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あとかたづけ⑤〜ごちそうだ〜!〜

ナーシャの救出作戦後エドガーに呼び出され山賊のアジトの調査依頼を受けたエルドナスたち。

依頼先で出会った一人の女の子ミナを連れエリーゼの村まで戻ってきたのであった。

あ、あとなんか屋敷もらえることになったらしいですよ?びっくり!

今回は引き伸ばしていたご飯回です!


僕が想像していたよりも村役場での話は長くなってしまい日はとっくの昔に沈んでしまっていた。

これはもうみんな林檎亭でご飯を食べ終えてしまっているかもしれないな…

僕は重たい資料を大量に持って村役場を後にした。

(20分後)

ようやく僕は目的地に到着することができたのだった。

「はぁ…はぁ…なんとかたどり着けた…なんで逆方向のハズの冒険者組合についたんだろうか?おかしい地図上では左に曲がらないとたどり着けないはずなのに…まぁ、着いたから大丈夫でしょ!」

途中何度も何度も迷ったが到着したから僕の勝ちです。

今回は一人で【迷いロスト・パーソン】に勝ったのでした。えらい!

「何一人でブツブツ呟いているのかしら?」

後ろを振り向くとエーシェたちが居たのだった。

「いや〜。結構役場での話が長くてね。やっと今ついたところなんでけど、みんなは?」

「私達の今の今まで買い物していたのよ。ちょっと興が乗っちゃって」

すすっと僕から目をそらすエーシェとカミラ。何か後ろめたいことでもあるのかな?

「あれ?ミナは?」

一緒に行ったはずのミナ姿がすぐに確認できず僕は焦った。

「こちらですわ。少し疲れてしまったみたいでしたので今は眠っていますの」

カミラの後ろから眠っているミナが出てきた。それもカミラの魔法の影のゆりかごみたいなものに乗って。

「ん…エルドナスお兄ちゃん?」

あら?お目覚めですか?おはようございます。

「おはようミナ。その服とっても素敵だね」

ミナが来ていたのは紺色のワンピースにリボンをあしらった可愛らしいデザインのものだった。

「うん。エーシェお姉ちゃんとカミラお姉ちゃんが選んでくれたの」

ああ…そういうことか。

こんなに時間がかかってミナが疲れて眠っていて、ヒスイが若干げっそりしているのを見れば僕だって簡単に推理ができるってものですよ。

僕はきせかえ人形として頑張ったであろうミナの頭を撫でてあげるのであった。

「エルドナスお兄ちゃんどうしたの?」

「いや?きっとたくさんお着替えしたんだろうな〜っとおもってね」

僕の言葉にエーシェとカミラがビクッと体を震わせる。図星か…

「うん!エーシェお姉ちゃんとカミラお姉ちゃんがすっごく楽しそうにこれはどう?って選んでくれたの!」

「そっか〜良かったね〜」

ああ、かわいい…

「それにしてもエル君もすごく時間がかかったのね。もしかして、また迷ったのかしら?」

勘が鋭い奥さんは嫌いだよ!!

「な、なんのことかな〜?」

「エルドナスお兄ちゃんどうしたの?プルプルしてるよ?」

ナデナデしていた手がぎこちなくなったのをミナに見抜かれ質問をされてしまった…

言えない…たかが数分の道のりをそれも何度も何度も来ているこのお店に辿り着くまでに20分もかかってしまったなんて…

「さ〜?きっとエル君は役場でたくさんお話してきたからつかれちゃったんじゃないかしら?」

確かに話は長かったけれども…違うのをわかっててそういう事言うのは性格が悪いって言うんですよ?

それにしても…エーシェがお姉さんぶっているのって…なんだろう…こううまくいえないけど…

小学校高学年の女の子が下の学年の子に対してお姉さんぶっているような感じがするのは気のせいだろうか?

