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王都編③〜これ、自分じゃわかんないじゃん!〜

馬車に酔って夢を見てと忙しかったエル君。

今日はまったりと自分の時間を使って何やら考え始めるようです。

ほとんどエル君のモノローグなのは第一話以来ですかね?

盛り上がったり沈んだりとまた忙しそうな彼ですが温かい目で見守ってあげてください。

「エル君?まだ寝てるの?」

エーシェの声で目を覚ますと外は暗くなっていた。

「ふわぁ〜。僕どのくらい寝てたかな?」

「今日の移動はほとんどって言えばわかるかしら」

僕らの今回の移動は2日間に渡るものだった。

一日目は中間地点にある宿場町に泊まる予定となっていた。

そのスク博の費用も全て冒険者組合から支給されるから最高ですね(ゲス顔)。

途中で休憩もはさみながらも半日近く移動するのが今日の予定だったのだが、その今日の予定はすべて寝て過ごしてしまった。

「エル君って一回寝るとほんとに起きないんだね」

「ん?確かに眠りは深いほうだと思うけど…」

「何しても起きないんだもん。びっくりしちゃったよ」

待って?僕が寝ている間にお前ら何をした?

「早く宿に行こうよー。僕はお腹へったよー」

自由ですねドラゴンさんや…。

宿の馬宿に馬車を預けて今日一日運転してくれていいた御者さんに挨拶をして宿屋に入る。

あれだ。飯はそこそこ美味かった。

いつ戻りエーシェさんは酔っ払ってくれたので、いい感じにヒスイに預けて僕は一人寝室に向かう。なんかドラゴン君から悲痛な叫びのようなモノが聞こえたけど、気のせいだろう。

さて、問題はここからなんだよなー。

ね・む・れ・な・い・!

そりゃそうだ!昨日から今日にかけても寝ていたのにそれに加えて半日も寝ていたんだらか今日は眠れるわけが無いんだよ。

「今日は寝ることを諦めるか。明日の馬車で寝ればいいし」

前世でやってた一人暮らし生活の癖なのか、一人でいる時はどうしても独り言を呟いてしまう。

「さて、今日は何をしようか…」

今やらなくてはいけないことと思うと急に何をすればいいかがわからなくなる。

…そうか!あれだ。こういう一人の時間がある時にしかできないことは1つじゃないか!

「新しい魔法を考えられるのはこういう時じゃないか!」

何でもかんでも思い付いたことは口から出てしまう。

さて…新しい魔法と言ってもどんなものが必要なんだろうな…。

今までは基本的に必要性に駆られた時に必要な物を思い付いていたからな…。

こういう時はあったら面白そうなものを作ったほうがいいのかもしれないな。

面白そうな物…・

最近見たものを真似してみるのはどうだろうか!

最近見た新しい魔法…。

あれか…ヒスイの…【龍の息吹】はきっと魔法だよな。

僕が使える魔法の属性は火・光・風・土の4種類だ。全部で7種類あるうちの4種類使えるのは優秀な方だと思運ですよね。最近新しい魔法を使っても誰も褒めてくれないから自分で自分のことを褒めていくんだ。

それはそれで悲しくなるけど…まぁいいか。

ちなみに僕が得意としているのは4つの中でも火と光。

ひとまず、火でイメージしてみよう。

ダメだ。絵図が悪い。

次に光だ…。

あ、これは完全にゲロを吐いているときの映像特殊加工だ。

苦手2属性の方もイメージしてみるか…。

風はヒスイの完全な真似になるんだけど、あそこまでの火力?風力は出せないのでコレはボツですね。

では…最後はあれだ…土魔法なんだけど…。

ハイアウトー!全体的にアウトー!完全にゲロ!吐瀉物!アウトー!

はい。これ考えるのおーわり。全然だめ!終わり!

はい次行こうか!

僕の苦手な魔法から考えていこうか。

苦手なのは土と風だ。

土はマジで苦手すぎてゴーレム作成しかできないからコレは使えない。

思い通りに色々と応用ができるのは風魔法だから風魔法で考えるか。

あ、そうだ。前世でちょっと憧れたことがあったのは蝶ネクタイつけた名探偵だっけな。

声を思い通りに変えられたら面白そうだな。それでいこう。

まずは僕らの声というものに関して整理していこう。

そもそも音って空気の振動により起きる現象だ。ちょっと違うかもしれないけどムチの先から破裂音がするのは音速を超えるからだって聞いたことあるような…。

空気の振動の単位はHzで一秒間の振動するを表す単位だったはず。振動数が多ければ高い音が出るのであれば、喉から出る音の振動数を変えてあげればいいんだよね!

