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エリーゼの村での日常①〜はぁ!?〜

エリーゼの街につくなりエドガーさんに見つかり強制連行されたエルドナス。

今回はそんな話の続きです。

そんなわけでエドガーさんに連れてこられて(引きずられて)なぜかいつもどおりのお店にやってきたのだった。

あれ?さっき組合に行くって言ってなかったっけ?

そう言えばいつもターシャちゃんのお店って認識だったけど、この店林檎亭って名前らしい。始めて知ったよ。

ちなみにお店の前まで来ましたが、僕はまだ首を引きずられたままです。

そろそろ離してほしいのですが…だめですかねー?

首をそのまま掴まれているわけではないので最初よりかましなのだが、襟を引っ張られると首が苦しいのですよ…

「おーう。いけるかい?」

それにしてもテキトーな挨拶である。

「ああ、エドガーさんかい。今日も吐きに来たのかい?」

「いつも吐いてるわけじゃないだろ〜」

いやいや…僕は酒を飲んで吐いてないエドガーさんを知らないんだが?

「今日は何人だい?」

「そうだな…5、6人になるかな」

んー?ここには4人しか居ないぞ〜?ついにボケたのか〜?

あと、そろそろ引きずるのやめてもらえませんかね?まさか店の中まで引きずられて入店することになるとは…

「それじゃ、奥の方を使いな」

ズルズルと引きずられながら移動しているとターシャちゃんがこっちに向かってきた。

「おにいちゃん何してるの?」

引きずられている僕をしゃがみながら見つめてくるターシャちゃん。

「お兄ちゃんも何をしているかわからないんだよねー。ターシャちゃん久しぶりだねー。元気だった?」

そう。なんでこうなったのかは僕にもわからないんだよ。

「うん!ターシャ元気だったよ!」

「そっか良かった〜ちなみにお兄ちゃんは首がしまっててそろそろ新しい世界に飛んでいけそうだよー」

ああ、癒やされるなぁ…召されるぅ…あ、ほんとに意識が…

奥の席をくっつけて6人が座れるようになったところでやっと開放された。何だったんだよほんとに。

「げほっげほっ…なんで僕を引きずる必要があったんですか?」

「こうでもしないとお前ら来てくれなかっただろ?」

いやーそんなこと無いと思うんだけどなぁー家に帰ろうとなんて全くしてないですよ〜?

「そ、そんなことないですよー」

「だから首根っこ掴んできたんだ。それで、お前ら何飲むんだ?」

「僕はビールでー」

「私は葡萄酒で」

「僕も葡萄酒がいいなー」

この二人が酒を飲むのは大丈夫なのか!?

いや、年齢的には問題ない!

エーシェは前も飲んでたから別に問題は無いはずだ、だが…このドラゴンはどうなんだ?

「じゃ、ビール2つと葡萄酒2つ。食べ物はなんかいい感じで頼むわ」

「はーい。わかりました~!少々お待ち下さい!」

ペコリとちっちゃくお辞儀をしてオーダーをテトテトと持っていくターシャちゃんを見送りながらもなおも不安なオーダーである。

ターシャちゃんがヒスイが葡萄酒を飲むことに関してスルーしたことについてもそうなのだが、食べ物の頼み方がすごく雑なのが気になる…

待つこと数分…

「ほい。ビール2つに葡萄酒2つねー。あと食べ物はもうちょっと待っててねー」

店長さんがお酒を持ってきてそれぞれの前に置いてくれたんだけど、やっぱりヒスイが飲むことに抵抗ないんすね。

「じゃ、届いたことだし飲み始めますかー。かんぱーい」

「「「かんぱーい」」」

みんなでコップをぶつけて久しぶりの挨拶を交わす。

「それにしてもお前ら帰ってくるの遅かったな。なんかあったのか?」

一同顔を見合わせてため息をつく…

「それはもう色々とありましたよ…びっくりするくらい色々と…」

「ま、報告がてら土産話を聞かせてくれよ」

んー…割とヘヴィ〜〜な内容ですけど大丈夫ですかー?大丈夫じゃなくてもお話しますけどねー。

「じゃ、順を追って説明していきますねー。最初は普通だったんすよ〜」

そう…最初は普通だったと思うんすよー…ちょっと高い買い物したくらいですかねー。

「王都に着いてから最初にびっくりしたのはあれですね〜王都の冒険者組合の大きさですかね〜」

あれがでかいのか、それともこっちのが酷すぎるのか…

「王都の組合本部って無駄にでかいですよねー。あ、私もビールで」

やっぱりそんな感じの理由なんですねー。お疲れさまですエリーさん。

「私も王都の組合本部の大きさのつもりで探していたからここの村の組合を見つけたときは間違えたか倉庫化なにかかと思ったわ」

エーシェさんや…さすがに倉庫は言い過ぎだよ…。

「あ、そういえば今日ナーシャが依頼に行ってなかったか?」

「それなら紙を張っておいたから大丈夫ですよ?」

それは大丈夫なのか…?

