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王都編⑤〜でも、お高いんでしょ〜?〜

王都にヒスイのおかげで早めに着いたので買い物に行くことにしたエルドナスとヒスイ。

エーシェの案内に書かれていた店はコレまたすごい店。

勇気を出してお店に入ってみると意外な出会いが?

大きい割にそこまで重たくない扉を開くと少し薄暗い店内の壁一面に広がる武器が出迎えてくれた。

「うわーすごいねー」

ヒスイがその言葉を言わなければ、きっと僕が呟いていただろうと思うくらいの武器が店内には広がっていた。

そうか今まで見ていたのは本当の店じゃなかったのだと思うくらいには衝撃を受けた。

「いらっしゃい。初めて見る顔だな。何が欲しい?」

店の奥から出てきたのは少し小さな身長のおじいさんだった。

立派なひげを蓄えていて「俺はドワーフなんだ」って言われたらやっぱりそうですよねって思う貫禄のあるおじいさんだ。

「何じっと見てるんだ?俺と話に来たわけじゃないだろ」

「す、すみません」

怖いよー。おじいさん怖いよー。

「おじいさんドワーフ?ただの人ではないよね」

「ん?そうだが何か確証でも合ったのかボウズ」

ほんとにドワーフだった!!そうですよねって思わんわ!びっくりだ!

「えっとね。僕も人間じゃないんだけどさ、ただの人間とそれ以外の人の形をしている人たちって内部構造から違うんだよね。その辺りが僕は見ただけでもわかるんだよね」

ちょっと急にそういう事言うのやめてもらっていいですかドラゴン君。

急にびっくり能力を言われたときの僕の気持ちわかる?

何じゃそりゃ!っていうのが正直な気持ちだよ!

「そうか…というかお前さんもしかしてその頭のは飾りじゃないのか?」

「そうだよー。触ってみる?」

ちょいちょいと指で角を指すヒスイ君。ちょいちょい仕草が可愛いの何なの?

「ぜひ触らせてくれ!」

じいさんめちゃくちゃテンション上がってんじゃん!どうしたどうした!?

「いいよー」

「これは…そうか…初めてこういった姿をした…いや、生きているやつに会ったと言うべきなのか。この出会いに感謝しよう」

なんだよ急に感謝しようとか言い始めて自分の世界にいかないでくださーい?

おじいさん返ってきてー!!

「触っただけでわかったんだ!すごいね職人さんって。僕はヒスイ。おじいさんは?」

「わしはドワーフのグルードってんだ。それでヒスイと一緒に来たお前さんは?」

おっと急に話を振られた!忘れられていたわけではないんですね。良かった!

「僕はエルドナスと言います。いろいろあってヒスイとは仲間としてこの王都に来ました」

「お前さん…いろいろあってもこいつと仲間になることなんてそうそう無いだろ…」

ホントそうですよね!僕自身もびっくりなんですよ!この気持ちわかってくれる人いてよかった!

「ホントですよねー」

「エル君すごく安心した顔しているけど何で?」

「秘密」

「それで、エルドナスは今日は何を探しに来たんだ?」

「よく僕が探しに来たってわかりましたね」

「いや、ヒスイは武器とか必要ないだろ?」

普通に考えればそうですよね!こいつ化け物だし!

「えー僕もいいものがあれば欲しいんだけど?」

え?逆に何使うの?めっちゃ気になるんだけど!?

「いいのがあったらな…ところで、ヒスイは要らなくなった鱗とか無いのか?欲しい武器と交換してやるから」

このドワーフいい性格してるな!そういうの好きだよー!