あ、しかたないよね…あれだよ見た目がちんちk…

「ごふぅ!!」

僕の思考が読めるらしいエーシェ(魔法使い)の右ストレートを腹に思いっきりくらい膝から崩れ落ちる。

「不意打ちはきついよエーシェ」

「なんのことかしら?」

こいつ…

「エルドナスお兄ちゃんとエーシェお姉ちゃんって仲良しなんだね」

ミナ?なんでこの光景を見てそう思ったのかな?どんな教育されてたの?

「エルくん僕そろそろお腹へったんだけど〜。早く入ろうよ〜」

「私もですわ」

腹ペコドラゴンと腹ペコ吸血鬼が駄々をこね始めたので重めの一撃をいただいた腹部をさすりながらよろよろと立ち上がり林檎亭の扉に手をかける。

「いらっしゃいませー!あ!お兄ちゃんたち来てくれたんだ!いつもの奥の席へどーぞ!」

店の扉を開けるといつもどおりターシャちゃんが元気に出迎えてくれた。

顔を見ただけでいつもの席に通されるようになってくるといよいよ常連になってきた感があるね。

僕とエーシェの間にミナが座り、向かい側にヒスイとカミラが座った。

カミラが座ってからヒスイの方に近づいてきたのを確認してヒスイは少しカミラから距離を取るという面白い攻防が繰り広げられていたのでしばらく観察することにした。

「そういえば、吸血鬼ってご飯食べるの?」

ふと、カミラたちの攻防を確認しながら疑問が口をついて出た。

「急に何ですの?私に餓死しろとでも?」

なんでこんなに喧嘩腰なの?怖い怖い。

「いや、食べ物でも栄養を摂取できるのかそれともほんとに趣味のためだけに食べてるのかどっちなのかなと」

元々僕は吸血鬼が出てくる話が好きでいろんな作品を読んでいたけど、それぞれ設定が違っていた。

単純に栄養摂取を目的に食事をするというものや栄養にはならないが味覚はあるため趣味でやっているなど様々だが、カミラはどうなんだろうか。

「食事があれば私達は生きていくことができますわ。ただ、魔力を使いすぎると吸血衝動が強くなるので、おそらく魔力の補給のためですわね」

おそらくってことはカミラもよくわかっていないのか。

「私は血を飲んだことがありませんの。ですから、もし頂けるのであれば初めてはヒスイ様の…」

「却下で」

食い気味でヒスイからの否定が入る。

血を飲んだことが無い吸血鬼なんて居るんだね。おもしろいけど、それは吸血鬼と名乗る上でどうなのだろうか…そして、さっきの若干卑猥だからミナの前でやるのやめてね?

「はぁ…ほんとにカミラは…少し落ち着きなさい」

エーシェが頼れるお姉さんキャラみたいになってる!

「そうだ!ミナは何か好きな食べ物ってあるのかしら?」

話が変な方向に行かないように軌道修正してくれたねありがとうエーシェさん!

「えっと、、えっとね…お肉!」

お肉かぁ…なんとなく予想はしていたけどお肉かぁ…

今のミナの健康状態としてはあまりよろしいとは言えない。獣人の体の仕組みはよく知らないけど、若干衰弱してしまっている状態のところに肉をぶちこんでいいものなのだろうか?

うーん…ちっちゃい子が喜びそうな物って…何か…あ!そうだ!テンションバク上がりのやつあるじゃん!

「ターシャちゃん注文お願い」

「はーい!何にしますか?」

「僕とこの子の分は一旦いいから他の人のを聞いてもらっていいかな?あと、お母さんとお話したいんだけど今大丈夫そうかな?」

ターシャちゃんは頭の上にはてなを浮かべつつも頷いてくれたので僕は立ち上がり女将さんの元へ。

「あのーちょっと相談なんですけど…」

僕は僕がイメージした料理を女将さんにできる限り正確に伝えた。

「なんだか面白そうだね。いいよ作ったげる。ちょっと待ってな」

そう言うと、女将さんは料理に取り掛かってくれた。常連であることを最大限に利用したお願いだったのでなんだか申し訳ないが、面白そうと言ってもらえて僕の罪悪感も少し減った。

