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王都編⑬〜奪還作戦開始〜

情報屋のゼランからもらった情報で1つの仮説が立ったエルドナスはヒスイとエーシェを奪還するための最後の準備に入る。

でも、前日に飲みすぎてるからなぁ…。

んあ!?

いつの間にか外が明るい!?

目を覚ますといつの間にかベッドの上に居た。

初めてここの宿のベッドで寝たのに寝た感じが全くしないんだけど何ででしょうか?

あったま痛てぇ…。

昨日は酒場で飲んで…みんなに奢るって言ったところまでは覚えてるんだけど、それ以降の記憶がないな。

それにしても頭が痛い。結構飲んだなこれ…。

確か、ヒスイに頭痛耐性の魔法のイメージを教えてもらっていたはずだ。

ええっと…なんだっけ優しさ半分と薬用成分半分?…薬用成分ってなんだよ!

魔力で脳を覆うイメージで…これって完全にごまかしているだけだけど、まぁいいだろう。

頭痛薬もそんな感じだし!

テキトーに編み出した頭痛耐性の魔法を使いながら上半身を起こすと昨日の服のままだ。

うわぁ…僕着替えもせずに寝ちゃったんですね…。

最悪だぁ…よくあることだけどさぁ…。

重たい体を起こして寝室から出るとヒスイが真ん中に置いてある机のところに座っていた。

「おはよーヒスイ」

挨拶をしたのに返事がない…なんでさ?

「おはようじゃないよ…エル君ここに座って」

え?なになに?

「飲み過ぎちゃダメだよって言ったのに何であんなに飲むのさ!」

バーンと机を叩きながらヒスイが叫ぶ。

ちょっとまってくれ…二日酔いに大声は響くんだよ…。

「ごめんヒスイ…実は昨日あれだよ…みんなに奢るって言った後から記憶がなくてね」

「それもそうだよ!あの店に居たおっさんたちと一緒になって飲み始めて終いには飲み比べまで始めたんだから!」

あれ?昨日の僕そんなことまでやっちゃってたんですか?

そりゃ頭が痛いわけだよ。

「それにもうお昼すぎだよ!エーシェのことを探しに行こうって言っていたのに全然行く気ないじゃん!」

ああ、それで怒ってるのね。

僕だけの中で今後の行動に関して完結してたみたい。ごめんごめん。

「日が出てるうちは行動する予定は無いよー」

「何で!?すぐにでもエーシェを探しに行くんじゃないの?」

「もうだいたいわかっちゃったんだよ。だから昼間に行動しても意味がない。むしろ夜まで待たないとだね」

「その理由を聞いてるのに何で答えてくれないの!」

「ヒスイちょっとまってくれ。僕も順を追って説明したいんだけど、頭が痛くて」

「それは昨日飲みすぎたからでしょ!」

「そうなんだけどさ」

何かいつもエーシェとやってるやり取りみたいだな。

何で僕はいつも怒られる側なのかはわからないけど。

「まず、エーシェがどこに居るかなんだけどこれはきっと王城に居ると思うんだよねー。推測でしか無いけど」

「なんで?」

「それはちょっと待って。で、今日はまず協会と王城にそれぞれ侵入します」

「何で!?」

「王城はきっとエーシェが居るから」

「それはさっきも言ってたけど…」

「協会は最悪の場合の想定をするべきかしないべきかを判断するためだよ」

「つまり、あんまりまだ話すつもりは無いってこと?」

「まだ確証は無いからね」

ヒスイはちょっと考えてからまた口を開く。

「もし、エル君の推測が外れていた場合はどうするの?」

「その時はその時さ。それにその時に大変なことにならないように夜に行動するんだよ」

「わかったよ。1つだけ聞きたいんだけどいいかな?」

「何?」

「エル君は本気でエーシェを連れ戻すつもりで行動するんだよね?」

「それはそのつもり。それに、これは最悪の想定の場合だと僕らは間違いなく闘うことになるからそのつもりでね」

「僕とエル君が一緒なら誰が来ても大丈夫なんじゃないかな?」

「それがエドガーさんでも?」

「うーん…怪我で済めばいいけどなんとかはなるんじゃないかな?」

「たぶんエドガーさんくらいの強さの人間が相手になると思ってくれ。無事じゃ済まないかもしれない」

「でも、エル君は行くんでしょ?」

「当たり前じゃん?」

「わかった。じゃあ、夜まで待つよ」

なんとかヒスイは納得してくれたらしい。

「じゃあ、僕は体長を整えるために寝ておくよ。おやすみー」

「今起きたばっかりなのに…」

だって二日酔いがしんどいんだもん☆

重たい体を寝室まで引きずるように移動させベッドに転がり込む。

ふっかふかのオフトゥンに包み込まれる。

すげー。

高い物ってすげぇ!