「あるよ?この前生え変わった鱗とかで良ければ」

「ぜひくれ!なんでも1つ持って返っていいぞ!」

「やったー!」

楽しそうだね二人共。さて、そろそろ本題に入りますかね。

「僕は今日魔法銃と短剣を探しに来たんですけど、いいやつありますかね?」

「魔法銃と短剣とはエルドナスもなかなか通な物を探してるな」

へー武器で通なものとかあるんだ。

「それで、お前さんの魔法の適正は?」

「火光風土です。闘うって考えると火と光くらいしか使い物にならないですけど」

「4属性も使えるなら十分だろ。そこまで使えるやつには初めて会ったぞ」

そうなんだ。そんな褒められても何も出ませんよ?ちなみにこの店で一番高い武器ってどれですか!!

「エル君自覚してないみたいだから言うけど、賢者もそんなに使えなかったからね?理論は理解してたみたいだけど、使えないって嘆いてたから」

へー…ねぇ急に偉人持ち出されても困るからね?喜んでいいのかわからなくなるから!

「お前さんさっき戦闘向きなのは火と光って言っていたが風と土はどの程度使えるんだ?」

「風は強風を起こすのが限界ですかね。ヒスイみたいにはできないです」

「ヒスイと比べちゃダメだ。こいつの色は緑だろ?だとしたら風魔法の化身みたいなもんだそれと比べたらどんなやつでも霞んで見えるからな」

ですよねー…。

「土魔法は土で人形を作って動かすのが限界ですかね」

「そいつはどの程度動かせるんだ?」

「僕自身が作って僕が負けるくらいの強度ですかね?」

「え?そんなことってあるの?」

「実話です…」

「今日の客はとことんでたらめな奴ららしいな…よしちょっと待ってろいろいろと持ってきてやるから」

そう言うとグルードは店の奥に入っていってしまった。

「エル君。さっきの自分の作った土人形に負けるってどういうこと?」

「土人形を作って戦闘訓練をしていたんだけど、動きがわかったら意味がないから自動で動くようにしたんだよ。それでいろいろやってたら結局勝てなくなった…」

「エル君ほんとそういうところ規格外だよね。エル君魔道士とか魔法使いのほうが向いてると思うんだけど」

「エーシェが魔法使いだからキャラ被りするじゃん。それに僕は1つのことをずっと続けるのが苦手だからね」

「えー?いろいろと広げてやってるからなんじゃないの?1つのことをやったらもっと強いんじゃないかな?」

「それも大事だけどな。いろいろ使えるほうがいつか自分が助けてもらえるかもしれないだろ?」

「いや、そうかもしれないけど…」

きっとそれは僕の性に合わないのは知ってるから…。

前世の時からそうだった。

長続きをすることは何もなかった。

しいていうなら死ぬときまでやっていた仕事が一番長かったのかもしれない。

何かを極めようとすると他の極めようとしている人を見て一人で勝手にやる気を無くしていく。

そんな行き方をこの世界に生まれ直してからもやり続けてきた。

1つのことが極められないなら…すべてを使ってぶつかっていけばいいんだから。

「新しいことに挑戦するのも楽しいじゃん?だから僕は僕の理想が見つかるまでそれを探し続けるんだと思うよ」

「へー。ところで、僕って何使うのがかっこいいかな?」

お前人の割とかっこいいセリフをそんなふうに流しやがって…。

ヒスイが使ってかっこよさそうな武器か…。

ヒスイ自身の身体能力が高いからな…それを活かしながらと考えると…?

いや、身体能力高いとなんでも使えるんじゃないか?

「ヒスイは長いものを振り回したい?それとも自分の体を使っていきたい?」

「んー?そうだなー…体を使うのはいつも通りすぎるから武器は長いのがいいかも」

そうすると槍とかになるんだけど…使ってるイメージが無いな…。

長くてヒスイが使ってるとかっこよさそうなもの…。

「大鎌とか?」

「鎌?それは考えたことなかった!使ってたらかっこよさそう?」

「そうだね大鎌使いはそれだけで憧れるかな!それに風魔法を纏わせて振り回して空気の斬撃とか飛ばせたらかっこよくない?」

「あ、いいねそれ!採用!グルードー!おっきな鎌とかってあるー?あったらみたい!」

そう言うと空中に手を伸ばしたヒスイの手にいつの間にか何枚かの緑色をした鱗があった。

「それ、さっき言ってたやつ?」

「そーそー。エル君たちと戦った時に何枚か剥がれちゃったんだよね。人と一緒に生活するならコレは使えるんじゃないかなと思ってね」

こいつ…賢い!

