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祭りだ!⑧~達人達人また達人~

二回戦にコマを進めたエルドナスを待ち受けているのはさらなる達人だった。

さてさて、今回はどうやって切り抜けるんでしょうね?

エーシェとエル君の関係に進展(?)もあったりするのかな?

「ほら、治療終わったわよ。ところでる君は次の相手知ってるの?」

「いや~知らないよ?」

「次の相手はシドーって名前らしいわよ」

「へー。ブドーと似てるね。もしかして兄弟だったりして」

「その通りよ。シドーはブドーの兄で槍の達人らしいわよ」

「まじかぁ…」

「じゃあ、勝って賞金かっさらってきなさい!」

こいつ…ほんとに金のことしか考えてないな…許さん。

「「うおぉぉぉぉぉぉーー!!」」という歓声が響きほかの試合が終わったことがわかる。これで3回目の歓声だから一回戦の全試合が終わったようだな。

コンコンというノックの音がして係りの人が呼びに来たようだ。

「エルドナス選手。時間になりましたので、移動をお願いします」

「わかりました。じゃ、もういっちょ勝ってくるわ」

「行ってらっしゃいエル君」

係りの人についていき、再びステージの上に上がる。対面には先ほどと同じ格好をしているが辮髪のような紙型の男だった。ねぇ、中つ国でもそれはやってるの?僕はなかなかいかしたセンスだとは思ってるけどやりたくはないなぁ…。

「弟が世話になったみたいだな。弟の仇はうたせてもらうことにしよう」

うん…君の弟はなかなかユニークな人だったね。爆裂大好きだったもんね。

「こちらこそよろしくお願いします」

『さぁさぁ、武術祭も2回戦を迎えました!今回も各選手の紹介をさせていただきます!まずは西側!彼の操る槍に死角はないのか!彼の絶対領域に入ったが最後、どんな攻撃もはじかれてしまう!いったいどんな修行を続けてくればこんなに強くなれるのか?一回戦では一歩も動かずに勝利を収めた槍の天才シドー選手ぅぅぅぅぅ!!!』

一歩も動かずに…勝利…だと?え、めっちゃ強いじゃんやだやだ…。

『続いて東側!彼は素手でも強かった!エドガーさんっも見たことの無い体術を使う謎の少年!武術でも強い少年は剣を握ったらもっと強いのか?少年はさらなる高みを目指して技を磨いていく!今大会一番の破天荒エルドナス選手ぅぅぅぅ!』

破天荒ってなんだよ…ひどいなぁ。

『二回戦第一試合…開始ぃぃぃぃぃ!!!!』

試合開始のアナウンスとともに銅鑼がぐわ~~~んと鳴った。

ブドー同様に距離を取りながら戦うことにしたいのだが、さっきの話を聞く限りおそらくこのシドーは兄のブドーのように攻めてくるようなタイプには思えないなぁ…。ってことは攻めないとですよねー。

「行かせていただきます!」

「ほぉ…来てみろ!」

今回は持たせてもらえた木刀握り間合いを詰めていく。

相手の半径2メートルくらいのところだろうか?入った瞬間に悪寒がしたのだった。何とも言えない…ただぞくっとしたのだった。

再度距離をとる。この悪寒の正体はきっとおおそらくこのシドーから来るものだ。

「ふむ…よく気が付いたな。いい勘をしている。お前が先ほど引いたのはちょうど私のこの槍の攻撃範囲内だ。その範囲内ならば私は最強なのだ」

「へぇー…最強ねぇ…」

さて、そろそろ解説で攻略法を教えてもらえそうですかね。

『出ましたーシドー選手の絶対領域だぁぁぁぁ!槍の届く範囲の敵を逃すことの無いその槍さばきはまさはまさに神業なのかぁぁぁぁ!?解説のエドガーさんいかがでしょうか』

『そうですね。あの槍術は守りにも攻めにも転じることができるところを見ると相当厄介そうですね』

『エドガー選手ならどうしますか?』

『私の場合はそうですね…とりあえず槍を壊しますかね』

何のあてにもならない解説をありがとうございます!!

「その待ち受け攻撃は最強って言ってましたよね。攻撃を全部撃ち落すってことなんだから…撃ち落せないほどの攻撃をすればいいんじゃないですかね?」

「ほぉ…やってみろ」

シドーとの間合いを詰めていく。さて…そろそろ相手の間合いに入るんですけどどうするかなぁ…。そうだなぁ一旦飛んでみようか?

間合いの外側から飛んでシドーのもとに向かっていく。

空から落ちながら木刀を構え無数の突きを放ったのだが…。

カカカカッ!とすべての突きを木の槍の中心で突き返してきたがった。

「ちょっと、これは計算外かなぁ」

「ふん。甘い!甘いぞエルドナス!貴様の剣技はこの程度か!」

最後の突きの勢いを利用して再び間合いを取り策を考える…勝てんのかこれ…?

