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エリーゼの村での日常③〜どうしてこうなった?〜

家のあった場所かを確認し、また次へと歩き出した3人。

今回はその後からです。

家のあった場所から家を買う前に使っていた宿屋に久しぶりに到着した。

ラッキーなことに宿の部屋は空いていたので2部屋を借りた。

僕はいつもどおり1人でヒスイも僕の部屋に来ようとしていたんだけど、エーシェに引っ張られていった。

あれはきっと今夜はちびドラゴン状態で抱きまくらコースだな…

帰ってくるまでと帰ってきてからの時間の経過の感覚が違うのは面白いなぁ…濃密な飲み会だった…

そういえば最近ホントにアティ出てこないけど、どうしちゃったんだろう?

《呼んだ?》

あ、出てきた。久しぶりじゃん。

《なになに?寂しかったの?》

そういうんじゃないけど…なんか色々と話さないといけないこともありそうだなぁと思ってたんだよね。

《うーん。そうしたいのは山々何だけど、今はちょっと難しいと思うわ。また時間が出来た時にね》

そっか。残念だけど、また今度ね。

《うん。またねエル君。あ、そうだ!エル君力を使いすぎちゃだめよ?それだけは守ってね》

え?あ、うん。わかったわかった。

《それわかってない時の反応よね…気をつけてくれえばそれでいいわ。おやすみエル君》

おやすみアティ。

その後は疲れと酔いですぐに眠ることができた。

気がつくともう朝日が登っているようで眩しさで目を覚ました。

ふぁ〜あよく眠れた!

支度をして朝食を取るために下の階に降りるとエーシェとヒスイの2人がもう居た。

「おはよー2人とも。早いね〜」

「エル君が遅いだけよ」

「エル君なんで昨日僕を引きずって連れて行ってくれなかったの?どうなるかわかっていたくせに」

あ、うん。それは反省してるよ?

「ほら、早く朝ごはん食べちゃいなさい?私達はお茶でも飲んで待っててあげるから」

「んーふぁりふぁとー(ありがとー)

もぐもぐとご飯を食べながら生返事をする。

「それで今日はどうしようかしら」

そう!それ!僕も同じことを議題にしようとしてたんだよね〜。さすがエーシェ。

「今やることと言ったら…家を探すことが一番大事なんだけど、それ以外にも山賊のことも気になってるんだよね」

「山賊って昨日エドガーさんたちが言ってたやつだよね?」

「そうそう。どうしよっかなぁ…」

「それなら私とヒスイが家の件を探してみるわ。ヒスイはどこか行きたいところとかある?」

「んー無いからエーシェに着いていくよ」

「それじゃ、僕は一旦冒険者組合に行って情報を集めてくるね。それが終わったら合流するね」

「そうね。それじゃ、私達はこのお茶を飲んだら行くから」

「はいよー」

久しぶりに1人で行動することになったな〜。いつぶりだろ?

モグモグとご飯を食べながら1人置いていかれてしまったこの状況を考える。

んー?きっとあれだ。無人島で生活していた時以来か。

なんだか随分昔に感じるな無人島生活…

「よし。行くか!」

ご飯をかきこんで宿屋を後にする。

もう随分とこの村にも居るから何がどこにあるのかもだいたい分かるようになってきたな。

こんなに慣れた道なら僕のユニークスキルである【迷い人(ロスト・パーソン)】も発動しないだろう。

この道を右に曲がって次は左にっと…

ほら着いた!

…あれ?もしかして最近道に迷ってなかったのって常に誰かと行動をしていたからなんてこと無いよね?

うん。そんなことないない!あるわけない!

「こんにちはー!」

ぎぃぃと蝶番にいつも油が足りていなくて重たい冒険者組合の扉を開く。

「あら、エルドナス君。こんにちは。今日は依頼を受けに来てくれたのかしら?」

カウンターのところにエリーさんが1人だけだった。これもいつもどおりだね。

「んーっとそれもいいんですけど、今は家の件もあるんで今日は山賊の情報を聞きに来ただけのつもりです」

「わかったわ。でも、昨日林檎亭で伝えた情報以上のことはまだないのよ。本当に逃げるのと隠れるのが得意らしいの」

やれやれという感じで両手を広げるエリーさん。本当にお手上げという状態なのだろう。

情報を集めに行ったほうがいいんだろうけど、そんなに時間をかけて調査は出来なそうだからな…

「そうですか…わかりました。今それ以外で緊急の依頼とかって来てますか?」

「エルドナス君たちが居なかった間はナーシャが常設依頼をコツコツこなしてくれていたから数は安定しているみたいなの。だからこれといったものは無いわね」

わお、ナーシャって優秀なのね。ということは、僕は暇人ですね。

「こんちわーっす!」

あら、噂をしたらなんとやら。

「あれ?エルドナス先輩じゃないっすか!先輩も依頼を受けに来たんっすか?」

「なんか緊急のがあればとは思ってたんだけど、ナーシャがこなしてくれてるって聞いたからもう帰ろうかなって思ってたんだよね」

「あ、じゃあ今日は暇ってことっすね!」

帰ろうとしていたから暇っちゃ暇だよね。

「そだね」

「私も全然山賊のの足取りがつかめなくてある意味暇なので、1つお願いしたいことが有るんですけどいいっすか?」

ある意味暇とは…調査に行けよ。

「何手伝えばいいのかな?」

面倒事だったら断ろっかな…

「模擬戦をお願いしたいっす!」

ほぇ!?