「おまたせ。今うちにある魔法銃と魔法と相性のいい短剣だ。ヒスイの短剣はちょっとまっててくれ」

「はーい」

グルードが持ってきたのは3種類の魔法銃と2種類の短剣だった。

短剣は灰色の刀身にキラキラとした部分がいくつか見えるものと漆黒に金の装飾がされているものだ。

ヒスイは隣で見ていて小さく「お〜」と声をあげている。僕もそうだけどめちゃいい物っぽいのが来ると自然と口からそういう声が出そうになる。

「こっちの灰色のはこの短剣で使用する魔法の威力を底上げするものだ。ただし、魔力もその分使っちまうのが難点だな。それに対してこっちの真っ黒なのは逆に魔力消費を抑える効果がある」

ああ、武器ってそういう効果がついてるものだよね。何も効果がないと簡単な説明書きしか無いやつだ。

「銅の剣:銅でできた剣。攻撃力+10」みたいな?

「双剣として使いたいんで、こっちの黒い方がいいんですけど2本あったりしませんか?」

「ああ、ちょうどいいな。実はこの両方な必ず2つで1組の武器を作っている工房のやつなんだ」

僕にぴったりな工房があるものですね!ありがたや〜。その話詳しく!

「それでなこの工房はなかなかおもしろくて色ごとに違う効果を出す武器を作ってんだ。実はここにある短剣は両方その工房のものでな。それぞの色でいろんな武器を作ってるぞ黒い方は《ネグロ》で灰色の方は《グリース》って名前のついているもんだ」

色シリーズってことなのかな?面白いことするところがあるもんだ。

「そしたら、この魔法銃の黒いのも同じなんですか?」

3つ置かれている魔法銃の真ん中に置かれている漆黒の銃は短剣と同じく漆黒の銃身を中心に金色の装飾がされている。

「ちなみにコレってやっぱりいいものなんですか?」

「そりゃそうだ。わざわざ俺が後ろから持ってきた時点でわかるだろ?」

ははは。そーっすよね。

「今日はヒスイとも合わせてくれたしなちょっとはまけてやるよ」

優しいなー…。

「でも、お高いんでしょ〜?」

「エル君何その口調」

いや、お約束かなと思って…。すみません出来心です。

「ああ…コレくらいかな」

ゼロが…わーたくさんあるねー。ちょっと待って?

「コレって支払い今じゃないといけないとかありますか?」

「できればそれのほうが嬉しいんだが、さすがにこの金額だからな。数回に分割してもいいぞ?」

「あー…後日結構な金額を貰える予定なんでそれで一括払いとかでもいいっすか?」

「ほう?一括で貰えるならこっちとしてはそれでいいぞ?ちなみにどこからの以来だったか聞いてもいいかそれで判断するから」

そうだよねー。結構な金額って言われてもわかんないよねー。

「この国って言うのが正解なんですかね?コレくらい貰える予定なんで」

指を3本立てる。

「百か?」

「千です」

「わかったいいだろう」

やったぜ!というかこれもらえたら楽勝で払える金額だもんね!

「ちなみにこの黒い銃はいくらくらいですか?」

「ざっとこんなもんだな」

短剣の1.5倍くらいの金額だった…たっけー。家と変わらんやん。

合計するとエリーの村で持っている家が約2件買えることになりそうなのでエーシェには黙っておきましょう。きっとたぶんおそらく…殺される…。

「まぁ、そんだけ貰えるんだったら問題ないだろ。買ってくかい?」

しばしの長考(だいたい2秒)

「買います!迷ったら買うべきだと!」

「気に入った!持っていけ!本来なら金を確認してからなんだがな。エルドナスお前のことは気に入ったから後払いでいい!」

やったぜ!短剣と銃ゲット!

