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王都編⑮〜王城へ〜

協会で心優しいおじいさんに丁寧にお話を聞くことに成功したエルドナスとヒスイの二人*。

二人は聞いた話を元に王城への潜入をすることに!

王都編も後半戦!王城ではどんなことが二人を待っているのか!

※感想には個人差がございます。

協会でおじいさんから十分にお話を聞くことができ僕らはついに最終目的地になる王城へ歩みを進めていた。

『エル君。さっきの話って』

一番当たってほしくなかった予想が当たってしまったってだけかな。

『エル君はあの時点でここまで予想してたの?』

まぁ、最悪の想定をしておくことが自分を助けるって昔習ったことがあってね。

『でも、当たってたとして…どうするの?』

そうだね…まぁ戦わない方向でやっていきたいかなぁ…勝てなそうだし。

『できるだけ穏便にってやつだね』

できるだけ…ね。

二人で念話で話しながら歩いているうちに王城にはあっという間に到着してしまった。

『どうやって入るの?』

うーん。やっぱりよじ登るしか無いかなぁ…。

王城は夜の時間でも一番外側の塀の内側には入ることができる。

観光の一環とは言っているがこれは防犯上大丈夫なんでしょうかね?

まぁ、そのおかげで僕らは楽をできるからいいんですけど。

王城の正面入口の前には武器を携帯した衛兵が二人立っている。

『あれくらいなら行けそうじゃない?』

へいへいヒスイ君。たしかになんとかなりそうな感はあるけれど…正面からこんにちわするわけには行かないでしょうが。

『それもそうか!』

たまに思うところがあるんだけど、この子ごくごく稀にアホの子になるの何なの?

『エル君ひどい。僕だって真面目に考えてるときもあるのに』

今回はどうなの?

『うーん。真面目ではなかったかも』

ということは…いつものあの感じは演技だということがわかりましたね。

皆さん騙されてはいけませんよ!こいつ狙ってやってますよ!

『そういうのやめてよね。風業被害だ!』

なんでもいいけど、そろそろ侵入経路を考えようか。

一番楽そうなのは…あれじゃね?

王城の正面入口の上の方にあるきっと王様が国民に向けて挨拶をすると思われるところがある。

あれの名前なんていうか知らないんだけどあそこなら確実に王城に侵入することができるんじゃないかな?

『じゃ、また登っていこうか』

頑張るぞ〜おー!

よじよじ…

よじよじ…

これさ…地味だよね。

『こういう地味なことの積み重ねの先に成功はあるんだよ』

何でかっこいい風にセリフをのたまってくれてるんですかね?

『だってこういうこといっていい空気感だと思って…』

そういうところだけ空気を読むんじゃないよ!

『エル君よくよく考えるとさ、僕らって緊張感無いよね』

それもそうだなー。

これから死ぬかもしれないってのにな。

『え?死にたくはないんだけど!』

いや、僕も死にたくは無いよ?

でも、可能性はあるよね…と思ってさ。

で、なんだっけ緊張感が無いって話だよね。

まぁ、楽しくやっていくのが一番なんじゃないかな?

楽しくやれるのが僕らだよ。

何事も楽しくやって笑い合って酒のんでってやるのが僕らだよ。

『まぁ、最近二人は飲み過ぎだと思うけどね』

エーシェはそうだと思うけど僕もなのかな?…いや、たしかに結構飲んでたわごめんねヒスイ。

『反省してくれて嬉しいよ。で、エル君遅いんだけど』

だから、壁を二足歩行で登るのはおかしいんだからね?

両手両足で登ってる僕が普通なんだからね!

『先に上に行ってるよ〜』

こいつ…。

なんとか壁を登りきって例の謁見の場のような場所に到着する。

『やっと来た!ここからどうするのエル君?』

あー…そうだ。どこに居るかわかんないや。

『この前入った部屋って3つだけだったもんね』

さすがに客間に居るってことは無いだろうし…。

家に帰っているならエーシェの部屋とかあるんじゃないか?

『エル君。僕ら人からは見えないけどさ…扉開けたらやっぱりバレちゃうかな?』

確実にバレちゃうだろうねー。

と、言うことで〜!

扉のないところどんどん入っていこう!

『まぁ、探さないよりはいいか』

二人で王城の中を探検することになった。

二階はこの前移動した限りだと扉の無い部屋などなかった印象なので、そのままスルー。

一階に降りてウロウロし始める。

正面の入り口から入って正面にある階段ではなく階段の裏や廊下を進んでみる。

探索を初めて数十分…。

『エル君。もしかしなくてもこれさ…扉のない部屋って無いんじゃないかな?』

言うなヒスイ!悲しくなってくるだろう…。

王城にはすべての部屋に扉が付いており、結局僕らは扉の中に入らなければ何もできないことがわかっただけでも収穫があったとしようじゃないか…。

『エル君がそれでいいならいいけど』

うるさいやい!!

