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あとかたづけ①〜お・ね・が・い〜

前回無事にナーシャを山賊から取り戻すことができたエルドナスたち。

ちょっと怒りで壊れかけちゃったエルドナス君ですが、今回はその後のお話になります。

エリーゼの村にヒスイの背中に乗り戻ったところ、いつの間にか日が昇り始めていたようで明るくなり始めていた。

「えぇ…もう朝なの?そんなに時間経ってたのか」

「私はもう眠いわ。早く宿に行きましょう」

おねむな姫様はすぐに布団とお友達になりたいみたいだ。

「じゃあ、エドガーさん僕らもういいですか?」

「そうだな、この後のことは任せておけ。必要があればまたお前らに声をかけるからその時にまた頼むわ」

「わかりました〜」

「ほら行くぞ」

そう言うと縄で縛った山賊たちをぐいっと引っ張ってエドガーさんは行ってしまった。

「あ、あの…エルドナス先輩…」

未だに布を被っただけの姿のナーシャはすごーくちっちゃくなって僕らに声をかけてきた。

「ありがとうございました…あの、私のせいで…危険な目に合わせてしまって…」

「気にするなよ〜。失敗は誰でもあるんだからさ。無事ならいいんじゃないかな?」

「そうね。気にしなくていいわよ」

ナーシャは僕らの言葉を聞いてポロポロと涙を流し始める。

「あ〜!エル君がナーシャ泣かせた〜!」

おいコラ…なんで僕のせいになってるんだよ!

「ちがっ…ごめ…わだっ!私が全部…悪いのに」

「ちょ、ナーシャ落ち着いてよ。このままだと僕が悪いことになるから…お願いだから落ち着いてくれ」

ナーシャはポロポロ、僕はオロオロ…

僕がこういう状況にとっても弱いことを知っているエーシェは静かにナーシャを抱きしめるのだった。

「大丈夫よナーシャ。さっきも言ったように、私達は気にしていないわ。それよりもあなたが無事だったことが一番よ」

「えっぐ…えっぐ…それでもっ!私が…私だけでなんとかなると思ってたから!全部!全部私が悪いのに!」

こつんとエーシェがナーシャの頭を軽く叩く。

「そんなふうに自分を責めてはだめよ。さっきから言っているじゃない。私達は気にしていないし、あなたが悪いとは思っていないわ。でも、それでも自分のことを責めたいのなら、あなたを助けてくれる信頼出来る仲間を探してみたらどうかしら」

「仲間…ですか?」

「そう!一人でやるよりもきっと楽しいわよ」

「そうですね…先輩たちみたいにお互いを信頼できる仲間を見つけたいと思います」

どうやら女子たちで問題は解決したらしい。

「ナーシャはどんな人と仲間になりたいの?」

ドラゴン君は好奇心旺盛ですね〜。

「そうですね…身長は私よりも高くて、私よりも接近戦が得意で〜」

ナーシャは身長が低くいので、身長の問題は大抵の男性であればなんとかクリアできるであろう。

だが、問題はあれですね…ナーシャよりも接近戦が強い人ってそれほど多くは無いだろうなぁ…普通に僕も押されてたし…僕これでもこの村の武術大会の優勝者なんですけどねぇ…

