王都編㉓〜続・王家での会議〜
王家の方々とのお話も終わり、今度はお食事会だそうです。
さて今回はどうなっちゃうんでしょうか?
そんなわけで、僕は今…王家の方々と一緒にお食事をすることになり机を囲んでいます。
自分の前世の記憶を自分の考えた物語のように語れと言われても…。
上手くできるんでしょうかね…?
ちなみに席順は変更されて、王様と王妃様が奥側の席でお姉様方が僕の反対側でエーシェは僕の隣になりました。
「じゃあ、さっき話していたエルの話を聞かせてもらおうか」
はい…始まっちゃいましたね…。
「そうですね…どこから話したものですかね…まずは魔法が無いってところからでしょうか?」
「そうだな。魔法が無いと言うのはどういうことなんだろうか?」
「まず、魔力という概念が無いんです。魔力を感じることすら無いんです。だから魔法も存在しないということですね」
わーこれはこれはとってもびっくりしてますねー。
「なので、この世界では科学というものが発達しました。物事の根本は何なのかというものを考えて実験して…全てを事実にすることを考えています。わからないことと言えば…そうですね海の一番深い場所がどうなっているのかと空の先のずーっと先がどうなっているかくらいですかね」
「それほどまでにわからないことが無いのか」
「そうですね…その世界では全てが学問として明らかになっています。歴史としてこれまでの統治の良かった点や悪かった点などなど…」
「そうか…そうしたら私のこの政治も学問の1つとしての研究対象となるんだろうな」
「記録が残っている範囲であれば全てが研究対象になりますね」
「なんだかいいのか悪いのかよくわからないわねぇ〜」
「まぁ、僕の想像上の世界の話ですから」
ほらー。こういう空気になるじゃないですかー。
「お前たちも聞いてみたいことは無いのか?」
話題に困って娘たちに話題を振り始めちゃったよ。
早かったなぁ…。
「じゃ、私からいい?」
こういう時のイナンダさんの性格いいね!
「その世界だと国ってのはどうなってるんだ?」
「えっと…王政を採択している国は少ないですね。権力が一極集中することを変に嫌う考え方があってできる限り力が集まらないようになってます」
「そうしたら私達みたいのはいないってことだよな」
「いなくはないですよ。僕のところは1000年以上続いている王家が居るんですけど、まぁ、なんというか偉い人って認識よりうちの国の象徴ってことになってます」
「へーそういうのもあるんだな」
「災害が起きたときにはその土地を訪れて励ましてくれたりしていましたよ。会ったことは無いですけど、来てくれたって話を聞いたときは何か嬉しかったりするっていう感じでしたね」
「ふーん。不思議だな」
「次に私もいいですか?」
今度はウルフェナさんからの質問だった。
どうぞ!何でも答えますよ!
「楽しい事ってありましたか?」
あー癒やされるなぁ〜…あ、違った違った。
「いろんな娯楽がありましたよ。そういえば僕は生まれてこのかた本を呼んだり修行をしたりしかしていなかったのでこの国での娯楽って何があるんですか?」
ごめんなさいね…質問に質問で返しちゃって。
「私も本を読んだりですね。城下で人気になっている物語はほとんど読んでいます。他には…そうだ!最近の城下では想い人に贈り物を贈るという話を聞いたことがありますね。それも物語からなんです」
あーあれそうだったんだ。
恋のお話はやっぱりどの世界でも流行るんだろうな。
「そうだったんですねー。娯楽といえば人それぞれでしたけど、絵と物語が合わさった物もありました。僕もそういうのが好きなんですよね」
「それはどういうものなんですか?」
「物語を文章ではなく絵で表現するんです。恋愛だったり友情だったり努力だったりといろんな内容でありましたよ」
「それは面白そうですね!私も読んでみたいです」
「ウルフェナさん?あくまで仮の話ですよ?」
「そ、そうでしたね」
「エーシェはなにかある?」
「そうねー。どんなお酒があったのかしら?」
酒かよ…。
まぁいいんだけどね。
「お酒はねー…ぶどう酒もあったけど他にもいろんな果実を使ったお酒があったよ。あとはお米を使ったお酒とかもあったねー」
「そういえばお米ってあまり食べたことはないわね。美味しいの?」
「おいしいよ?だいたいどんな料理でも合うわけだし」
「ほぉ?そうなのか」
ここで急に入ってくる王様。
「お米は料理方法が厄介なだけでそれ以外は困るところが少ないと思います」
「我が国は基本的に麦だから米は輸入に頼る形になっているのだが、作ることはできそうか?」
「半年前までは山に住んでいたので半年間しかこちらの気候を知らないのですが、あまり雨は多い方ではないですよね」
「そうだな…どちらかと言えば水が不足することのほうが多いな」
「となると難しいと思います。米を作る際にはかなりの量の水が必要ですから」
「そうか…それであれば難しいな」
「気候は変えられないから仕方がないですよ。そういえばエーシェは飲んでみたいお酒ってあるの?」
「そうねー…お米で作ったお酒はちょっと気になるわね」
この言葉に王家の方々が驚いた顔をしている。
「エーシェはなんでこんなに驚かれているかわかる?」
「私がみんなの前でお酒を飲んだことが無いからじゃないかしら?」
ふーん…え?うそ?