「だって、あの武術祭でも優勝しちゃうくらい強いんっすよね?だったら戦ってみたくなるじゃないっすか!」

バトルジャンキーなのかコイツは!?

えーめんどくさいなー…いや、正直依頼を受ける可能性もあったから武器は持ってきてるけど…

「話は聞かせてもらった!やっていいぞ!」

どこから出てきたんだエドガーさんや。

「ですって!」

「あーはいはい。これ断れないやつだよね。わかったわかった」

「よっしゃーっす!」

どうしてこうなった?まぁ、暇よりはましか…?

「そう嫌な顔するなって。お前の実力も見てみたかったし、ナーシャも俺の相手ばかりだと可愛そうだろ?」

確かに可愛そうですね!それはすごく可愛そうです!

エドガーさんに連れられ久しぶりにカウンターの奥の名前は知らないけど修練場っぽいところに入った。

「じゃ、これとこれでいいか?」

エドガーさんからぽいぽいっと木製の武器がこっちに投げられる。

それを慌てて受け取るとそれは僕が武術祭りで使っていた特注の木刀と木製の短剣だった。

「なんでこの木刀がここにあるんですか?」

「いや、俺はしらんけど、なんかあったんだよ。お前のだろ?」

「そうですけど…なんでだ?」

「細けーことは気にすんなよ」

ま、そうっすね。あと、なんでエドガーさん僕が短剣使ってること知ってたの?これも細かいことってことで気にしないことにしますね。

「じゃ、準備が出来たら言ってくれー」

きっと模擬戦の途中で武器を持ち替えるから【道具箱(エスクスカー)】からいつもの武器たちは抜いておくことにする。間違って普通の武器を持ったら危ないもんね。

魔法銃はそのままでいいや。あれ?この布何だっけ…あ、あれだ王城に忍び込んだ時のやつだ…これも使わないかもしれないけど入れておいていいだろう。

弓…は最近使ってないし置いてていいか。木製の短剣は【道具箱(エスクスカー)】に入れておこう。

「準備出来ましたー」

「よーし。じゃ、2人とも大丈夫そうだな」

「あれ?ナーシャは武器持たないんですか?」

「私はこれで大丈夫っす!」

パンパンっと布製の指の第二関節より先だけが出るようなグローブをぶつけ合わせるナーシャ。

この子格闘家かなにかなのかな?

「よし、じゃあ、救急要因のエーシェも居ないから怪我しないようにな。はじめ!」

合図と同時にナーシャはざっと右足を後ろに引いて半身の状態で構えた。まぁ、そうなるよねそのグローブなら。

んー。これきっと素早い感じのやつですよねー。

そしたら【俊敏強化(アジリダ)】と【時間認識強化(エクステンション)】をかけておこう。

持ってるの木刀だけど、早い攻撃に対応できるのかな僕?

「行くっす!」

うっわ早え!

単純に正面から突っ込んできたナーシャだが、僕が思っていた以上に早かった。

体の周りにうっすら魔力が見えるからおそらく【俊敏強化(アジリダ)】を使ってるみたいだな…あ、【筋力強化(ボデラーソ)】も使ってるわ。

素早いって言ってもエドガーさんレベルじゃなくて安心したわー。あの人【俊敏強化(アジリダ)】使うと目の前から消えるからな…ほんとに人間やめてるよ。

「はぁ!」

気合の入った声と共にナー者の拳が飛んでくる。

直撃したらほんとに痛そうなので、それを木刀で受け流して一旦距離を取ろうとしてみたが、全然距離を取れない。

よく見るとナーシャは攻撃を繰り出しながらボクシングみたいにステップを踏んでいて近づきながら攻撃を繰り出し続けていた。そりゃ逃げれないわけだ。

こういうの何って言うんだっけな?あれだ。インファイターってやつか。インファイター相手に僕のこの僕とは不利かもしれませんねー。

残念ながら僕の木刀を振る速度よりもナーシャの拳を出してくるスピードのほうが早そうなので木刀で弾くのが精一杯かもな。相手に反撃の隙きを与えないほどの連続攻撃って疲れないのかな?すげー絶対無理。

このままだといつか僕のほうが対応しきれずに直撃をくらうことになっちゃいそうなので、なにか作戦を考えなくては…1本で足りないなら2本にすればいいか!

いきなり武器が変わったらびっくりして隙きができるかもしれないし試してみよう!

武器交換(インタラカンビオ)】を発動し、木刀から木製の短剣へ持ち替える。

「え!?どうやったんっすかそれ!!」

お!びっくりしてる!成功みたいだね!

