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ユールスニアへ!⑥〜新しい思いつき〜

精神世界でのアティとの雑談会の続きでーす。

「そういえば、もう1個気になってたことがあるんだけどさいいかな?」

僕が何故この世界に来たのかの話も一段落したところで今日したかったもうひとつの話をねじ込む。

「もう今日は何を聞かれてもちゃんと答えるわよー?じゃんじゃん聞いてね」

「前にアティが僕の体と入れ替わった後に影響があるって聞いたと思うんだけど、具体的にはどんな影響があるの?」

「あー…それね。前に話さなかったかしら?私が入れ替わって戦う度にエル君の体は私に近い存在になっちゃうのよ。人間卒業ねおめでとう」

そんな卒業は嬉しくねぇよ。

「それでさ、1個思いついたんだけど聞いてもらってもいいかな?」

「なになに?気になるわね。エル君の思いつきはいっつも面白いのばかりだから大歓迎よ。特にあれね。ダーツ?って言うのかしら?点数がそのまま攻撃になるのは思わず声を当てちゃうくらい面白かったわ」

あーそんなこともありましたねぇ〜めちゃくちゃノリノリだったもんね。

「全身を入れ替えるよりも部分的に力を借りたり出来ればその影響も抑えられるんじゃないかなって思ったんだけど、どうかな?」

僕の言葉にアティは腕組みをして考え始める

「んー。発想としては面白いしたぶん影響を抑えることも出来るかもしれないわね。でも、結局のところ遅らせているだけにしか思えないのと、そんなことできるのかしら?」

そんなこと聞かれても僕は知らんけどな。

「いや、全身入れ替わることができるなら一部分だけ力を貸してもらうほうが楽なんじゃないかな的な考えだったんだけど…」

「んー私としては全身入れ替わっちゃうほうが楽な気がするのよねー。ほら、私って細かい作業嫌いだし」

てへっと可愛らしい仕草で舌を出すが、そんなことは初耳です。

…大雑把だなと思うところはなかったと言えば嘘になるかもしれないけど。

「そもそも僕の体の中に居るって状態が僕にはよくわかんないから入れ替わるってのもよくわかんないんだよね。触れているような状態なのか…それともそうじゃないのか…」

「そうね〜触れている状態というのもちょっと違うかもしれないわね。前にエルくん私の魔力を使ったこと会ったわよね」

唐突にそんな事言われてもよくわからん。

「あの時よ。私と入れ替わる前に完全に魔力が枯渇したのに何故か魔法が使えた事あったでしょ?」

…あー、あの時の話か。確かにそんな事あったかもしれない。

「王都での話でしょ?」

「そうそう!その時は無理やり私の魔力の方を使ったのよ?その時の感覚は覚えていないかしら?」

そんな事言われてもなぁ…

「なんか夢を見たみたいな話になるんだけどね」

「うんうん。そういうのが意外と解決の糸口になることはあるのよ」

そういうもんなのかねぇ…

「たしか、自分の魔力が入っているツボみたいのがあったんだけど、それが空になってたんだよね。それでどうしようって思ってたら隣にガチガチに蓋が固められたもう一つの壺があってなんか知らんけど開いたんだっけっかな」

「それが私の力を使ったってことね。そっかーやっぱりそんな感じなのね〜」

そんな感じとは何なのだろうか?

「私は今エルくんの中に居るけど、別に存在が溶け合っているわけじゃないじゃない?もともと2つの魂を溶け合わせてできたのが今のエルくんって話はしたけど、私は私で今もここにいるわよね」

何を当たり前のことを言っているのだろうかこの人は…

「だから、その夢で見たこともあながち間違っているわけじゃないの。違う存在から魔力を借りるっていうのは普通ありえないことだから、封印されているって表現に近かったんじゃないかしら」

あーなるほどね〜。

それを無理やりこじ開けちゃったわけですね。

「でも、普通はそれが存在しないのと、それが存在していたとしてもこじ開けることなんてのはありえないはずなのよね。エル君は存在自体が異常だからあり得たことなのかもしれないけど…」

なんか僕悪口言われてます?目の前で思いっきり悪口言われてます?