「ナーシャってだれー?」

確かに!誰それ!!

「ああ、言ってなかったな。お前らに後輩が出来たんだよ」

へー後輩かー。

「ということは、その人もエドガーさんの試験をやったんですよね…」

蘇るあの日の記憶…ふっ飛ばされたなぁ…

「あれはすごかったわよね…」

「僕やってないよ〜?」

「ヒスイは大丈夫だ…俺も本気にならんといけないからな」

その言葉の重さがやべぇ…エドガーさんの本気ってだけでやべぇよ…

「おっと、すまんすまん。それで話の続きを聞かせてくれ」

あ、そーだったそうだった。

「その後は…えっとー普通に王様に会ってその後会食があって…いろんな人に挨拶されましたねー」

「めんどくさかっただろ」

すっげーニヤニヤしてる…

「めんどくさかったですねー。エドガーさんがめんどくさくてこっちに来た理由はよくわかった気がしますね」

うん。よーくわかったよ…

「その中で覚えてるやつ居るか?」

「えっと、勇者は色んな意味で忘れられないっすね」

「そうだね~色んな意味で忘れられないね〜」

「そうね…」

「なんだなんだその苦虫を潰したみたいな顔なんかあったのか?」

ええ、それはもう…

「そうですね…そのあと宿に戻ったらエーシェが居なくなってて…」

ぎょっとしながらエドガー親子の視線がエーシェに注がれる。

「あ、さらわれたとかじゃないので大丈夫ですよ?今ここに居ますし」

「ここからエーシェの捜索編に入ります」

「あ、物語調なのね」

だってそっちのほうが面白そうかなと思って…

「正門の近くに居た優しいお兄さんに情報もらったり、酒場で情報屋から情報を買ったりその流れで酒場に居た客に酒を奢ることになったりしましたね」

「あら、その話は聞いてなかったわね。そんなことしてたのエル君」

あ、そうなんすよ。実は頑張ってました僕。え?あ、そっちじゃない?酒場の方ですか。すいません…

「意外とちゃんとやってんじゃねーか。お前そういう地道なこと嫌いだと思ってたけどそういうこともするんだな」

「まぁ、必要とあらばやりますよ」

必要だと判断したときだけですけどね…楽して生きていたい…

「それで、情報をもとに王城に忍び込みました」

「はっはっは!何やってんだお前ら」

「笑い事じゃないですよ?犯罪ですからね?大丈夫だったんですか?」

ど正論ですねー…

「あ、大丈夫だからここに居ます」

「それでどうなったんだ?」

「えっとーエーシェを見つけてーその後勇者と戦ったんだよねー」

色々と説明をすっ飛ばした気がするけど、まぁいいか。

「だいぶ苦戦したりほんとにいろいろあったけど、まぁなんとかなりました」

「雑だなーお前。まぁ、いいけどな。勝ったのか?」

うーん…あれはどうなんだろ?

「ヒスイあれは勝ったと言っていいのかな?」

「んー?どうだろ?生きてるから勝ったってことでいいんじゃない?」

ま、それもそうだね。胸に穴が空いたりしましたけどね…生きてるからいっか。

「勇者と戦って帰ってくるっていつの間にお前鍛えてたんだ?」

「鍛えたと言うか、暇だった時間に考えた魔法がたまたま上手くいっただけですよ」

「また新しい魔法を考えたのね?どんな魔法なのか今度教えてね」

出た魔法オタク…

「わ、わかりました。その後はまた王様に呼ばれて…いろいろあって僕爵位をもらいました」

「「はぁ?」」

親子で息が合ってますねー。

「どういうことだ?」

「そのまんまですけど?」

「はぁ…王都に行って戻ってきたら貴族になってくるって…初めて聞いたぞそんな話」

僕はよく見たことありますけどね?異世界に転生するとよくあることらしいっすよ?

「他にはなんか無いのか?面白い話」

面白い話って‥別に何も無いと思うけど…

「あ、そうだ。報告で忘れてたんですけど、僕とエーシェ結婚しました」

「え!?エーシェさんちょっとこっちに!!」

エーシェがエリーさんに連れ去られました。あれ、この感じも久しぶりだなー。

「お前ほんとに話題に事欠かないな」

「そんなこと無いと思うんですけど…」

「そんなことあるよー。一緒にいて飽きないもん」

あ、そうだった。コイツの人生?ドラゴン生の暇つぶしに付き合ってるんだった…人生をかけて。

「それで?それ以外は無いのか?」

そんなに面白い話題ばっかり無いわ!!