「ひみつだよ〜」

扱う物の長さが短くなった分一つ一つの攻撃に対処しやすくなったので所々で反撃をしてみるのだが、これは簡単に弾かれてしまう。残念。きっと体術的なスキルは彼女のほうが上ななんだろうな。

じゃ、距離を取って攻撃するしか無いね!

風操作(ウーサ・ヴィエント)】を発動して地面から天井に向けて強風を吹かせる。

その時にちょっと調節して地面を這うように発動したのでブワッと土埃が僕とナーシャの間に立つ。

うーむ。我ながらなんと卑怯な作戦なのだろうか。勝てばいいのです勝てば。先輩の意地を見せつけてやりましょう。

武器交換(インタラカンビオ)】で木製の短剣から魔法銃に両手とも持ち替える。

「お前そんなもんいつの間に買ってたんだ?」

僕の魔法獣を見てエドガーさんが質問してくる。ねーねー今集中してるんですけど!

「王都で見つけて買っちゃいました」

「おーいナーシャ気をつけろよ〜こっからが本番だぞ〜」

「え?あ、はいっす!」

ここからが本番って…まぁ、たしかにこっちのほうが得意かもしれませんけど…

さて、最初は何で行こうかな?あの子の身体能力ならこれかなー?

【魔法弾装填】

属性:光

効果:ホーミング

段数:各8発ずつ

装填完了!

ま、避けれるでしょ。頑張れナーシャ。

両手に持った魔法獣を頭の上に掲げ、そこから腕を開きながら発射していく。

「どこに向けて打ってるんでs…ちょ、こっちくる!?」

期待通りの反応をありがとう!見てて飽きないなこの子。

飛んてくる魔法弾を移動しながら丁寧に避けたり殴ったりして全部対処しちゃうからすごい。

「あらら、全部まともに当たらなかったなぁ…じゃ、次は思いっきり行くよ〜」

「え?嫌っす!」

そんな事言われてもやめませんけどね〜。

魔法弾装填】

属性:火

弾数:各8

特性:ホーミングなしでまっすぐ

「これは避けられないと思うからなんとかしてねー」

「ええ!?私で実験しないでほしいっす!」

はい頑張って〜

両手に持った魔法銃を今度はナーシャに向けて構える。

「【銃弾(ピアッジャ・)の雨(ディモニッツィモ)】!!」

左右の手に持っている魔法銃から限界まで強めた【時間認識強化(エクステンション)】を使って自分ができる最速の連射を発射する。

計16発のほぼ同時発射された魔法弾は少しずつ角度を変えて発射をしているのでブロッコリーみたいに広がりながら相手をめがけて飛んでいく。

「うわあああああ!【魔法障壁(バリーラ)】【魔法障壁(バリーラ)】【魔法障壁(バリーラ)】【魔法障壁(バリーラ)】!」

ドォオオオン!と激しい音がして土埃が舞う。

さて、土埃でどうなったか全く見えないけど、どうなんでしょうか?

探索(ブスカー)】を使って確認してみるとなんと立っていらっしゃる!すごいすごい!よく耐えたね!

「げっほげほ…殺す気っすか?ほんとに死ぬかと思ったっす」

いや〜そんな気は微塵も無いよ?

「先輩がその気なら…私も本気出すっす!【魔闘気(エスペリットマフィコ)】!」

舞い上がっていた土埃がナーシャを中心にうずまき始まる。

今度は何を見せてくれるんだろうか?ワクワク!!

…あれ?なんで僕楽しみ始めてるんだろ?



【エリーゼの村での日常③〜どうしてこうなった?〜】最後までお読みいただきありがとうございます。

久しぶりにちょこっとだけアティが出てきてくれましたが、何やら3部ではずっと忙しいのかほとんど出てきてくれませんね〜。話とやらはいつになったらできるのでしょうか?

さて、話の流れで何故か模擬戦をやることになったエルドナスとナーシャですが、エル君戦ってる時色々考えてますねー。きっとあれも思考の一部でしか無いと思ってます。イメージとしてはあれナーシャからの攻撃を受け流しながらあんなテキトーなこと考えてますからね。頭おかしいと思います。

さて、次回はナーシャ本気出すということでどうなってしまうんでしょうねこの模擬戦!

ちなみにもうオチは決まってるんですが…ここまで呼んできてくれている方はわかるかな!?

予想してみると面白いかもですね!ということで次回もお楽しみに!

【次回予告】

エー「エル君1人で大丈夫かしら?」

ヒスイ「何が?」

エー「だってエル君すぐに迷うじゃない」

ヒスイ「確かに王都の手紙にそう書いてあったけど、ホントなの?」

エー「初めてあった時に数分おきに噴水のところに出てきてたわよエル君」

ヒスイ「わぁ…ほんとに方向音痴なんだね…」

ドォオオオン!

エー「何かしら?」

ヒスイ「まさか…ね?」

エー「そうよね…ん?何かしらあれ?えっと…次回!【エリーゼの村での日常④〜ちょ、まっ…〜】お楽しみに?」

ヒスイ「絶対近くにざーさん居るでしょ」

ざー「ぎくぅ!!」

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