「あとは〜、私よりも魔法が上手で〜」

えっと…ナーシャはあれですよねぇ…なんていう技か忘れちゃったけど奥義みたいのまで使えたじゃないっすか…

「あとは〜…」

「ちょっと待てぇ!!」

「な、なんすか?どうしたんすかエルドナス先輩」

「ナーシャ…自分が基準になるのはわかるけど、さすがにそれは…理想が高すぎるんじゃないかな?」

ナーシャは僕が何を言っているのかわからないという顔をしている。

「えっと…そうなんすか?」

「僕はドラゴンだからわかんなーい」

都合の悪いときだけ自分がドラゴンだということを全面的に押し出してくるヒスイ君…君は賢いなぁ。

「そ、そうね。私もそれは難しいんじゃないかなーて思うわよ」

「だってだって!エルドナス先輩は出来るじゃないですか!」

「「これは例外」」

そんな声を揃えて言わないでくださいよ…

「そんな…そしたら私はどうしたらいいんっすか…」

またポロポロと涙を流し始めるナーシャさん…いやいや、待て待て…

「ナーシャは何か勘違いしていると思うんだけど、仲間になる人はみんなが前衛で戦えるのが前提だと思ってない?」

「ちがうんっすか!?」

ナーシャの予想外の反応に僕らは揃ってため息をついた。

「ナーシャ…私は魔法での後方支援以外はできないわよ。エル君が例外なのとヒスイは…ほらドラゴンだし」

「そーそー!逆に僕と一緒になって動けるし魔法も使える君たちが異常なんだよ?」

ねぇねぇ?なんでさっきから君たち僕のことをちょいちょいディスってくるの?

「ちょっと、気になる言葉がいくつもあったけど、基本的にはあれだよ一つの役職を分担したほうがいいと思うよ。僕らは逆に誰が何をやればいいかよくわかんないんだけどね」

「そ、そういうこともあるんっすね」

これはかなりの特殊な事例だと思いますけどねぇ…

「じゃあ、寝て起きたら仲間募集の紙を冒険者組合に張ってもらうっす!」

「それは良案だね!」

ま、エドガーさんの試験からは目を背ける方向で…

「じゃ、ナーシャ気をつけて帰るんだよ」

「はいっす!皆さん本当にありがとうございました!」

たったったとかけて行くナーシャを見送って見えなくなったところで宿に向かおうと宿の方を向くと、今度は目の前にカミラが立っていた。

「随分と待たせてくれましたね」

いや、勝手に待っていただけでは?

「今回の作戦は成功でしたわよね?」

「確かにそうね」

「そうだね〜」

今回の作戦はナーシャを無事救出することが目標だった。

そのため、今回の作戦は成功といえるだろう。

「それでしたらわかってますわよね?私からのお願いを聞いていただけるんですわよね?」

あーたしかそんなことを言っていたような気がするようなしないような…

「忘れたとは言わせませんわよ?今回の作戦に協力して成功したらヒスイ様が私のお願いを聞いていただけるということでしたわよね!」

あ、圧が…そして近いんですけど??

確かに僕が言い出したことだからなぁ…

「ということで、ヒスイ君後はよろしくね」

「ちょっと待ってよ!なんか怖いから1人にしないで!」

そんなに泣きついてくるもんじゃありません!それにカミラもそんな変なお願いをするつもりは無いって言っていたじゃないか。

彼女がそういうのなら大丈夫だよきっとたぶんおそらくメイビー…

「ふぁ〜…私眠いって言ってるじゃない。カミラもそんなに勿体つけてないで早く要件を言いなさいよ」

エーシェさん眠いのに寝れないからってちょっとイライラしてませんかね?

おーこわいこわい。触らぬ神に祟りなし!僕は空気になりますね〜。

「え、こんなに待ったのにそんな扱いなんですの?」

「いいから早く言いなさい。あなたが言わないと私がこのままずっと眠れないじゃない」

夜ふかしとストレスは美容の大敵ですものね!

「なんかこう…そう急かされると少し言い出しづらいですわね…」

「僕も眠いから早くお願い…」

エーシェとヒスイからの冷たい目線にカミラは耐えきれなかったようだ。

僕は最近1日1回程度そんな感じの視線をくらっているのでもう慣れてきたぜ?

「私からのお願いは1つです。私も皆さんの仲間に入れてほしいのですわ」

「え…?」

すっごく微妙な反応をするヒスイ君…

そんな反応しちゃだめだよ〜?

「もっと過激な要求が飛んでくるんじゃないかと思っていたからちょっと意外だったよ」

「あなたは私のことをなんだと思っていらっしゃるのかしら?」

ストーカー意外の何者でも無いですよね?

ヒスイと二人でまた旅に出たいとか、ヒスイと一緒にあんなことやこんなこととか…(以下略)

「もう少しヒスイに対しての独占欲が強いと思ってたよ」

「私も元々はそのような風に考えていましたが、あなた方の行動を見ていて考え方が変わったのですわ」

はい今自白しましたよ〜?

