直接依頼来る!⑧〜とりあえずカンパーイ!〜
風龍のヒスイが仲間になった!
ヴィジェが三人になって初めての日常編です!
「「「とーちゃーく!!」」」
山の北の森から山を越えて森を抜けて…と特に何もなかったのです。とりあえず到着です到着。
ちなみに何もなかった理由をヒスイに聞いてみたところ…。
「なんか僕がいるとみんなどっか行っちゃうんだよねー。この姿だといつもよりましなはずなんだけどね」
さすがドラゴンさんぱねぇっす。今度なんかの討伐依頼があった時は別行動でお願いします。
あ、でも僕ができない探索魔法使えるのはありがたい…ぬぬぬ…。
「とりあえず早く帰りましょ私眠いんだけど」
うん。おかしいね。君たちはあの後持ってきていた葡萄酒を全部飲み干して気持ちよさそーに寝てましたよね?それ僕が確認してるんで間違いないっす。
そんでもって朝までぐっすりでしたよね?僕近くに何か来ないかをずっと見張りをしながら外で待ってたんですよ?眠いはずないよね?何でさ!!
「僕も久々に歩いたから疲れたよー」
うん。そうだねー。きみ途中からめんどくさいからって言って空中を浮き始めたよね?
反重力魔法なのかどうなのかすごく気になって聞いたんだけど「普通の浮遊魔法だよ」って答えられてちょっと残念だったんだから。ん?待って今考えたら浮遊魔法って実在したんだ…。後で教えて!
「じゃあ、今日はそのまま帰っちゃう?」
僕は空気を読んで最善解を選択した。はずだった…。
「だめよ。ちゃんと報告しなきゃ」
おい誰だよ早く帰りましょうって言ったやつ…。
リーダーの言うことには逆らえないので冒険者組合に向けて移動を始める。うん。僕悪くなかったはずなんだけどなぁ…。
「こんばんんは!依頼終わりましたー」
うん。やっぱり誰も居ないね。僕以外所属してないもんねここ…。
「お疲れさまです。じゃあ、お父さんの方に報告をお願いします」
エリーさんに案内をされながら組合長室に入る。
「ご苦労さん!じゃあ、今回の依頼の報告を頼む」
書類の山に囲まれているエドガーさんが書類に目を通しながら話している。マッチョと書類って合わねぇ…。
「エーシェよろしく」
めんどくさいことはリーダーからお願いしまーす。
「えー?ヒスイよろしく」
あ、こいつも投げやがった。
「えー?二人共良くないよそういうの。まぁ、いいか…。はじめましてヒスイでーす」
「誰だ?」
そうですよね。うん。エドガーさん正解!
「ヒスイくんや…今回の依頼にいついての報告だよ?」
「あ、そっか!今回の討伐対象の風龍だよー!エル君にヒスイって呼び名をつけてもらったんだー」
「ふむ…そうか…ん?…はぁ!?」
いい感じの反応ありがとうございますエドガーさん。
「ちょっと待て、たしかに入ってきたときに3人だったからおかしいなとは思ったんだがえっとこういう時は…エルドナス説明を頼む」
最初から僕が説明すればよかったかぁ…。
「今回の依頼の対象の風龍がここにいるヒスイです。僕らは予定通りに山を越えて山の奥にある森に到着して拠点を構えて休憩を取っていたところに風龍がやってきて、色々あって彼に気に入られて今に至ります」
以上僕の精一杯の説明でした☆
「なるほどわからん!エーシェどういうことなんだ?」
だめだったかぁ〜。
「ほとんどエル君が言ったことに間違いは無いですよ。しいていうなら、ヒスイにあった私達はヒスイに精一杯の攻撃をして戦ったんですけど力及ばずもうダメだって思ったときにヒスイから仲間に入れてよって言われたんです」
うん。そうだったねー。昨日のことだけどもう思い出だね。
「なるほど…やはりわからん。そこにいるヒスイという子が本当にドラゴンなのか?」
「えーおじさん疑うの〜?ここで元に戻るか…」
「「だめ!!」」
「おじ…おじさん!?」
あ、エドガーさん引っかかるところそこなんだ。
ちょんちょんとヒスイの方を叩いて耳うちをする。
「ヒスイくんや。この人は単身でドラゴンを討伐するほどの人だから何か言ったら拳が飛んでくるよ?」
「え?やばい人じゃん」
おいこらせっかく小さな声で話していたのに大きな声でそういう事言うんじゃないの!
「それで?どうやったら信じてくれるの?」
「信じろと言われてもなぁ。体の一部分だけ元に戻すとかできんのか?」
いやいや、そんなことさすがのドラゴンさんでもできないでしょ〜。
「できるよー」
できるんかい!