『す、すごいぞぉ!!なんだこの攻防はぁぁぁぁ!エルドナス選手の攻撃もすさまじかったがそれを守り切るシドー選手の槍さばきも圧巻だぁ!どうですか解説のエドガーさん』

『双方素晴らしい技術ですね。次はどのような物を見せてくれるか楽しみですね』

ただ…まぁ…もう策はないんだけどねぇ…。しょうが無いですね…。

「シドーさん…あなたこのままずっと動かなつもりですか?」

「何?」

「動かなくても倒せるのであれば動かなくてもいいですもんね。でも、自分から攻めるのは苦手みたいですね?だって僕はこんなに無防備に構えているだけなのに一向に攻めてこようとしない。つまり攻撃は苦手だという推測に至るわけです」

「ふん。あまりにもつたない挑発だがあえて乗ってやろうではないか!このシドーが攻撃を待っているのはその必要性が無いからではない…苦手だからあえてそのような縛りを自身に課しているいるのだぁ!」

シドーが一気に間合いを詰めて寄ってくる。

「僕も実は守りが得意なんですよねー。あんな人から指導をしてもらっているおかげで守りと耐久力には自信があるんですよね」

先ほど僕がやったように無数の突きを飛ばしてくる。エドガーさんの攻撃も速かったが、これは…それより速い。

木刀でさばきながら耐えてはいるが…何度も突きをくらってしまった…。きっとこの人との戦力差は明白で、向こうのほうが確実に強いんだろう…でも負けられない戦いってのがあるんですよねー。主にお金のために…そして自分の身のために…。

負けたら絶対エドガーさんからのそれはもうひどい特訓が待っているのだからここで勝つ以外の選択肢なんてものはないんですよ。

「そこまでボロボロになりながらも立っているのは驚愕だ。賞賛を送ろう。だが、お前はもう限界のはずだ…もう諦めて降参しろ」

「そう言われてはいそうですかって言えるほど僕も諦めがいいほうではなくてですね…絶対に降参なんてしてやらない!まだ死にたくない!」

「普通…逆じゃないか?」

「いろいろとありましてね。ここで負けたら死ぬよりも恐ろしいことが待っていそうでして…」

「ふむ…だが、私も諦めるわけにはいかないのでな!行くぞ!」

槍を構えたままシドーが再び間合いを詰めてくる。何とかして相手の隙をつかなければ…相手が油断をするのは勝利を確信したとき…そして虚を突かれた時だ!

『これが最後の攻防になるのか!?槍を構えて突進してくるシドー選手!その攻撃をエルドナス選手は受けきることができるのかぁぁぁ!?そのあたりどうでしょうかエドガーさん』

『おそらくこれが最後の攻防になるでしょうな。どちらの選手の攻撃も素晴らしいが決定打に欠けています。これを解決しない限りは決着はつかないでしょうな』

決定打…決定的な隙を作るにはこれだ!!

くらえシドー!一番思ってもいない攻撃をくらわしてやっから!

『おっとぉ!?急にエルドナス選手がいつもと違う構えをし始めたぞ!?また何かする気かぁぁぁぁぁ!!そ、そして走り出したぁ!?』

僕の今回のとっておきの秘策…もっとだ…もっと引き付けてからだ…そうでなければ意味がない…対策をとられては意味がないのだ…。

「何をしようとお前にもう後は無い。このまま突き落としてくれるわ!」

「今だぁぁぁ!!」

僕は持っていた木刀を思いっきりシドーに向けて投げる。シドーは予想をしていなかった攻撃に対処するために構えていた槍を横に…防御の姿勢に変え木刀をはじく。

「それを…待ってたんだ!」

動きを止めたシドーの足下に滑り込み背後を取ってタックルをお見舞いする。

バランスを崩したシドーはそのまま片足をステージから落としてしまった。

『場外ぃぃぃぃぃ!決着ぅぅぅぅぅぅぅ!!!勝者エルド…え、何?審議?み、皆さま少々お待ちくださいませ…』

きっと僕の木刀ぶん投げ作戦が飛び道具を使っての攻撃にあたるかどうかなんだろうなぁ…。

「審議など必要ない!!!」

大きな声が会場に響いた。

声の主は…シドーだった。

「この試合に負けたのは私だ。確かにエルドナスは木刀を投げていたがそれは本来想定の範囲内の戦い方のはずだったのだ。私でもこの槍を投げることもある。戦法の一つだったのを失念していた私が悪いのだ。この勝負はエルドナスの勝利だ。それでいい」

「「うおぉぉぉぉぉぉーー!!」」

このシドーの熱き叫びに会場中が呼応するかのように叫びをあげた。

『シドー選手の申し出もあったのでこの二回戦第一勝負の勝者はエルドナスとすることになりました。ただ、金輪際武器を投げるという行動は禁止となりました。大会本部からは以上となります』