いいものってすごい以外の感想が湧いてこないくらいすごい。すごいなぁ…。

すやぁ〜。


気がつくと僕は完全に眠りに落ちていた。

そういえばこういう深い眠りに落ちた時にはいつもこれが来るんだよなー。

「おっひさ〜」

いつものことながら格好とセリフが合っていない。

「なんだなんだ〜?つれないなぁ〜」

「前に会ってからそんなに時間が経った気がしないんですけどねアティさん」

「だってだってー。エル君は外の人とお話ができるだろうけど私はできないんだもん」

確かにそうだよなぁ…一人って暇だもんな。

「たまにはお付き合いしますよ」

「やった〜!それでこそエル君よね。それでエーシェは取り戻せそうなの?」

「そうだねぇ〜。最悪の想定さえ合っていなければ大丈夫かなぁ」

「最悪の想定って?」

「アティさん僕の心を読めますよね?」

「そ~だけど、それじゃつまんないでしょ?」

僕の生活に楽しみを求めすぎているんだよなぁ…。

「普通の想定だったら王国の騎士の相手。これだったらいいんだけどねぇ…」

「最悪の想定って誰と戦いそうなのよ?」

「勇者なんですよねー。できるだけ戦いたくないんですけどね」

「そうねぇあれを相手にするのは今のエルくんだときついかもしれないわねぇ」

「あれってやっぱり強いんだ」

それを聞くとなおのこと戦いたくない。

「勇者のことをあれ呼ばわりするのもどうかとおもうけどね〜。神の加護っていうのはそれほどに強力なのよ。だからもし戦闘になるようなことになったら無理せず逃げることを考えるのよ」

うへぇ〜。絶対戦いたくないんだけど…。

「わかりました。じゃ、そろそろ時間ですかね?」

「そうでも無いけど、休むことも大切ですもんねぇ〜」

「やっぱりこれ体あんまり休まってないんですか!?」

「うーん。体の方は休まってるでしょうけど、精神は起きているときと変わらないわね!」

「そうですか…じゃ、次のときまでまた」

「そうね。またねエル君」

目を閉じて目を開くと寝る前に見ていた天井だった。

外は暗くなり始めているから丁度いいか。

寝室から出るとヒスイはまた机のところにいた。

「今日あんまり動いてないの?」

「もともと一日動かない日とかもあったからこれくらいの時間待ってるのは別になんとも思わないよ?」

いや〜やっぱりスケールが違うよなぁ。

「そうだヒスイ!試したいことがあるんだけどいいかな?」

「何?」

「この後僕らはぶっちゃけ不法侵入をします」

「そうだね」

「だから見つかると困ります」

「そうだね」

「だから、それに対抗する魔法を考案しました!」

「もうなんでもありだよねー」

知恵のドラゴンも呆れる僕の思いつきって何なんでしょうね?

今回のは前に泊まっていた宿屋で考えた物の改良版だ。

そのための物も実は準備してあったりする。

事前に準備してあった袋から布を取り出す。

「外套なんて取り出してどうしたの?」

「これに光の魔法を付与させて僕らの姿を見えないようにしようと思ってさ」

「うわぁしれっとやばいこと言ってるよこの人」

「さっきからひどいよ?まぁでもいちばん大事な外側からどう見えるかを確かめてくれる人がいない時に作った魔法だからヒスイに確かめてもらおうと思って」

「そういうことね。やってみてよ」

属性付与(アスィグネーション)】発動。

付与属性:光

効果:光の透過により対象が透けるようにする

魔法を発動しマントをかぶる。

「どう?」

「エル君何ですっぽんぽんなの?」

「いっや〜ん」

いっや〜んじゃねーよ。

なんで僕のサービスショットが無料配布されなきゃいけないんだよ。

これ被って外に出たらただの露出狂じゃねーか!

「ちょっとまってね。もう少し…こう」

もっとものを透過するイメージで…。

「どうだ!」

「エル君の骨格と筋肉がよく見えるよ」

人体模型になってしまった!

「なかなかこう…見てるのがしんどいね…」

ごめんねグロ画像で!!

もっともっとだ!集中しろ!

「今度は骨だけになったね!」

人体模型は骨格標本に進化したね!

「うーん。何でこう上手くいかないんだろう?」

「エル君どんな風に考えてこれやってるの?」

「透けるようにだけど、たしかに透けると服とか中身とかそういう話になってくるよね…」

「透けるんじゃなくて周りの景色に溶け込むようにしてみたら?」

「わかった。やってみる」

イメージを切り替えて後ろの景色に合わせて溶け込むようなあえて景色を映すようなイメージで…。

属性付与(アスィグネーション)】発動!

「やったねエル君!目の前に居るはずなのに見えなくなったよ!でも、僕これ使えなくない?」

ばさっと魔法を解除したマントを脱ぐ。

「だからこその属性付与(アスィグネーション)なんだよね〜。僕がこれを付与してヒスイに着せれば」

「僕も使えるのか!エル君あったまいいー!」

おいおいそんなに褒めるなよ。嬉しくなっちゃうだろ?

