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直接依頼来る!②〜昔取ったなんちゃらって言うよね〜

エドガーから伝えられた直接依頼の内容はドラゴンの討伐または無力化。

ちょっと曖昧なこの依頼に対してエル君はどうするんでしょうか?

「だ、第一回ヴィジェ緊急会議!!」

「どうしたの急に?というかその名前久しぶりに聞いたわね」

そうだね~きっとチーム結成のとき以来使っていないのでこの名前を僕も忘れかけていたわけなんですけど、そういうことじゃなくて!

「ドラゴン討伐依頼ですよ?会議するでしょ!」

うんうんとうなずくエドガーさん。いやいや、あんたのせいでこんなことになってるんですよ?わかってます?

「準備は大事だな。俺の経験上準備を怠ったものほど早く死んでいたっからな」

はいそこー!怖いこと言わない!

「そもそも、まだ受けるかどうかも決まってないですからね!」

「ぬ?やならいという選択肢があるのか!?」

いや、十二分にありえるでしょ。

「ちなみに報酬はどのくらいなんですかエドガーさん?」

こ、こいつ…報酬次第では受けるつもりだな?

「今回組合から出せる金額は少ない…が!」

「「が?」」

「昔俺がドラゴンを討伐したときの報酬は王国から直接支払われてな…そのときはそうだな…確か3000万くらいだったかな?」

「やりましょうエル君!いえ、殺るのよエルドナス!!」

この守銭奴め!!

「勝算が無いならやらないよ!」

「意外となんとかなるもんだがな?」

「化け物は黙っててください!」

「ば、化け物だと!?お前俺をそんなふうに思ってたのかよ〜。辛いわぁ〜」

これでエドガーさんは静かになってくれたので、会議に集中することができますね。

「はいエーシェは戻ってきてねー。目がお金になってるよー」

報酬の金額を聞いたときからもうそのことしか考えられませんって顔になってやがるこいつ…。

「はっ!聞いてるわよエル君えっとなんだっけ報酬を何に使うかでしたっけ?」

「違うぞー?話戻していいかな?」

「ごめんなさい。想像以上の金額でちょっとびっくりしちゃっただけよ」

「まず、この依頼を受けるかどうかなんだけど…」

「受けるでしょ?」

「だからなんでそんなに即決できるのさ!」

「なんのために私達はこの家を買ったの?この村で冒険者をやっていくからでしょ!そして私達に直接依頼が来たってことは他に宛はエドガーさんくらいしか無いのよ。なら受けない理由が無いじゃない」

完全に自分たちのことだけを考えてどうするかを考えていたわけだが、なぜ僕らにこの依頼が来たのかを考えていなかった。

言われてみればエーシェの言っていることのほうが正しい気がする。

「それに私のことはエル君が守ってくれるんでしょ?じゃあ大丈夫じゃない!」

「それ、僕はどうなっちゃうんでしょうね?」

「だからこその会議でしょ?ほらほらお得意の新技考えていくわよ〜」

いや、別に得意ってわけではないんだけどね?うん。たまたま思いついてるだけだから…。

「と、いうわけで受けることにしますからエドガーさんも帰ってきてくださーい」

ぶつぶつ言いながら床に指で何かを書いていたエドガーさんが僕の言葉を聞いて機嫌を戻してくれた。

…ちょっとまってその文化こっちにもあったの?あ、でも筋骨隆々のおっさんがやってもモザイク必要なんでもうやめてくださいねー。

「受けるのはいいんですけど、情報が少ないので対策も何もないなって思ったので、情報ください」

元気を取り戻したエドガーさんは腕組みをしながらどっしりと椅子に座る。その椅子壊れそうなのは気のせいかな〜?

「お前なぁ…情報って言っても何がほしいか言ってくれないと俺もわからんぞ」

「とりあえず!わかってること全部で!」

「今回の依頼は討伐もしくは無力化と伝えたな。それは今回のドラゴンの種類が関係している」

ドラゴンの種類によって変わるんだ…なにそれ??

「今回は知能が高いとされている風龍(ヴィエント・ドラゴン)だ。俺が昔戦ったのは炎龍(フェーゴ・ドラゴン)氷龍(イェロ・ドラゴン)だ。こいつらは風龍に比べて好戦的で一度暴れだしたら国が滅んだなんて話もある奴らだから基本的には討伐のみとなるが、風龍は違う」

「エーシェなんでか知ってる?」

「風龍は知的好奇心旺盛で興味を持ったことにしか動かないという話を聞いたことがあるわね」

エーシェすごい!ものしりだね!