『エル君!向こうから人の声がするよ!』

よし、行くぞヒスイ!

『あいさー!』

これ見えてないけどきっとこいつ敬礼みたいにビシってやってるんだろうなぁ…。

『え?エル君探索(ブスカー)使ってないの?』

あんなの常時使ってたら頭焼き切れるわ。

必要なときだけ使うんだよ必要なときだけね。

二人で声のする方の部屋に進んでいくと女性の声が聞こえてきた。

「それにしても随分急に戻ってくることになったわよねあの鉄砲娘」

「こら!誰が聞いているかわからないのよ?言葉を慎みなさい」

ここは一階それもかなり奥まったところにある部屋だ。

おそらくこの屋敷に住み込みで働いている女性たちに与えられた部屋で行われている女子会だろう。

いやーすみませんね聞いちゃってます。

壁に耳あり障子に目ありですよ。

「半年前に突然出ていって連れ戻されてきたのを見たときにはびっくりしたわよ」

「そうね。半年前とは違って随分と元気なお姿になっていて良かったわ」

「半年前の勇者様との婚姻の発表前は本当に今じゃ見る影も無いくらい元気なかったもの」

「私達が同じように生涯をともに過ごす人を勝手に決められてしまうと考えると貴族じゃなくて良かったとは思うわよね」

この人達さっき口を慎めとか言ってた割に結構ぶっちゃけた話ししてるなぁ〜。

面白いからいいんだけどさ。

『鉄砲娘ってエーシェかな?』

ほぼ確実にどうでしょうね〜。

「それでエーシェルド様は今どうしているのかしら?」

「連れ戻されるなりお部屋に引き籠もっているらしいわよ」

エーシェらしいと言えばエーシェらしい。

もともと引きこもるって言ってたしな。

「そういえば見た?エーシェルド様の耳飾り!」

「出ていく前にはしていなかった物よね!珍しい髪色と目の色だから確実に…」

「「意中の殿方が見つかったってことよね!」」

たのしそうだなぁおい。

どうもそれを知らず知らずのうちに贈ってしまった無粋な男です。

「エーシェルド様もそういう物を身につけるんだって思っちゃったわよ」

「これまではなんというか人に興味がないんじゃないかって話になるくらいだったものね」

「そうそう!魔法の勉強がしたいからって王宮魔道士団に無理を言って魔法を習ったり」

「新しい魔法を覚えるんだって言って朝から晩まで王宮の図書館に籠もって帰ってこなくて大騒ぎとかも合ったわよね。なつかしいわね〜」

エーシェさん何やってるんすか?

これ、思っていた異常に面白いからこの二人の話が終わるまで聞いていくよヒスイ。

『うわぁ…絶対後でその話しちゃってエーシェに怒られるよエル君』

その時はその日の僕に耐えてもらいます。

今を楽しまないとね!

『いいように言ってるけどやってることサイテーだからね』

まぁまぁ…いつもならやられているだけだからたまには一矢報いたいもん。

『どうせその後倍になって返ってくるんだよ?』

いいからいいから。

「第一王女のラティス様も第二王女のシュミルネ様もおとなしいから返って第三王女のエーシェルド様の行動が目立って見えているだけかもしれませんけどね」

「それでもやってることはお城を巻き込むことしかやってませんから夜にこうやって話す話題に事欠くことがなかったのですけど…婚姻が決定してからのあの方を見るのは私達も辛かったわね」

「そうね。最初の頃は今と同じように部屋に引き籠もってしまって誰とも会おうとしませんでしたわね」

「そのうち部屋から出るようになったかと思えばお付きもつけずに城下へ遊びに行ってしまったりといろいろとやらかしてくれてましたわね」

「今思えばあれが彼女なりの小さな反抗の積み重ねだったのかもしれませんわね」

「王様もあんなふうに外出禁止とか言わなければ出ていかなかったかもしれないのに」

「まぁ、親になるとわかるのかもしれませんね」

おやおや、随分とまぁやらかしてますねー。

「寂しいお話はこれくらいにして、エーシェルド様の意中の方のお話をしましょうよ」

「そうね。どんな殿方なのでしょうか?きっと王都の外に出ていた期間で出会った方なのでしょうが」

「勇者様だってとても顔が整っていて素敵な方ですけど、エーシェルド様は一方的にというくらい嫌ってましたものね」

「ここだけの話ですけど…実はエーシェルド様はあの婚姻が決定された日に勇者様に…」

ん?細かい部分のお話が聞き取れませんね?

そういう大事なところが聞き取れないんですけど!