こいつ今までヒスイのことをずっとストーキングしていたのをはっきりと言いましたよ?

ほんとにこいつ大丈夫なのか???あ、まだ話が続きそうだな。

「私が一緒に旅をしていた時にはあのようなヒスイ様の笑顔を見たことがありませんでしたの」

ふーんそういうこ…あれ?

『ね、ねえヒスイ君?』

『エルくん急にどうしたの?わざわざ念話まで使ってさ』

『カミラと旅してたときって人形になってたことある?』

『いや?ずっと普通の姿だったと思うよ?』

ドラゴン姿のときの笑顔って何だよ…。

『どうしたの急に?』

『いや、だってさ…ヒスイがドラゴンの姿ってほとんど見ていないけど、ドラゴンの姿で笑うというか…ドラゴンの顔に表情筋ってあるのかな?』

『表情筋?なにそれ?』

あ、この世界に表情筋って概念は無いんですね…

『あ、うん…もういいや』

ということで、ドラゴンの姿のときの笑顔があったのかどうかなんていう話は置いておくことにしましょう。

「だからこそ、私としてはヒスイ様の笑顔を近くで見るために皆様の仲間になりたいと思うのですが、いかがでしょうか」

ふむ…別に実害は無いようだけど…

「ヒスイはどうかな?」

「うーん…たぶんここで断ったところでどうせ今後もつきまとってくると思うんだよね〜」

ぎくっ!っと言う感じの文字が頭の上に浮かんでそうなくらい引きつった表情をするカミラさん…

この人もなんだかんだでわかりやすいよね〜。

「ヒスイがいいなら僕もいいかな。エーシェはどう?」

「私もいいわよ。どうせついてくるんだったら一緒に行動したほうがいいでしょ。今までは夜も外で寝ていたと考えるとちょっとかわいそうじゃない」

あ、今まで考えたこと無かったかだけどそういうことになるのか、たしかにそれはちょっとかわいそうだな。

「それじゃ、満場一致ということで!あらためてこれからよろしくねカミラ」

「はい!よろしくお願いいたしますわ」

そんなわけで、カミラが仲間になった。

「エル君私ほんとにそろそろ限界だから宿に早く行きましょ…Zzz…」

おーい寝てるよ〜?

しょうがないのでエーシェをおんぶして宿屋に向かう。

いろんなことを色んな人と話していたら、太陽はもうすでに山の上にまで登っていたのだった。

ふぁ〜…さすがに僕ももう眠いや。

明日は平穏な一日になるといいn…あ、ふらg…

【あとかたづけ①〜お・ね・が・い〜】最後までお読みいただきましてありがとうございました。

今回の章で3章が終わる形になる予定です。

最初はカミラが仲間になるだけの話の予定でしたが、短すぎたのとナーシャは今回のことどう思っているのだろうかと思うと書いてあげたいなと思いましてこんな感じになりました。

ちょっといろんな思考がずれてしまっているところもありますが今回の件に関してはこんな感じにめちゃんこに自分を責めるんだろうなと思いまして…で、そういうときにはエーシェさんの出番でした。お姉さまさすがっす〜と書きながら思ってました。現場からは異常です。

あ、今回はあれです。次回予告ではなくて…遊びますね。

【NGシーン】

カミラ「随分と待たせてくれましたわね」

エル「え?まだ3000字も行っていないと思ったんだけど…」

ざー「ちょっとちょっと?エル君なんでそういう事言うのかな?」

エル「事実です」

カミラ「そうですわね。思ったよりも現実的な数値で驚きましたが、実際にそのくらい待ちましたもの」

ざー「いや、思いついたのは僕なんだけどさ、作中でそういうことされるのは…困るっていうかなんというか…」

エル「えーじゃああれか〜取り直しか〜」

カミラ「それは面倒ですわね〜…」

ざー「次は真面目にお願いしますね?」

エル「はーい」

カミラ「私はいつも真面目にやっているのですけれど…」

ざー「あ、次回【あとかたづけ②〜みゃぁ?〜】よろしくね!」

エル「それやるんだ…」

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