そんなわけ…
「エル…この子と一緒に酒を飲んだことがあるのか?」
「ええ、何度も…え?ほんとに無いんですか?」
「そうなのよ。飲んでもいい年齢になった時のお祝いだからって言って飲んでもらおうと思ったのにこの子全然飲まないからてっきり嫌いなんだと思っていたのよ」
マジすか!?
ばっとお姉様方の方を見る。
「ホントだよ。エーシェルドが飲んでいるところ見たこと無い。そうだよなウルフェナ?」
「ええ、そうね。私が好きでよく誘っているのだけど飲んでいなかったわね」
ちょっと理解ができないのでエーシェの方に視線を向ける。
「だからそう言ったでしょ?」
「じゃ、面白いから飲んでみようか」
「え…?」
使用人の方に視線を向けてエーシェのグラスにワインをついでもらってついでに僕ももらうことにする。
少しだけ黄色がかったきれいな色の白ワインが注がれる。
「ほら、エーシェ一緒に飲もうよ」
「えー…」
「というか目の前にお酒があって飲まないエーシェじゃないでしょ?」
「わかったわよ…ここにあるお酒は美味しいものが多いから」
こいつなんで実家にある酒の味を知ってるんだ…?
あ、勝手に部屋で飲んでたのか!
「じゃ、かんぱーい」
カーンと小さくグラスを合わせてから葡萄酒を口に含む。
フルーティーな香りが鼻を突き抜けて行くように広がりその後にツンとくるアルコールの香りが来る。
ああ、これ美味しいなぁ。
「ほんとに飲んでる…」
「嬉しいわ〜飲めないわけじゃなかったわね」
酒を飲んだだけでこんなに喜ばれるなんて…
「だいたい後数十分もすればいい感じに出来上がりますよ?」
「そうなの?たのしみだわ〜」
「そんなに飲まないわよ私は。程々にするわ程々に」
とは言ってるけど…どうなんですかねー?
みなお酒が入り始め少しずつ会話は盛り上がっていった。
そして…時間が過ぎていき…。
「なんでそうやってエル君は私に飲ませようとするのよ〜!」
こんな風に出来上がっちゃいました!
まったく予想を裏切らないこの感じ…さすがエーシェさんですねー。
「エーシェそろそろ酔っ払ってない?」
「そんなことないわ!まだまだ大丈夫よ!」
そういう事言い始めるってことは酔ってますね!
「楽しそうなエーシェルドを見れて良かったわ。いつも一人だったから心配だったのよ」
「エーシェは一人で何してたの?」
「それは…本を読んで勉強をしていたのよ」
へー?ちょっと間がありましたけどホントですかねぇ?
「まぁ、嘘はいってないかな?一人で勉強するために図書館に入って誰も居場所がわからなくてみんなが慌てたことあったわね」
「そのお話詳しくお願いします」
「一人で勉強したいからって言ってお城にある図書館によく籠もってたんだけど、夕飯の時間になっても戻ってこなかったから騒ぎになっちゃうのよ」
それはそれは…面白いですねぇ〜。
「勉強していたのはあれかな?城下の人たちの使っている言葉かな?」
「エル君悪い顔してるわよー…何よ悪い?」
「いや、悪いわけじゃないけど、昔から勉強熱心だったんだね」
「そうだな。昔からエーシェはのめり込むように勉強をしていたな」
「それで異性には興味が無いんじゃないかって思われるくらいにはしていたわね〜」
ガリ勉のまじめちゃんって感じか…。
うっわ似合わねぇ〜。
「他には無いんですか?」
「そうねー。部屋が爆発しちゃったりとかかしら?」
部屋が爆発って…何してんだよ…
「お母様…その話はダメです!」
「あれはね〜たしかこの子が魔法を習い始めたばかりの頃だったと思ったわ〜」
暴れそうになっているエーシェを取り押さえてお酒を飲ませる。
ほらほらー飲んで飲んでー?
僕はお話を聞いてるので静かにねー!