「えー!エーシェルド様その場で勇者様にそんなことをされたの!」

「こら、声が大きいわよ。無理やりだったって聞いたわよ。それでそれ以来一度もお会いしていないそうなの」

「そんな風にされたら私だってその人には会いたくなくなりますわ」

「私もよ。女性にとって大事にしていたいものですから」

んー…これすっげー聞いちゃいけないこと聞いた気がするけど…。

内容はよくわからないけどきっとたぶんそういうことだよね…。

そりゃ勇者のこと嫌いにもなるわな。

今度頭なでなでしてあげよう。怒られるかもしれないけど。

そんでもって…勇者さんを許すわけにもいかなくなったみたいですね。

あれはきっと女の敵ですね。殲滅対象です。

「それ以来男の人はずっと避けられていたのにあんなふうに耳飾りをつけているところを見るといい人を見つけられたんだと安心したのですけどね」

「勇者様と許嫁ですものねー。かなわない恋ほど悲しいものはないですよねー」

「王城に戻ってきてもずっとあれつけてますものかなり気に入ってると私は思うわね」

「それだけ相手への思いも強いのかしら?」

『エル君この話聞いてて恥ずかしくないの?』

ん?なんだよヒスイ。

そんなの…恥ずかしくて顔から火が出そうってこういうことなんだろうなって今思ってますけど何か?

『ここ最近で知れた大きなことはエル君も照れることができたということだよね』

うるせーだまってろい!!

「どれだけ強い思いがあっても引き裂かれてしまう二人…ああ、なんて悲しいのでしょうか!」

「あなたそれ全く思ってないでしょ。すごくいい笑顔をしているわよ」

「だってだって〜。そういうお話って憧れませんか?もしその想い人が私のことを助けに来てくれたらなんて考えたらそれだけで…興奮しますよ」

この人きっとオタクの素質あるわ。

「そういう部分は控えなさいといつも言ってるのに。でも、憧れはあるわね」

「でしょでしょ!陰ながら私達もエーシェルド様の恋を応援しましょうよ」

「そうね…でも、昨日からその勇者様がエーシェルド様に何度も会おうとされているらしいわよ」

「えー?三角関係…完全に勇者様邪魔者じゃないですかー。でも恋より強い親が決めてしまった許嫁という武器がある勇者様のほうが一歩先ですかね」

「ほら、そんなことばかり言ってないでそろそろ私達も寝なくては明日に支障が出るわよ」

「はーい」

そこで二人の話は終わった。

『勇者がエーシェに会おうとしてるんだってエル君』

やっぱりここに居るのかな…ぜひ帰っていてほしいんですけどね!

『そういえばさ、さっき1つエーシェを探す時に便利な物思い付いちゃったんだけど』

なんだよもったいぶらずに言えよ〜。

探索(ブスカー)使えば誰がどこに居るかわかるじゃん』

あ、たしかに!じゃ、ヒスイよろしく〜。

『えー!?なんでだよー!』

いや、この城全部とか僕の頭が雑巾絞りされるくらいの勢いで激しい頭痛に見舞われそうなんで素晴らしい処理能力をお持ちのヒスイさんにお願いしたいっす。

『わかったよーちょっとまってね…』

ブワッと魔力が広がっていくのがわかる。

できるだけこの城にいる人が不快に感じないよう丁寧に薄く最低限の魔力が広がっていく。

『んー。ちょっと魔力を弱めでやったら人が変なところに居るのはわかったよー』

変なところって?

『この前僕らが行った謁見の間って言うの?あの部屋。こんな時間に一人だけ人が居る』

こんな時間に誰が居るんでしょうねー?一旦入ってみようか!

『さんせー!もうどこかに入らないと見つけられないもんね」

二人でこの前入ったどでかい扉の前に立つ。

さて、鬼が出るか蛇が出るかそれとも勇者が出るのかな?

【王都編⑮〜王城へ〜】最後までお読みいただきましてありがとうございました!

話の半分くらいを顔も想像していない女中さんのお話で終わるというこの感じ…。

完全に僕の想像の中での女子会のトークだったんですけど、偏見ですかね?まぁ感じ方は人それぞれということで。

さて、ついに王都編も残りが指で数えられるくらいになってまいりました。

これは年内に終わるのか?頑張れ僕!!

【次回予告】

エル「ほんとに年内で終わらせる気あるの?」

作者「気持ちは強く持っている。後はやるだけだ」

ヒスイ「でも今月の後半は基本的に更新不可能じゃん」

作者「僕の具体的なスケジュール話すのやめてよ…」

エル「今の所5ヶ月で45話だから月に9本くらいのペースだね」

作者「リアルな計算をするのもやめてよ」

エル「でも計算上今回を抜いて残り8本は投稿できるんだから終わるじゃん」

作者「最近設定段階よりも話がかなりゆっくり進んでるの気がついてます?」

ヒスイ「あ、ホントだ。今回の話もともと数行で終わってる…」

エル「おい!終わらせる気あるんだろうな!」

作者「名言は控えさせていただきます…次回【王都編⑯〜月夜に照らされる〜】お楽しみに」

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