「ほっ!」
そんなちびが最強戦士へのパワーアップするみたいに簡単な掛け声で変身ができてるぅ〜。
ヒスイの両手と両足が緑色の鱗に包まれ手には鋭い爪がそして後ろには緑色の尻尾が生えていた。器用だな。
「ドラゴン特有の鱗の光沢とドラゴンが人化した際の戦闘形態か。噂には聞いたことがあったが本当に見ることができるなんて思ってみなかった。お前ら三人の言い分を認めよう」
へーこれってそんな意味合いがあるんだ〜。知らなかったー。
「それで、ヒスイはもう我々に対して敵意は無いと考えていいのか?」
エドガーさんはいつになく殺気を込めた感じで話した…あ、この前喰らったか?まぁいいや。
「そうだね。少なくともこの二人と一緒にいられるあいだはね」
ちょっと不審なこと言うのやめてくれないかなヒスイ君?
「そうか。なら、今回の依頼は達成したということで王国には報告しておくからお前らは今日はゆっくり休め。これからいろいろと忙しくなるだろうかな」
「「「はーい」」」
この時僕らはこの言葉の意味をあんまり深くは考えなかったんだけど、これちゃんと忠告として聞いておけばよかったと数日後に後悔したりしたんだよね…。
「じゃ、帰ろうか」
「「さんせーい」」
冒険者組合を後にして三人で家に帰ることに。
「そういえば、僕らあれだ。家に何も無いんだけど?」
「あ、そうね…。どーしよっか?」
「僕お酒のみたーい!」
そうするとあれだ…今日はテイクアウトですね。
「ターシャちゃんのお店で食べたいものをお願いして持って帰ることってできるかな?」
「そうね。今から帰るのはさすがに嫌ね」
エーシェさん?あなたこの前「私料理したことないのよ。する気もないけど」って言ってましたよね?ご飯当番というか家事担当は基本僕ですよね?いいんですけど。
「僕は料理とお酒が美味しければなんでもいいよー」
ヒスイくんは天使なのかな?いつも作ってる側からすると最高だよ。何作るか迷ってる時じゃなければね!
ターシャちゃんのお店に相談をしに行くと店長さんが快く引き受けてくれた。
ただ待ってるのも暇だったのでエーシェとヒスイはそのまま帰らせて料理ができるまでの間少しだけお店を手伝うことにした。
何回も来ているとはいえメニューの内容を全部食べたことあったし全部覚えているとは思わなかった。
ターシャちゃんが注文をとってくれて出来たものを僕が運んでいくという付け焼き刃の連携だったが何とかなるものだった。
料理を受け取るタイミングで注文をしていないお酒が追加されていたので聞いてみると手伝ってくれたお礼だということで受け取ったのだが、これが間違いだったのかもしれない。
「あ、そーだ。あんた人が足りない時手伝いに来てくれないかい?ターシャも懐いているし今日の動きを見ている感じ問題ないから」
おっとまさかのバイトの勧誘です。
丁寧にお断りしようとしたところ…。
「これも持って行っていいから頼むよ」
「これは?」
「西の国で作られた米で作った酒らしいよ。甘いんだけどキリッとしてて飲みやすいんだよ。ダメかい?」
米を材料にしたお酒……それ日本酒ですか!?SAKEってやつじゃないですか!?大好物なんすよ!
「ひ、暇な時だけですからね?」
こうして簡単に買収された僕はワインを2本と日本酒のおそらく4合瓶とご飯をいただき帰ることになった。
ちなみにこの時僕らが持ち帰りするのを見ていた他の職業の人達が店長にお願いしたこともありターシャちゃんのお店は弁当も販売することになったとか。
「ただいまー」
「「おそーい」」
いや、僕に文句言われても…。
お店で買ってきた料理を机に広げてグラスにワインを注ぐ。ヒスイ用のグラスはまだ用意していなかったからお客さん用で申し訳ないけど…。
「ひとまず、今回の依頼は無事達成と僕らの新しい仲間であるヒスイ君の歓迎会を始めたいと思いまーす。ではエーシェから一言お願いしまーす」
「え?なにそれ聞いてないんだけど!」
「まぁまぁそう言わずに」
「えっと…そうね。今回の依頼はとても大変なものだったけど、最終的にはヒスイも仲間になったし良かったってことにしましょうか」
「では、次はヒスイ君乾杯の挨拶をお願いしまーす」
「え〜?僕も?えっと〜…とりあえずカンパーイ!」
こいつめんどくさくてテキトーな感じで流したな?まぁ、お腹へってるからいいけど。
今日の晩御飯のメニューは…。
肉と香草などを閉じ込めたパイ
きのこと野菜を牛乳で煮込んだスープ
あとは僕がお願いしていたおにぎりとちょっとしたおつまみが数品
とまぁ、けっこう豪華な感じになりましたの。ワインを飲むにはちょうど良さそうですね。
みんなで取り分けながら食べ進めること十数分。
「だ〜か〜ら〜」
エーシェのいつものやつが始まり始めました。
「エル君エル君!エーシェどうしちゃったの?」
「コレが通常運転だから問題ないよ。こうなった時が一番面白いから話しててごらん」
「へーそうなんだ」
素直に僕の言葉を聞いてエーシェと話し始めるヒスイ君。ごめんね僕がこうなったエーシェを構うのがめんどくさくて君に押し付けただけなんだ…本当にごめん。
さて、ヒスイが酔いどれエーシェの相手をしている間にさっきもらった日本酒を楽しむことにしますか!