ヘリウム吸うと声が高くなるのは何でだっけかな…?

うーん。何だったっけか…?

あ!あれだ分子の大きさだ。

空気中の大半は窒素が占めているのに対してヘリウムはかなり小さく振動が増えるとかなんとかと本で呼んだことがあった気がする。

じゃあヘリウムを作ればいいよね!

…結論水素同士の核融合反応を起こすことになるのでは?

つまり太陽で起きていることをやれと?

そんなことができるのであればそれを新しい魔法として開発するわ!!!!

はい…ボツですかね…。

「発想の転換って大事だよね」

前世で見たスパイ物の映画で喉に何か張ったら声変わってたような…。

声帯の辺りにフィルターみたいなのをつけるイメージならどうだろうか?

「あー…あ〜?…あ〜〜!」

これ…自分じゃよくわかんないな…。

今度ヒスイと一緒にいる時に試してみよう。そういうことにしよう…。

何か今日うまくいかない気がする。今までと状況が違いすぎるからなー。

でも、今のはいい着眼点だったかもしれない。映画でやっていたことを魔法で実現させればいいんだ!

光学迷彩ってかっこいいよね!コレだ!

光学迷彩の仕組みって一切わからないけど、要するに僕らの目に見えているのはものに反射した光が目に入る事によって見えるんだから光の反射をいじってやればいいんだよね?そういうことにしよう。

名前はそうだな…【光の衣(パンヨ・ディ・ルス)】とかにしてみようか。

イメージするのは薄い布のようなもの。魔力をシート状に薄く伸ばしてみるイメージで…。

薄く伸ばすってむずいんだな。魔力って広げたり放出したりするほうがうまくいくんだよなぁ…形を固定するのはあってない気がするけど…やってみたいからやるんですけどね!

無理に形を四角くイメージしなくてもいい感じにシートみたいにすればいいんだろうな。それでいいや。

魔力を広げてみる。なんとなくできた気がするけど厚さとか密度とかがまちまちな気がするけど…まぁいいでしょう。うん。いいことにしましょう。

寒い日に毛布にくるまるようにブワッと魔法で作ったシートを羽織ってみる。

うん。

作ってみてからコレって違うよねって思うことあるよね。

今その状態。

何でかって?そりゃ…。

「これは…さっきと同じだ…これ、自分じゃわかんないじゃん!!」

コレもヒスイに見せてみよう。そうしましょう。

よし。もういいや。趣味だったことから考えよう。

そういえば僕の趣味ってなんだろう…。

ボコボコにされることは趣味ではなくて…勝手にそうなっているだけだから…。

あれだー僕無趣味だー。

なんだろうこの焦燥感…。

なんかちょっとしんどくなってきたような気がするけど気にしない気にしない。

じゃあ、前世の趣味…。

ゲームとかゲームとか…いや、最近の生活を考えるとゲームみたいな生活してただろ僕。

まずは街を探索!僕の隠れスキル【迷いロスト・パーソン】のおかげで全く進みませんでしたね!

次に冒険!熊とか鹿とか人の大きさくらいあるカエルとかと戦いました!コレは成功ですね!

そして無人島生活!これは開拓物的なゲームみたいな感じですかね!生き抜くのが精一杯でしたけどね…ああ、思い出すのもしんどい。

更には武術祭!何でもありのバーリトゥード!これは格闘ゲームですね!うん。2Dの横スクロールでコマンドを入力する感じの客観的視点じゃないならお呼びじゃないことがよくわかりました!もういやっす!

止めのドラゴン戦!出発の時にファ〜ファ〜↑って笛の音が聞こえて来そうな感じしますよね!うん。二度とごめんですよ〜。

はい。回想終了です。ゲームで考えるのやめようか!ダメだ!僕のここ数ヶ月の生活ゲームよりゲームだわ。

違う前世の趣味…。

ああ、あれだ。大学の時と社会人になってからもやっていたダーツがあるじゃないか!

大学の友達が異常に上手で負けたくなくて半日近く指がボロボロになるまで投げ続けてたこともあったなー。社会人になってから復活したらうちの支店で相手してくれる人居なくなったり…。

そうだ!ダーツにしよう!地図に向かって投げれば目的地を決めることもできるもんね!

名前はそうだな…厨二臭く行こうか!【遊技盤フェゴ・ディ・メサ】とかにしてみよう。

設定ももりもりで行こうか!