「そんなに面白い話ばっかりあったら僕の人生おかしなことになりますから…逆に村の方は何か変わったことは無いんですか?」

んーっと腕組みをしながら悩み始めるエドガーさん。

「そうだなー。変わったことと言ったら…最近この辺で悪さをしている山賊が居るくらいかなー。村も何回か襲撃にあってるんだよ。さっき言ってたお前らの後輩が行ってる依頼もそれ関連だ」

へー山賊ねー。

「山賊ねぇ…山賊なのに村まで来てるんですか?」

ってかこの辺の山は特になんも無いだろ。討伐対象の奴らが居るくらいだもんなー。

「さんぞくって何?」

おとぼけドラゴン現る…

「山に居る悪い人たちのことだよ」

「へー山に居て何にしてるんだろうね」

ほんとそれなー…きっと暇なんだよ。

「それで、村に被害が出てるって大丈夫なんですか?」

僕の言葉にエドガーさんは急に目線を外してビールを飲み始める。

んー?なんか良くないことあったんですかー?そしてそれきっと僕ら関連ですよねー?

「エドガーさん。何か隠してません?」

僕の言葉にビクッとマッチョの筋肉が反応する。

筋肉は嘘をつけないんですね。

「実はな…お前らを無理やりここに連れてきたのは理由があってな…」

おやおや、珍しくテンション低いじゃないっすかーどうしたんですかー?

ほらほら、早く言っちゃったほうが楽になれますよ〜。

「お前ら家…燃えちまったんだよ」

ん?なんて?

イエモエタ?

んんんん!?

「はぁ!?なんで!!」

エリーさんと話をしていたはずのエーシェも戻ってくる。

「燃えちゃったってなんでですか?」

「さっきこっちで話していた山賊関連でだな…あいつら村の中で魔法を使いやがってなその被害にあったのがたまたまお前らの家だったんだよ」

ええ…

「それいつの話ですか?」

「昨日の夜だ」

おっとタイムリー!!

「ある意味早く帰って来ていたら危なかったかもね」

「たしかにそうね。ある意味ではついていたのかもしれないわね」

「なんだなんだお前ら家が燃えたって話なのに随分と淡白な反応だな」

まぁ、そりゃショックでしたけど…

「なんか、実感わかなくて…」

「それもそうね。燃えたって言われても実際に見てみないと実感わかないわね」

「僕あのお家ほとんど住んでなかったのにー!」

うん。それは僕らも割と長い期間住んでたわけじゃないからね?

祭りの賞金で買ったから…やっぱりほとんど住んでないじゃん!!

「僕らあの家にどのくらいの期間に住んでたっけ?」

「そうね…一ヶ月も無いんじゃないかしら…そのうちの半月くらいは王都に居た気もするわ」

やっぱりそうだよね!!うわー買い損??

「なんか急に実感湧いてきた…はぁ…ま、そういうこともあるのか…いや、普通無いだろ…」

はぁ…なんか急に落ち込んできたかも…

なんだか幻聴まで聞こえてきたかも…

すっごく規則正しく響くドッドッドッって音が近づいてきている気がする。

あ、これ気のせいじゃない?

「お?来たかな?」

「ん?何がー?なんか聞こえるね」

地鳴りみたいな音は段々と近づいてきて…店の前で音が止まった。

バーンと勢いよく扉が開く。壊れちゃうよ!?

「なーんで私が依頼に行ってるのに組合閉めちゃってるんっすかー!!」

なんか賑やかなやつ来たな…

【エリーゼの村での日常①〜はぁ!?〜】最後までお読みいただきありがとうございます。

そんなわけで、せっかく買ったお家は燃えちゃいましたね。

3章を掻き始めるに当たって考えたネタ帳の段階でもすでに家を燃やすってあったので相当燃やしてみたかったんだと思います。なかなかおかしな脳内になってるなとは思ってます。ええ。自覚はしています。

あと、ちょろっと名前も出ていたと思いますが、新キャラの後輩ちゃんが初登場となります!初登場の初セリフがブチギレ状態ってのは…成り行きですがそういうときもありますよ…きっと。

ということで次回は後輩ちゃんともっと絡みます!

【次回予告】

エル「前回聞きたかった役場のことよりなぜ家を燃やした!!」

ざー「だって貴族様が済むにはちょっとあれかなーと思って…」

エル「お前最初の構想段階のノートに家の外観とかそのへんもイラストまで書いてたのに!!」

ざー「あーそんなこともしてたねー」

エル「せっかく買ったのに…」

ざー「ま、3章が終わるくらいにはなんとかなるはずだからその時まで待ってなよ」

エル「その割にすっげー悪い顔してるけど大丈夫?ほんとに大丈夫??」

ざー「きっとおそらくメイビー」

エル「全然信用できない…」

ざー「次回!【エリーゼの村の日常②〜ほんとになくなってやがる〜】お楽しみに!」

エル「副題だけで内容がわかるな…」

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