僕が席に戻ろうとすると、ちょうどターシャちゃんが入れ替わりでカウンターの方へ移動していった。

「エルくん何してたの?」

「ミナの食べるものをちょっと相談してたんだよ」

ミナは僕の方を向いて頭にはてなを浮かべていたが僕は笑顔でそれを受け流した。

きっととっても美味しくて食べるのが楽しくなるようなものだから楽しみに待っててね。

僕らが雑談をしているうちにそれぞれが頼んでいた食べ物が出てきた。

エーシェは麺料理、ヒスイは肉盛り合わせ、カミラは野菜盛り合わせが届いた。

ヒスイの肉盛り合わせをミナがキラキラした目で見ていたが、きっとこれから届くはずのものはもっと目を輝かせてくれると…信じたい。

「カミラは野菜のみなんだ」

「美しくいるためには野菜を取らなくてはいけませんもの」

目の前の人にぐさっと何かが刺さっているように思えたのは僕だけでしょうか?

「おまたせしましたー!特製料理でーす!」

ターシャちゃんがそう言いながらミナの前に頼んでいたものを持ってきてくれた。

お皿の上に小さなハンバーグとオムライス、エビや肉を揚げたものが乗っている…そう!お子様ランチである!

前世で幼いときに必ず頼んでいてテンションがぶち上がった子供にとっての最高の料理である!

さぁ、これでテンションが上がらないお子様が居るのか!いや、居ないわけがない!

おそるおそるミナの方を向くと…

「ご、ごちそうだぁ〜!」

ヒスイの料理のときと同じく目を輝かせてくれた!やったぜ!

「あら、エル君なかなかいいものを知っているのね」

「ミナのそれ美味しそ〜」

「見た目も素晴らしい料理ですわね」

そうだろう?そうであろう?ほらほらもっとほめたたえよ!

「さ、ミナ。ゆっくり食べてね」

「うん!」

返事はするけど一切目線を料理から離そうとしないミナ。

わかるわかる。お子様ランチってどこから食べるかすごく迷うんだよね。

最初は迷うけど、食べ始めたら止まらなくなるからゆっくり食べるのなんて無理だよね。

「おいしい!!」

もきゅもきゅとハンバーグを口に運んでは両手で頬を押さえて食べるミナを見ているとそれだけでお腹がいっぱいになってきそうだなぁ…

「なんかエルくんってあれだね。こうしてみると、お兄ちゃんって感じよりもお父さんって感じするね」

ヒスイ君?僕はまだ15歳ですよ?精神的にはもっと上だからなんとも言えないけどさ!

「そんなに美味しそうに食べてもらえると嬉しいねぇ」

声がした方を向くと女将さんが席のところまで来ていたことに気がついた。

「ありがとうございます。すっごい嬉しそうに食べてます」

「そうかいそうかい。良かったよ。ターシャも見たときに美味しそーって言っていたから今度うちの品書きに加えておこうかね」

「あ、それいいですね!ぜひぜひ!」

前世でお子様ランチを考えた人絶対に聞こえていないだろうけど、聞こえますか?お子様ランチは世界の壁を超えて異世界でも広まりそうですよ!

「ところで、あんたは何も頼んでないけどいいのかい?」

「あ、忘れてました。オムライスで」

「はいよ。ちょっとまってな」

女将さんは満足そうなミナの様子をもう一度確認すると厨房の方へ戻っていったのだった。

それから僕のオムライスが届く頃にはみんな食べ終わってしまっていたので、僕はみんなと話しながらゆっくりと食べることにした。

「ミナどうだった?」

「すごく美味しかった!お肉、おむらいす?も全部ぜんぶおいしかった!」

笑顔のミナの口元には食べ残しのハンバーグのかけらがくっついてしまっていた。これはこれで…ほんとにかわいい。

「ほら、ミナ?口元についているわよ」

「んー。ありがとうエーシェお姉ちゃん」

口元についていたものをエーシェが拭き取るとミナ不意打ちの笑顔でエーシェを撃ち抜いていた。

ほら、エーシェさん?口元がだいぶ緩んでいますよ?

王族とは思えないとっても緩んだお顔をしてますけど大丈夫ですか?