冷やしているわけではないので常温でいただくことにします。
たしか常温にしたものは冷やと呼ばれていたと思ったけどどんな日本酒がいいんだっけかな?
まぁいいや。
口に含むとフルーティーな香りが鼻をついて広がる。
これはそれほど甘い種類ではなく辛口の日本酒らしい。ああこれ塩っ辛いおつまみ食べたい。
カバンに残っていた干し肉を取り出してかじる。うん。コレくらいがいいね!
「あーエル君なんか葡萄酒と違うの飲んでる!ずるーい僕も飲むー!」
ヒスイに僕の飲んでいた日本酒のコップを奪われてしまう。
「わぁ!なにこれ!初めて飲んだかも!エーシェも飲んでみて!」
ああ、ちょっとちゃんぽんするのは良くないと思うんだけど…これ以上飲むとあまり良くないよ思うんですけど…。
「ほんとだー。これおいしー」
さぁ、どうしましょうかね…。
これは後で大変なことにならないといいんだけどなぁ…。
こうなったらヒスイくんにお願いしよう。
「ヒスイ。君がコレをエーシェに飲ませたんだ。あとは任せたよ。ちびドラゴン形態になってでもなんとかしてくれ」
「え、嫌なんだけど?」
「だ・め・で・す」
お前は普通に飲んでもなんとかなるんだろうけど、その子は…だめなんだよ。弱いんだ…。
「ほ〜ら〜ヒスイ〜?聞いてるの〜?」
始まった…。
「じゃ、僕は満足したから寝るね!おやすみ!」
しゅたっと手を出して挨拶をして自分の部屋に移動する。
さて、任せたよヒスイ君。
「エル君おやすみー」
「うわぁ、エーシェ抱きつくの辞めるって言ってたのに何で抱きつくの!?」
「ふふ〜。これはこれで…」
さて、早速地獄絵図になってそうですけど、無視無視。
自室に戻り布団に入ってまぶたを閉じるとすぐに朝になっていた。
下におりて見るとちびドラゴン化したヒスイを抱きながら床に寝ているエーシェを発見した。コレはまた気持ちよさそーに寝てますねー。
「おはようヒスイ。これに懲りたらエーシェにホイホイお酒を渡さないでね?」
「はい。ごめんなさい」
弱い週百歳のドラゴンを叱っているというわけのわからない状況…。
さぁ、朝ごはんの準備を始めますか!
【直接依頼来る!⑧〜とりあえずカンパーイ!〜】最後までお読みいただきありがとうございました!
いつのまにか定着したエーシェの酔いどれキャラなのですけど、何でこうなったんでしょうか…。
日本酒が登場したのは単純に僕の趣味なのですが、最近は家で飲みながらお話を考えているので日本酒は飲めていないですねー。クイッと行きたいですね〜。あー居酒屋行きたい。
さて、今回で直接依頼編は終了です。次回からは長編(になる予定)の王都編となります。
もともとは王都編を仕事中にふと思い付いたことから書き始めたこの物語でしたので一番気合が入りますね!ぜひお楽しみに!
【次回予告】
エル「エーシェ飲みすぎていたけど大丈夫なの?」
エー「大丈夫よ。寝て起きればなんとかなるから」
作者「若いっていいなぁ…」
ヒスイ「まぁまぁ、僕に比べたらみんな若いよ」
作者「君は人じゃないからねー…」
ヒスイ「次は僕達何するの?」
エー「私は嫌よ」
エル「さて、旅行の準備だね!」
作者「じゃ!次回【王国編①!〜くっそ、やっぱり嫌いだ!〜】お楽しみに!!」