「魔力の性質がわかって初めて火の魔法を使えるようになったことが嬉しかったのでしょうね部屋でも魔法を試してみたくなったらしいのよ。そしたら調節を間違えちゃってお部屋の中で爆発しちゃってお部屋が大変なことになっちゃったのよね」
何かを言おうとしているエーシェの小さなお口にお酒を流し込む。
そうやってもう少し静かにしていてくださいねー。
「ぷはっ!エル君〜そんなにいらないわよ〜」
「いや、別にいいんじゃない?こういう時しか飲めないお酒もあるんだからさ!」
「そう言って私に飲ませたいだけでしょ?」
「まぁ、そうとも言うんだけどね」
うん。まったくもってそのとおりなんだけど…1つだけ気になることがあるんですよねー。
「あの…ウルフェナさん全く酔っている様子が無いんですけど…」
どう見ても今のエーシェの倍‥いや3倍は飲んでるよな。
「うふふ。私はお酒には強い体質みたいで全く酔わないんですよね。ちょっとふわふわする感じはあるんですけど」
一般的にそれを酔っていると言うと思います。
でも、このキャラで酒豪とか…どストライクなんですけど〜。
いいなーこのお姉さんいいなぁ〜。
「エル君?」
「はい?なんでしょうか?」
「別に?なんだか変な顔しているから」
へーそんな顔してたんだ僕。
じゃあ、あれだ仮面をかぶるしか無いな!
「某はそんな顔してないと思うんだよなー。でも隠しておくね」
【光の仮面】を発動してマスクを作る。
どこからともなく現れた仮面をかぶる。
「エル…いまのはどこから?」
こういう時に一番最初に反応するのは王様だよな〜。
「ちょっと魔法で作ったものです。すみません失礼でしたよねすぐに取ります」
「ああ、いや、そういうことではない。初めて見るものだったから驚いただけだ。そういえば君たちは警戒されていたはずの夜中のこの城にどうやって入ったのだ?」
「あー…またここだけのお話にしてもらってもいいですか?」
「わかった。いいだろう」
「そうしたら僕がかぶれるくらいの布を頂いてもいいですか?」
使用人の人がすぐにキレイめな布を持ってきてくれる。
いやいや、ちょっとこれいい布すぎません?
まぁ、いいか使っていいってことなんでしょね。
「【属性付与】」
布に光魔法を付与して周りの景色に溶け込み始める。
「これをこういう風にかぶるとですね…」
バサッと魔法を付与した布をかぶる。
「あら、本当に見えなくなってしまいました」
「それをされてしまったところで、どうやって入ってきたのだ?」
布に付与していた魔法を解いて使用人さんに布を返す。
「えっとー壁使ってもいいですか?」
「いいぞ?だが、どうするんだ?」
「こうやるんですよ」
流石に土足で人様のお家の…というか王城の室内の壁を登るのは気が引けたので靴は脱ぐことにした。
「まずは、魔力を手と足に魔力を集中させます。その後に壁をこういう風に登ります」
実際に王城と協会に忍び込んだときと同じように壁を登っていく。
「あらあら…本当に登っていますわね…」
そうだよねー普通に普通じゃないことしてますよねー。自覚はしてます。
手足の魔力元に戻して床に着地する。
「このように攻略されるとどう対策したらいいものなのか…」
そうですよねー!そうだと思いまーす。
「実際にこの城に入り込んだエルはどうすればいいと思う?」
王様それは無茶ぶりって言うんですよ?
「えー…そうですね…もし、可能ならという前提の元なんですけど、さっき僕がやった姿を消す魔法には光属性の魔力を付与しているんです。なので、城の壁の一部に土属性の魔法を付与して魔力を感じた時に反応することができればいいんじゃないでしょうか?」
「そんなことはできるのか?」
「こ、今度試してみますね。できたらお教えします」
「そうか…頼んだぞ」
うわー仕事が増えちゃったよ…。
「うんうん。よろしくねエルド君。それともう一つお願いをしてもいいかしら?」
はい王妃様何でしょうか?
「エーシェルド寝ちゃったみたいなの。お願いしても?」
酔っ払うのと寝るのはセットなのね!わかりましたよ!
「わ、わかりました…」
【王都編㉓〜続・王家での会議〜】最後までお読みいただきましてありがとうございました!
ちょっと間延びしてしまった感があったのですが、いろんなことの伏線を回収しているとどうしても長くなっちゃったという感じですね。
長かったこの王都編もついに次回が最終回予定です。
なんだか寂しい気がしますね。でも、やりたかったことを最後までエル君たちにやってもらおうと思います。さあ、2章最後の次回予告です!
【次回予告】
作者「次回が2章最後だってよ」
ヒスイ「へー。長かったねー」
作者「幕間含めて30話以上だからねー」
ヒスイ「それで?そろそろ次の支度は進んでいるの?」
作者「それは…まぁ…ぼちぼち?」
ヒスイ「それは進んでないやつだ。そろそろ考えないとダメだよ?」
作者「ま、それはおいおいね。今回も頼むよヒスイ君」
ヒスイ「えーわかったよー。次回【王都編㉔〜二人の歩く道〜】お楽しみに!…ところであと5000字で二人が戻ってくるの?」
作者「伸びるかも…」
ヒスイ「嘘つきだ!!」