単純に可愛いミナとエーシェの普段見ることができない顔を見ることができただけでもう今日は満足なんですけど、今日はもう少しみんなと話さないといけないな。

「さて、僕意外はみんな食べ終わってるしちょっと今後のことで話をしよっか。ミナは後半で話に入ってきてね」

「わかった!」

ああ、もう返事の一つ一つまで可愛いとか何なのもう!

「んじゃ、最初の議題ね。今日僕が役場に呼ばれた話なんだけど」

「エル君何したのほんとに」

「僕ら何か壊したっけ?」

「私は何もしていないはずですわ」

やっぱりみんなもやらかした方面で考えるよね。よかったよかった僕だけじゃなかった。

「とりあえず、なんか村長さんから屋敷がもらえることになった」

「「「え?」」」

僕も同じ反応だったからわかるぅ〜。そうなるよね。

「すごーい!」

ちゃんと話聞いてくれてありがとうミナ。ああ、可愛い。

「なんかしらんけど、僕らの話って意外とこの村の人達知ってるらしんだよね。それで色々と功績があるからってこの村に今後も住むことを前提にだけど屋敷をもらえることになったんだ」

「もともとそのつもりだったから問題ないわね」

そう、エーシェとはそのつもりだったから問題ない。

「ヒスイとカミラはどうする?」

「僕も一緒に居ていいの?」

「私もヒスイ様が居るのなら一緒に居ますわ」

カミラはいつもブレないね〜。

「むしろ大歓迎だよ。なんかこれがもらえる屋敷の案なんだけど…僕とエーシェだけで住むにはめちゃくちゃ広いんだよね」

いくつかある屋敷の案を見せてみんな「あぁ…ホントだ」って言いたげな顔をしている。

そのくらい広いお屋敷をいただけることになってしまったのだった。まぁ、僕男爵ですし?いいんじゃね?

「それで、これは次にこの村を出る前までに決めちゃいたいからみんな目を通しておいてねって話が1つ目ね。そんで2つ目。ミナについてなんだけど、これは本人に直接の方がいいかな」

ミナの頭を撫でながらミナの方を向く。

「僕はミナがどうしたいかを知りたいんだ。もしかしたら思い出したくないことも聞いちゃうかもしれないけど、いいかな?」

「…だいじょぶ」

【あとかたづけ⑤〜ごちそうだ!〜】最後までお読みいただきましてありがとうございました。

そんなわけでやりたかったこと2つ目でした。あともう一個残ってるよぉ…

そして、きっとたぶんおそらく…次で3章が終わる…はず…?

予定ではそうなるんです!ちゃんと一区切りつけられるようにがんばりますねぇ…

そんなわけで続きも頑張っていきます!

【次回予告】

エル「ざーさんに聞きたいことがあるんだが?」

ざー「なんだね改まって」

エル「ターシャちゃんとミナの年齢設定ちゃんと考えてあるのかな?」

ざー「そそそ、そんなのあ、当たり前じゃないか〜」

エル「震えてんぞ?」

ざー「武者震いというやつだよ。ターシャは小学校高学年くらいの設定で、ミナは年長から低学年くらいだ」

エル「設定にだいぶ幅があるぞ」

ざー「ほら、あれだよ。ふたりとも結構幼く描かれているのはまず、栄養状態的に日本の子どもたちよりも小さいんじゃないかってことと、身長と精神年齢が比例するとして、ちっちゃい=幼いでいける!」

エル「身長と精神年齢は比例しないだろ」

ざー「僕がこの世界の神だ!ならないと思ってもなるんだよ!いいんだよかわいいは正義なんだから!」

エル「それには同意しよう」

ざー「大体男が一人で全部考えてるんだからそんなんわかるわけない。いいんだよ」

エル「だいぶぶっちゃけたけど、まぁいいか。そんなわけでほんとに3章が終わるのか不安な次回!【あとかたづけ⑥〜自由国家〜】お楽しみに!…これもともと2つくらい前につけてた副題じゃね?」

ざー「そういうことは覚えていなくていいの!」

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