「そうだ。そのため、稀に風龍は話し合いで解決することもある。数百年も前の話だが、龍自身が国というものを知りたいと言い出して守護をしていた国があるそうだ。その国はすでになくなっているが記録に残っている」

知的好奇心が旺盛なドラゴンって何だよ。

「だが、戦闘になる可能性は高い。十分に準備したほうがいいと思うぞ」

そりゃそうだ。

「ちなみに…エドガーさんはどうやってドラゴンを倒したんですか?」

「炎龍のときは大人数で戦ってなんとか仕留めたが、氷龍のときは最後は俺しかいなくて属性付与アスィグネーションを使ってぶった切った」

わー全く参考にならない。ありがとうございましたー。

「ということで、新しい技を開発していきましょう!」

「エル君。聞いておいてそれはひどいと思うわよ。ほら…エドガーさん見て」

おじさんしょぼくれるなよ…。あなたはドラゴンを一人でも倒せる英雄でしょ?なんでメンタルそんなに弱いの。嘘じゃん。

「はい。じゃあ、まずえーシェの魔法の強化から!」

「え?私?」

「そうだな。今回はふたりともレベルアップしないとな」

復活も早いのね。

「それで、思ったんですけどー。僕が苦手なあれの解説をお願いしますエーシェさん」

「あれって何よ」

「構築式です〜。あれほんとによくわかんないんだよね。なんであれで魔法使えんの?」

「普通逆よ?ね、エドガーさん」

「そうだな。俺も構築式を暗記して使えるようになったからな」

そういうもんなんすね…。

「えっと、まず火弾(フェーゴ)火槍ランツァ・ディ・フェーゴの構築式をここに書いてほしいんだけど」

エーシェは差し出した上にサラサラ~と円を基準とした構築式を書いてくれた。よくコンパスもないのにそんなにきれいな図が書けるね。

「できたわよ」

「これってどこがどの意味を表しているかわかる?」

「知らないわよ」

ですよねーみんな丸暗記ですもんねー。

「ちなみになんでそう思ったんだ?」

おじさんがマジな顔して質問してくる。え、ほんとにみんなこれのこと暗記すれば魔法が使える様になる図形としか考えてないの??

「僕はこれを使っていないからだと思うんですけど、これってきっと部分ごとに意味がある図形なんですよ。今回わざと同じ属性で違う形になるものをお願いしたんです。そしたらここを見てください」

僕が指を指したのはそれぞれ3つに別れた中心部分。

「同じ図形ですよね。きっとこれは魔力を炎に変換するためのものです」

「「確かに…」」

マジで言ってんのこの人達!?見りゃわかんじゃん。

「エーシェは今書いてたけど気が付かなかったの!?」

「いや、そういう覚え方してなかったから。誰もしらないと思うわよ?」

そういうもんなんですねー。はい。じゃ、いいです。

「そうすると内側から二番目の部分と三番目の部分はきっと形に関してとその魔法の操作についての図形だと思います。この2つの魔法の違いはその部分なので」

「どういうこと?」

「火弾は杖にくっついた状態でエーシェは杖を振り回して発射するでしょ?それに対して火槍は任意の方向にもともと発射するじゃん。ぜんぜん違うよね」

「「確かに…」」

本日二度目のハモリだね!仲いいじゃん!!

「と、言うことは?」

「わかんないわよ!全部言いなさい」

はい。すいませんでした。

「発生させる場所と必要な魔力に関しては使用者が選べるってことだよね」

「「確かに?」」

あ、これわかってないな…。

「つまり、魔力を極端にたくさん与えればめちゃくちゃでかいのを相手の頭上からどかーんって落とせるってことなんじゃないかなってこと!!」

「そんなことが出来るの!?」

エーシェがかなり驚いた様子で立ち上がる。

「あくまでも可能性の話だからね?不可能かもしれない。どこかにこの図形の意味がわかる人がいたら別の話だけどね」

「そ、それもそうね」

「じゃあ、後で訓練場で試してみるか!」

そっすね。それがいいと思います。

「じゃあ、次は僕の番なんだけど……なにかいい案ありませんか?戦ってる最中だと思いつくんだけどねー」

「お前この前やってた火と光の矢が交互に飛んでくるやつその場で思いついたのか?」

「はい♡」

あれ?急に二人との心の距離を感じるぞー?

「もうあれじゃない?相手をぐるっと囲んで一気に中心に集めてみたら?」

「エーシェもえげつない事考えるな…だが全方向から一気に来たら俺もきついかもしれんな」

そっか…そんな方法があるのかー。ちょっと考え方を変えれば行けるか??