今までの魔法は僕から敵に対して直接的に作用するものしかなかったからな。

まずはここから考え方を改めていこうじゃないか!

まずは〜ダーツは距離が変わると感覚が変わってしまって狙い通りに刺さらないから自分とダーツ版の距離と高さは一定の距離に座標固定することにしよう。

そんでもって、敵にはどうやって攻撃しようかな?

やっぱりかっこいいのは地面から槍が突き出してきたらかっこいいな〜。

剣でもいいけど、槍のほうがいつもやってるからイメージしやすいなぁ…そうしよう。

それはそれとして攻撃をどんなふうにするかが大事だな。

ダーツで一般的なゲームと言えばゼロワンとクリケットとカウントアップか。

カウントアップは単純に点数を重ねるゲームで叩き出した数値だけダメージを与えられるのはどうだろうか?

ただ、ダーツは一回で3本の矢を投げカウントアップはそれを8回…?

これやってるときの僕めちゃくちゃ無防備なんじゃないか!?

そもそもダーツを投げて攻撃するって事自体が無謀なのか?いや、でも諦めない!なんか諦めたら負けた気がするから!

じゃあ、クリケットはどうだろうか?陣取り合戦に近いゲームなのだが…コレは…応用できないなぁ…。

最後はゼロワンか…。

相手の体力を削りきってゼロにできたら強制的に僕の勝ち!

これめちゃくちゃ強くないか!実際にできたら僕最強なんじゃないかな?やっぱり僕は天才なのかもしれない!いいぞ!この調子だ!ふぅ〜!

うん。一旦落ち着こうか…。

ヒスイを想定してやってみようか…。

ヒスイのHPが数値化できるのであれば…あれば?

うん。僕が前世でクリアできたのって1101が最高だよね?1501って後ちょっとのところでダメなんだよなー。削りきれる気がしないんだよなー20ターンあっても。

エドガーさんはどうなるんだろうか…?

これ…ダメじゃね?20ターンとかもう不可能だろ…。想定としては投げている時にヒスイ守ってもらいながらになる予定なんだけど…さすがにコレは無理だろぉ…。

1ターン分なら守ってもらえそうかな?守ってくれよヒスイ君…。

ルールを決めよう。そうしよう。

投げられるのは1ターン分の3回のみ。

奇数と偶数で属性を変えて攻撃。ささったポイントと同数の槍が地面から生えてくるのはどうだろう?いいだろ!ダブルとトリプルは元の数値の属性を引き継いで数をそのまま2倍と3倍に!

ブルの時はかっこよく2属性同時なんてどうだろうか!うんうん。かっこいいよ〜!

実際に使ってみてどんな感じなのか試したいところだけど。

外を見るといつの間にか太陽が登っていた。なにかに没頭しているときってのは時間の経過が早いものでいつの間にか時間が経っている。

「エル君起きてる?ってあれ?起きてる」

「おはようエーシェ。ところでいつもこんな感じで入ってきてるの?」

「そうだけどどうしたのよ急に」

こいつ前に部屋に入る時はノックしろとか言っててくせに自分で実践しないとかなかなか…。

「ほら、朝ごはん食べに行くわよ」

「はーい」

エーシェの後について部屋を出る。

今日の馬車移動が終われば王都だ!

王都ってどんなところなんだろうか?お城はどんな感じなんだろう?王城の回りの町並みはどうなんだろう?ああ、楽しみだなぁ〜。



【王都編③〜これ、自分じゃわかんないじゃん!〜】最後までお読みいただきありがとうございました!

今回の話はエルくんの頭の中だけでぐるぐるとこねくり回しているだけだったんですけど、こういう回も今後のために必要だったんですよ〜。そういうことにしておいてください。

次回からついにエル君たちが王都に到着します!さてさて、どうなっていくんだろう?ほんとにどうなるんだろ…。

【次回予告】

エー「寝てるわね」

ヒスイ「ぐっすりだね」

エー「えい!」

ヒスイ「足と腕を組ませてそんな寝にくい態勢にしたらさすがに…起きないね」

エー「えい!」

ヒスイ「鼻をつまんだらさすがに…起きないね〜」

エー「もう何しても起きないんじゃないかしら?」

ヒスイ「次は何するの?」

エー「え~い!」

ヒスイ「ちょ!それはさすがに起きちゃうって!あ!そうだった!次回【王都編④〜よっしゃ!買い物だ!〜】お楽しみに!」

二人「「…起きないね」」

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