「これで姿は見えなくなったので1つ問題は解決したね。で、僕らの会話も昨日みたいにヒスイと念話をすればいいから大丈夫…あれ?アレってどうすれば使えるの?」

「あ、僕が勝手にエル君の意識を拾うから大丈夫だよ」

「それ怖いんだけど…まぁ今回は練習している時間も無いからいいか。今度やり方教えてね」

「わかったよ。これで準備は万端?」

「いや、それでも解決していない問題が1つあるんだよね」

そう。視覚以外にも大きな問題が1点。

僕らが会話をしなくても念話で会話ができるから解決をしているように思えるけどかなり重要なことだ。

「移動するときの音を消したいんだけど。ヒスイが得意の風魔法でなんとかならないかな?」

「そんなこと考えたこともなかったんだけど、どうしてできると思うのさ」

「音って空気が振動しているから聞こえたり響いたりするんだ。だからすっごく大きな音がしたときって空気以外も振動することがあるんだけど伝わるかな?」

ヒスイはちょっと上の方を見ながらあぐらをかいて腕組みをしている。

数秒間その姿勢のまま動かなくなったかと思うと急に腕組みを解いてぽんと手を叩いた。

「よくわかんないけどわからなくはないような?でも風魔法は空気を操ってるからなんとかなるんじゃないかってこと?」

「だいたいそんな感じ!例えばさ、僕とかヒスイの体の周りでこう言う感じで音が広がらないようにすることってできるかな?」

イメージは体の周りでバリアのようなものを張ってそれ以上外に音がもれないようにするやつだ。

高速道路とかの騒音対策で反対の性質の音をぶつけることで無音にするとかいう技術があったけど、今の説明がなんとなくしか伝わらないのならこれを伝えきるのは厳しいだろう。

だからなんとなく体の周りにバリアを張って音をなくしてほしい!できるかなぁ…?

「エル君がさっき言っていた話が本当なら空気の振動をなくせばいいんだからなんとかなるんじゃないかな?よくわかんないけどやってみるよ。えっと…こんな感じかな?【消音(シレンスィオ)】」

両手を前に出しているヒスイが魔法を発動した後に何かを言っているようだけど何も聞こえない。

というか完全に無音の空間に包まれている感じだ。

あれ?もしかしてこれ内側の音も外に漏らさない代わりに外側の音も打ち消しちゃってる?

ヒスイさーんめっちゃ喋ってるけど全然聞こえないよ〜?

『あれ?もしかして僕の声聞こえてなかった?』

あ、うん。そうそう。それで僕も困ってたんだよ。

『やっぱりかー。ちょっと難しいなぁこれ』

わかった。一旦これでいいや。

『別に必要なときだけかければいいもんね。一旦解除するよ?』

おねがーい。

「これで聞こえるようになった?」

「バッチリ聞こえてるよ。必要になった時はこっちからお願いするから基本的に外に出たら念話で話そうか」

「わかった。じゃ、エル君行く前の準備は大丈夫?」

「大丈夫だよ。持つものは持ったしヒスイは大丈夫?」

「大丈夫!」

「よし。じゃあ、最後にこの作戦の達成条件を確認するよ。達成条件は言うまでも無いけどエーシェが僕らの元に帰ってくること。それまでに必要なことをならば僕は何でもするつもりだ」

「あまり大事にならないといいけどね」

「僕もそのつもりだよ。でも、最悪の想定の場合は戦闘は避けられない。それでもあんな風に手紙を残していったエーシェにもう一度会って文句を言ってやるために」

「あ、目的それなんだ」

「じゃ、行くよ…奪還作戦開始だ」

「おー!」

僕の号令とヒスイの言葉でエーシェ奪還作戦は開始となった。

【王都編⑬〜奪還作戦開始〜】最後までお読みいただきましてありがとうございました!

作戦開始と言いつつ最後の最後にやっと始まるのです。

想定段階だともっとうっすい感じで淡々と準備が進んでたし、アティも出てくる予定がなかったんですけど、エル君が作戦を始める前に寝るのは設定としてあったのでせっかくだから出しちゃえって思いまして出しちゃいました。

それにしても本当に必要のないサービスシーン…いっや〜んってなんだよ(笑)

どうしても最近ボケたくなってしかたがないんですよね。

次回からは真面目に…なるはず!!

【次回予告】

作者「いっや〜んってなんだよ」

エル「お前が言わせたんだろ…」

ヒスイ「見たくないものまで見えてしまったよ」

作者「いや、これが後々の伏線に…?」

エル「どの辺りがそうなるのか楽しみにしたいものですねぇ(怒)」

作者「必要な犠牲だったんだよ…」

ヒスイ「エル君は尊い犠牲に…」

エル「何で僕が裸になったことで犠牲になった風になってんの!?」

作者「準備のときも締まらなかった二人ですが次回から大活躍する予定なのでよろしくおねがいしますね。では、次回!【王都編⑭〜協会へ〜】お楽しみに」

ヒスイ「こんな感じでグダグダしてそうだよね僕ら」

エル「そうだよなぁ…」

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