「言っといてなんだけど、これができるとか言われたら呆れるわね」

「間違いないな。ハッハッハ!」

そんな調子で二人は笑い始めたのだが、エドガーさんもきついとか言ってるやつを考えないわけないじゃん!

「今までは対象に対しての角度だけで考えていたけど、相手を取り囲むとなるとそれを何重にも考えなきゃいけなくなるから……」

「エ、エル君?冗談のつもりで言ったのよ?本気にしないで?」

「そんなもんできたら王国の魔法師団も卒倒するぞ?」

「そうか…座標軸で考えれば…エドガーさん!!」

「お!?急になんだ?」

「ドラゴンの大きさって何メートルくらいですか?」

「メートル!?メートルかぁ…風龍は他のに比べて小さいからな4メートルくらいだったはずだぞ」

「そっか、それなら半径を2メートルとして、xyzの座標点と中心との距離を2と考えれば三平方の定理でいけるな」

「エル君が壊れた…呪文を唱えはじめた」

「お、おい?大丈夫か?」

「計算するから紙ちょうだい!」

半ば奪い取る形で紙をもらい計算をはじめる。

「な、なぁ、エーシェは頭いいだろ?これ何やってるかわかるか?」

「計算してることは分かるんですけど、何をやっているかまでは…」

(30分後)

「できた!!」

考えることを諦めお茶を飲み始めていた2人がお茶を吹き出す。

「ほ、ほんとにできちゃったの?」

「嘘はつかなくていいぞ?計算頑張ってたもんなぁできたって言いたくなったんだよな?」

急に優しくなるおじさん嫌いだわー。

「じゃあ、エドガーさんめがけて練習していいってことですよね?」

急に首をすごい勢いで振るエドガーさん

「よし、じゃあ組合の練習場の的使っていいから今から行くぞ」

あ、逃げたなこの人。

3人で練習場に移動し早速先程考えた新技を試してみることにする。

「よ、よーし。この的を狙ってみろー」

用意された的を中心に魔法を構築する。

【属性:光】

弾数:1

座標:(0,0,2)

弾の特性:1秒後に49個に分裂し固定した座標に移動。その1秒後に中心に向け移動。

全方位弾発射!!

ひゅっと音をたて矢が飛んでいく。的の上空2メートルの位置で止まり一秒後に一気に分裂しその後中心の的をめがけて飛んでいった。

「え、ほんとにできちゃったの?どうやったの??」

「これね…計算めっちゃしんどかったのよ。聞いてくれるの?」

若干エーシェが引いているような気がするけど、喋りたいので喋ります。エドガーさんは帰ってきませんので放って置きます。

「あれね。まず、最初に射ったやつの位置を固定してそこから分裂した弾にね位置を…」

きっと説明で10分くらいぶっ通しで喋ってたと思う。

途中からエーシェがついてきてないのわかっていたけど喋っちゃったよね。

すっごく長くなるのでもう一回説明してなんて言われたら嫌になるんですけど…僕頑張ったよ…。

とりあえず大学受験のときにたくさん勉強したサインとかコサインとかを駆使しながら頑張りました。

「お、おう。これなら大丈夫なんじゃないか?」

エドガーさんはやっと正気に戻ったと思ったらこれなんですよ。感想が薄いなぁ。

頑張ったんだけどなぁ。

【直接依頼来る!②〜昔取ったなんちゃらって言うよね〜】最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は割とエドガーとエーシェのキャラが壊れていたような気がしますが…まぁ、こんなもんでしょう。

ちなみに…エル君の新技ですが…本当に全部の弾の座標位置を計算しています。本当は載せたかったんですよ?でも、どう見ても読みにくい!ということで全部カットしました(´・ω・`)

途中でルートフィーバーになってくれて近似値使ってなんとかしました。(√6+√2)÷4が出てきたときは一人で部屋で「メンドクサ!!」って言ってました。残念ながら49個の座標は全部封印ですね。

最後に…ヴィジェってチーム名はなんと【旅立ち!目指せ冒険者!⑤】から一回も出してなかったです。作中の時間で行くと約4ヶ月ぶり…。

【次回予告】

エドガー「あーあ。的が粉々になってる…」

エーシェ「次は私の番ね」

エドガー「これ壊されるともう無いんだけど…」

エルドナス「やっちゃえエーシェ!」

■■■「チラッ」

作「こら!出ちゃだめって何回目だよ!次回【直接依頼来る!③〜準備の時間がなんだかんだ言って一番楽しい〜】お楽しみに!」

■■■「お楽しみに〜!」

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