「もしくは、私がその存在を作った時に魔力を使っていたからその関係で魔力の親和性って言えばいいのかしら?よくわからないけど、そういう何かのはずみでうまいこと使えちゃったのかもしれないわね」

この人すごいんだかすごくないんだかよくわからんな。

「でも、その話が真実なんだとしたら少しだけ力を借りることもできるんじゃないかな?」

可能性がまったくないわけではないはずだ。あの時アティの力を借りることができたのだから。

「そうは言うけどね…エルくんあの時必要な分だけ使うってことできた?」

「えっと…覚えてないかな〜」

全くもってそのとおりです!全然よくわからん状態になってた気がします!

「だから、こっちが調整してエルくんに力を渡すってことができればいいんだけど、内側からだとうまくいく気がしないのよね〜。例えばこんな感じで〜」

唐突にアティに手を触れられてちょっとビビる。

「はーい。落ち着いてね〜。今からちょっと魔力を分けるから」

そういうと手を伝って魔力が来ているような…来ていないような…

「今は少しだけだから鈍感なエルくんにはわからなないかもしれないわね」

一言多いぞ?

「そういうわけで、こうしてないと無理ね」

そんなこと知らん…

うーむ…そういうことなら難しいのかもしれないな…よー知らんけど。

「そういうことなら諦めるか〜…あれ?そういえばさっきアティ別に僕の中に居なきゃいけないわけじゃないって言ってたよね?」

「そうね。もうあなたのことに閉じ込められることもなくなったわね。だからこの前までルスにしてたわけなんだけど」

「それだー!!」

これが唯一の突破口かもしれない!!

「何よ急に」

「アティ外の世界に出ればいいんじゃない?」

「えー外の世界に出るって言われても基本的に私達って形があるわけじゃないから神界以外じゃあなた達に見えるって存在でもないし〜。だからさっきみたいにエルくんに触れることもできないのよね〜」

「いや、なんとかなると思うよ?」

「私はそんな方法知らないんですけど〜?」

それがあるんだよなぁ〜。きっとたぶんおそらく。

「アティに依代を作ればいいんだよ!」

「よりしろね〜…ないことはないけど…大体石像なのよね〜」

さすが神様www石像ってwww

「ちょっと何笑ってるのよ?」

「いや〜ほんとに神様なんだなって思ってさ…石像って…あれ?石像があるってことはアティをちゃんと神様として崇めている地域があるってことなんだよね」

「ほんとに失礼よね…ちゃんとあるわよ?だいたい滅びたけど」

さらっと恐ろしいこと言うじゃないの。

「滅びてんのかい!」

「だって〜これでも私結構古株の神様なのよ?だから、私のことを信じてくれていた国も滅びてしまったところが多いわよね〜。仕方ないわよ。なんだっけエルくんの元いた国だとあれかしら?盛者必衰ってやつよ」

僕の頭から勝手に情報抜くのやめといてもらえませんかね〜?

「話がそれちゃったから戻すけど、依代石像以外でないの?」

「ないわね。それどころか神様が依代に入って動き回るとか前例ないから。前代未聞だから」

「前例がないからって諦めていいのか!」

「いや、そう言われてもねぇ…」

「必要なものがあるならなんとかするから。金はある!」

しらーっという残念な視線を送られる。

「清々しいくらい嫌なセリフね」

「事実だからね!」

ぶっちゃけ家もただで手に入ったし王都でもらったお金も結構残ってるからなんとかなるだろ。エーシェに聞いたけどあの金貨の量だったらすっげーちっちゃい国の国家予算くらいあるらしい。それをポンってくれるって太っ腹だよなぁ…

「あーはいはい。わかったわよ。ちょっと聞いて見るから」

アティは指を額に当てたかと思うと目を閉じた。

「あーもしもし主様ですか?お久しぶりです〜アティです〜」

営業の電話かよ。

「いや〜ちょっとご相談なんですけど〜…私って動ける依代とか用意できたところでこの世界に干渉しすぎるっていうのは良くないですよね〜…やっぱりそうですy…え?」

おっとこれは雲行き怪しい感じですかね?

「えーっと…あ、そういう感じなんですね〜。わっかりました〜。今の依代の子からの提案だったんですけどそういう感じなんですね〜。また、お仕事溜まってたら呼んでもらって構わないんでその時はご連絡お待ちしてまーす。あ、はーい。ありがとうございました〜」

あ、営業電話終わった。

「神様なんて?」

「私も神様なんだけどね〜?依代作れるんだったらいいって」

神様かるいな〜。

「それであの反応だったのか」

「そうそう。私もびっくりでね〜。でも色々聞いたんだけど結構大変みたいよ?そもそも人と同じ物を作るって言っても…」

ふふふ…

「水35リットル、炭素20キログラム、アンモニア4リットル…」

「ちょ、ちょっと待って?ほんとに?あ、ホントだ!人間の作り方って記憶があるのね。びっくりだわ」

「あとは錬成陣と…人体の情報として」

「そ、そろそろ大丈夫よ?もう記憶は読んでるから」

人生で大切なことはだいたい漫画から学んできたからな!

