった動きが加速をしていくことになり世界から争いという争いは消えたかと思えた。

だが、その当時のユールスニア王国内はそんな世界の情勢などいざしらず争いがそこかしこで勃発していたのであった。

原因は先程も述べたように様々な土地からの民を受け入れ続けてしまったことである。

そして、これもまた人のとどまることを知らない欲からも来ている。

世界各国で戦争が起きていた当時はユールスニア王国内は平穏そのものだった。自分が怒っているのに近くにそれ以上に怒っている人がいると馬鹿らしくなるのと同じで他国の様子を知っていた国民達は争いとは無縁の生活を送っていた。

しかし、いざ世界中で起きていた戦争が終わると国内は人で溢れかえっていたのだった。

国としての許容量を超えるほどの民を受け入れてしまったユールスニア王国内では争いが絶えなくなっていた。

もともとは賢王ユグドルの思想を大切にしていた古くからのユールスニア王国の国民が多く居た国であったが、世界中からの移民が流れ込んできたことにより状況は一変した。

ただそこが受け入れてくれたからという理由だけでユールスニア王国で生活をしている人の増加により、もともとの国民と新しい移民たちの間に生まれていた小さな溝は移民たちが増えたことにより少しずつ大きくなっていったのだった。

「我々は元は流れ着いた者である」という考え方が根底にある古くからのユールスニア王国の国民は他者に対して博愛の精神で接し続けた。

それに対して神々の戦争が始まって以降に国民になった人々の根底にあるのは「他者からは富を奪うもの」である。彼らは彼ら自身が豊かになるために他者からの略奪をしようとして失敗した国の民である。その恨み、悲しみは消えることなく自然と行動に現れていってしまった。

そのうちにユールスニア王国内は人が人を騙し、欺き勝者は富を得ていった。そして、敗者は奪い尽くされ何も残らない。そうして生まれたのが奴隷制度であった。

元は全てを奪いつくされ相手に渡すものが存在しなくなった人が最後に賭けるものが自分自身の命で会ったことから自然と生まれたものだったが、それが国として制度になってしまったのである。

結果として、ユールスニア王国には大きな貧富の差が生まれたのであった。

奪われた人々は不満をつのらせていたが、自分には何も出来ないと声を上げることはなかった。

だが、その現状に立ち上がった男たちが居たのだ。

【国と歴史②〜成立と戦争〜】最後までお読みいただきましてありがとうございました〜!

今回は殆ど歴史の授業でしたね!!なんか聞いたことあるかもしれないそんな歴史(笑)

さて、今回はあんまりに皆が出てこないので久しぶりにあれやりますね。

【なんちゃって次回予告】

エル「僕らが半分以上出てこない話って初めてじゃない?」

エー「私は数話出ていないことがあったと思うわ」

ヒス「だってエーシェお城でHIKIKOMORIやってたから出てこれなかったじゃん」

カミ「あの時ですわね。それにしてもどちらの国にも歴史があるのですね」

エル「どっかの国の王様はエルフのお姫様と駆け落ちして国建ててるけどね」

エー「そんなこと言ったらエル君だってその国のお姫様と一緒にいるわけだけど、そのあたりはどうなのかしら?」

エル「…」

ざー「そろそろ喋っていい?」

4人「うわっ!?」

ざー「随分な挨拶をありがとう。ところでそろそろ締めたいんだけど久々に誰かやってくれる人居ないか?」

4人「…」(全員が目をそらす)

ざー「そーかそーか…じゃあ、久しぶり喋るから俺がやっちゃうわ。次回!【国と歴史③〜5人の男たち〜】お楽しみに!」

4人「おつかれっしたー」(一斉にあるき出す)

ざー「え?ちょ、待ってよひどくない!?次回もこれやってやるからな!!」

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