エドガーさんからのアナウンスにより、僕の二回戦の勝利が確定した。武器を投げるのってそれ以降武器が無いので割と捨て身の最終手段で悪くはないと思ったんだけど、もう禁止か…ひどいなぁ。

ま、勝利は勝利だ!優勝賞金をかっさらうまであと一勝…か。

係りの人に連れられ再び控室に向かう。

「ぎりぎり勝利おめでとー」

すごくジト目で棒読みな台詞とともにエーシェが迎えてくれた。

「なんだよー勝ったのにひどいじゃん」

「いいからこっち着なさい。何発もあの槍くらってたでしょ?」

「あ、ばれてた?やっぱり武器ってすごいわめちゃ痛いの」

「わかったからこの椅子座って」

エーシェに進められるがまま椅子に座った…のが間違いだったのかもしれない。

「エル君?なんで相手をわざわざ挑発するようなことをしたのかしら?」

「え、えーっとあの絶対防御を突破する方法が思いつかなかったから攻撃してくるときなら隙があるかなーなんて思ったわけですよ?」

「ふーん?そうなんだ…へぇー」

あ、これだめだ…エーシェさん説教モードだ…。何言ってもダメなやつだ。

「私は別に勝ってくれたのはとっても嬉しかったのよ?」

「あ、はいよかったです」

「でも、わざわざ攻撃を受けるような戦い方は良くないと思うのよねぇ」

「そ、そうですねよくなかったと思います」

「そうよねー。あなたが攻撃を受けても大丈夫なのはなんでなのかしらねー?」

「そ、それは…エーシェさんの回復魔法があるからでございます」

これは認め続けて謝罪をし続けなければ僕の逃げ場など存在しない。これはあれだ…さっきのシドーの絶対領域よりもたちが悪いぜ…。

「そうよねー?もし私が居なかったらあなたはそのケガをしたまま次の決勝戦に向かわなくてはいけないんですもんねー?」

「そうですね…反省しているのでそろそろ回復していただきたいなーなんて思ったり思わなかったり?」

「へぇー。じゃあ、一つだけ条件があるわ」

条件ってめちゃくちゃ怖いんだけど…。

「な、なんでしょうか?」

「今後…もう二度と自分からケガをするような戦い方はしないで…」

エーシェのその言葉はこれまでの僕をおちょくっているような様子は無く、小さな声で悲痛な叫び声のような重さのあるものだった。

ああ、そうか…僕は別にケガをすることに関しては何とも思っていない。体の一部が持っていかれるようなケガでもない限りケガというのはいつか治ってしまうのだ。だからケガなんてのは別に気にしていなかった。それは自分自身の問題とだけ思っていたから。

だが、問題はもう自分一人の問題ではなかったようだ。

「うん…ごめんね。エーシェ…同じパーティーを組んでいる人がケガをしたら僕も同じように思うだろうなって君の言葉でわかったよ。仲間を思うなら…そうするべきだったね」

「わかってくれればいいの。ほら…終わったわよ」

話をしている間に回復は終っていたようだ。

「次も…勝つよ…無傷で」

「わかったわ。信じる。まぁ…無傷で勝利ってのは期待しないで待ってるわね」

「えっと…そこまで信頼てほしかったんだけどなぁ…ところで次の相手ってもうわかってるのかな?」

「エドガーさん曰く決勝まで上がってくるのはアズマって人らしいわ。なんでも西の端にある国の戦士?サムライって言うやつらしいわよ?なんでも剣の達人で修行のためにここに来たらしいわよ」

最後の相手はサムライかぁ…。

「エーシェ…無傷はさすがに無理かもー」

「そこは期待していないって言ったでしょ」

さて…最後の最後は剣の達人か…あれ?周りに達人って言われる人しかいないの何なの?僕は達人でもなんでもないんだけどなぁ…

【祭りだ!⑧~達人達人また達人~】最後までお読みいただきましてありがとうございました。

ついに2勝目を挙げたエル君。これで残すところは決勝戦のみになりましたね。どうなるんでしょうね?どうなるんですかね?アズマってどんな強さなんでしょうか?楽しみですねぇ。

【次回予告】

ドッシュ『ついについに決勝になりました!剣を使った者同士の戦いになりましたね!』

エドガー『エルドナスはまだまだ県がへたくそだからなぁ…負けるんじゃねえかな』

エーシェ「ですって」

エルドナス「まぁ…事実だからこのタイトルなんだけどね」

作「ところでエル君あれほんとに使うの?」

エルドナス「まぁ…使いたくはないんだけど…ねぇ」

エーシェ「前回から思っていたけど…誰と話してるよの…」

作「フフフ…次回祭りだ!⑨~決勝です!~お楽しみに!」

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