「子供の小遣いでも買えるんだったら、全く問題ないよ」

「えっと…でもエルくん?この世界でそれって手に入るのかしら?」

た・し・か・に!!

「水は手に入るし、炭素もなんだかんだで手に入るだろ。アンモニアは…最悪尿素を分解すればいいとして、リンってどうやって手に入れればいいんだっけな。確かマッチの先は赤リンでそれが使えるのか…?」

「え、エルくん?急に自分の世界に入らないでもらってもいい?」

「あ、ごめん。まぁ、なんとかするわ」

「そう?それならいいわ」

「そうだ。依代とは別関係なんだけど、ちょっともう一つお願いがあるんだけどさ」

「なにかしら?」

「アティの技教えてほしいんだけど無理かな?」

僕が強くなるための要素の一つとして技が必要だとは思っていた。僕は今まで魔法とかそういうのって別に人に教えてもらってなかったから完全に我流を突き進んできたからそろそろもう一度誰かに何かを習うのもいいのかもしれないと思ったのだった。

「それは難しいと思うわよ。この技は女性が使うために発達した物だから男性には真似できない部分も多いのよ」

流石は武の神。詳しい。

「力ではなく技で圧倒するために私が作ったこれは、男の人に真似されたら困るから女性だからできることを

詰め込んだのよ。骨格的に異なる男女の差を逆手に取ったものなの。だからエルくんが使えるようになることはないと思ってくれたほうがいいわ」

ふーん。()()()()()…ね。

「そういえば、気になったんだけどさ、僕は半分だか何分の一だか知らんけど神様になりかけてるって言ってたけど、神様ってどうやって生まれるの?」

「あーそれね〜。例の賢者も神様になっているっていうのは前にも話したわよね」

なんかそれは聞いた記憶があるようなないような。

「私達ってのはどう生まれるって決まってないのよ。あの賢者みたいに人から尊敬されて人から崇められて神になるようなのも居れば最初から神として生まれ落ちるようなのも居るわね。火の神や風の神とかそういう自然の存在が神格化されて勝手に生まれる子も少なくないわね」

あーそういうの倫理の授業で習った気がする。アミニズムっていうんだったかな?テストに出た気がする。

「アティはどっちなの?武術とかって昔からあるから自然に生まれたの?」

「私も昔は人だったわよ?」

へー…知らんかったわー。衝撃の事実ってことにしておこう。

「ま、私もあれね例の賢者に近いわね。生まれた環境からただひたすらに強さを求めていたら勝手にそうなってたのよ。人だったときより今のほうが自由なことが多いから楽しいわよ?」

ふーん。そっかそっか…

「よし。決めた」

「何を?」

「絶対アティの依代作る」

「どうしたのよ急に?」

「だって僕らと一緒になって色々やったほうが絶対楽しいじゃん」

「そ、それはそうかもしれないけど…」

「はい決定事項なので変更はできませーん」

少なくとも僕の中で約16年間は閉じ込められてるんだからね。外の世界のほうが絶対楽しいに決まってる。

「アティが師匠にはなってくれないってわかったからもう追い出すことに決めただけです」

「なにそれひどーい!」

ま、アティはこんな扱いでいいだろ…

「じゃ、そろそろ戻るわ〜」

「ちょ、エルくん?今回すっごく自分勝手すぎないかしら?」

さぁ?いつもどおりだと思うけどね。

【ユールスニアへ!⑥〜新しい思いつき〜】最後まで読んでいただきありがとうございました。

随分とお久しぶりでーす。びっくりするくらい色々と回ってなくて…ははは

期間があくといろんな部分で脇道にそれ始めちゃいますね〜。

すでにちゃんと着地ができるか不安になってきましたが、今までなんとかしてきたので…なんとかしてやろうじゃねーか!!と、未来の自分にかけてみます。がんばれ来年の僕。


次回は本筋に戻りまーす。

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