「ねーねー二人で盛り上がってるけど僕がさっきお願いした鎌は?」

「ちょっとまってろ今持ってくるからな」

そう言うとまたグルードさん裏に入っていった。

「エル君。その金額エーシェにバレたらやばくないの?」

「バレなきゃ…大丈夫だよ…覚悟は…できている…」

「その割に言葉にキレが無くてとぎれとぎれだけど?」

「まぁ、何かきっかけがあれば許してもらえるんじゃん?」

「エルくんがエーシェに怒られてるところまで想像できたよ僕」

嫌な想像するんじゃないよ!

「待たせたなヒスイ。コレなんてどうだ?」

グルードさんが持ってきたのはヒスイの今の背丈よりも持ち手の部分が長いものだった。

柄の部分は銀色の金属でできており、刃の部分は外側が黒く内側が緑がかった黒色になっている不思議な色合いの鎌だった。

「でっかいねー」

それをヒョイッと片手で持ち上げるヒスイ君。

その見た目でそれを片手で持ってるだけでやべえやつだよお前。

「コレって魔法使っても大丈夫なやつ?」

「風魔法に特化したものだがヒスイはそのほうがいいだろ?」

「そうだね!ありがとう!ちょっとここで魔法を使ってみても大丈夫?」

「み、店を壊さないでくれよ?」

「大丈夫大丈夫!」

一般的に君の魔法は自然災害級なので大丈夫と言われても安心ができないんですよ。

ヒスイが構えると刃の周りに風が渦巻くようにまとわりついてく。だがそれは暴走するような様子はなく、安定して纏わり続けていた。

「うん。いい感じ!僕が生まれて始めて持つ武器にしてはいいものなのかもしれないね!」

「グルードこれさっきの話だと僕の鱗と交換って言ってたけど、コレも上げるよ」

またいつの間にか手に牙のようなものを持っているヒスイ君。いつの間に??

「こ、コレは…こっちが貰いすぎなくらいだ」

「いいのいいの。僕らの牙は生え変わるからね。使ってくれたほうが嬉しいよ」

まぁ、抜けた歯って普通は利用価値無いからね。

「わかった。ありがたく受け取らせてもらおう。今日はありがとうな。またいつでも来てくれ」

「うんわかった!ありがとうグルード!」

「ありがとうございました」

購入した武器を道具箱に入れホクホクな気分で店を後にした。

【王都編⑤〜でも、お高いんでしょ〜?〜】最後までお読みいただきありがとうございました!

前回の王都に到着してからの話とこの武器屋での話しってもともとの話だと1話分で2つ合わせても3000字くらいしかなかったんですけど、いつの間にかこうなってましたね。毎度恒例のやつです。

さて、実は書いているうちにまた新たな設定が生まれまして…それが武器屋の主人グルードの名前とヒスイが武器を持つことでした。グルードの名前を思いつくまでの時間の方が長かったです(笑)。

先日この2部の後半の先の部分を書いていたんですけど、今日のさっきまでヒスイはずっと何も持たずに闘う予定でした。でも、ヒスイが武器屋に言ったら僕も欲しいって言うところしか想像ができなくなっていて何を持たせたらかっこいいかを考えて大鎌になりました。ちっちゃい子供みたいなやつが体より大きな武器を振り回しているのってロマンありますよね!無いですか?僕にはあったんですよコレが。

コレでたぶん王都編の25%といったところでしょうか。まだまだ続きますねー。年内に終わったらいいほうかもしれません。頑張りまーす。

【次回予告】

エル「さて、前回の続きだね」

作者「今回あとがきながすぎて尺が無いよ」

ヒスイ「誰が悪いのか…」

作者「次回!【王都編⑥〜格差だ!!〜】お楽しみに!」

エル「絶対に逃さん!」

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