祭りだ!⑥~開会です~
ついに始まる武術祭!
開会式で登場するのは前回の予告でも出てきたハイテンションな人!さて、今回はどんな感じになるんでしょうか?
月日は瞬く間に過ぎていき武術祭当日となりました。
これまでエドガーさんとやってきた修行の日々はところどころ記憶は(諸事情により)抜けちゃってるけど忘れたくても忘れられない。
今大会の出場者は8名で最初からトーナメント形式で行われることになった。
出場者は真ん中のステージに集められて対戦順を決めるくじを引くことになったのだった。
『それでは皆様、お待たせいたしました!今年もこの時期がやってまいりました!エリーゼの村夏恒例!武術祭を今年も開会となります!』
出場者の前に出てきたシルクハットのようなものをかぶったなんかよくわからない人が進行役らしい。なんだこの人テンション高いな…。
「「おぉぉぉぉぉーーー!!!」」
地鳴りにも似たような歓声が会場中を包み込んだ。みんな血に飢えてるんですか?この村って平和そのものだからたまにあるこういうのにめちゃくちゃ乗り気的なやつですか?
『今大会の進行と実況は今年も私ドッシュが務めさせていただきます。それでは、開会のあいさつとして昨年までの5大会連続で武術祭の頂点に輝き見事殿堂入りを果たしたこの方からいただきます。エリーゼの村冒険者組合会長エドガーさんです!』
「「うおぉぉぉぉぉぉーー!!」」
みんなノリいいな…。というか5年連続優勝ってバケモンじゃん。僕そんな人とやりあってたんだそりゃ記憶も消えますよね…ははは…乾いた笑いが出てきた…。
『ただいまご紹介にあずかりましたエドガーと申します。私は殿堂入りしたということで参加ができなくて残念ですが、今年度からは運営側として精一杯頑張らせていただきますのでよろしくお願いします。さて、本日集まってくれた8人の猛者たちにはこれまでやってきたつらかった鍛錬の日々を思い返していただいてその力を十二分に発揮して頑張っていただきたいと思います。最後に笑うのはこの中の一人。最後まで死力を尽くしていただきたいと思いますね。では、長ったらしい挨拶はこれくらいとさせていただきます』
エドガーさんのあいさつで会場のボルテージはまた上がったのだった。皆さん今日のテンションの配分大丈夫ですか?後半半分くらい倒れて死屍累々とか嫌ですね。
『ありがとうございました。それでは、ルール説明です。本武術祭では刃の付いた武器と飛び道具類はすべて禁止となっております。木製の武器のみの使用が認められます。また、強化魔法の使用も禁止となっており、試合途中でルール違反が発覚した場合にはその場で失格となり今後の大会にもエントリー不可とさせていただきますのでご注意ください』
大会のルールは聞いていた通りだけど、今後の大会の参加も認められないってのは初めて聞いたかもしれない。破る気ないけど。
『ではでは、待ちに待ったトーナメントの順番を決めるくじ引きを行わせていただきます。出場者の方々は大会への申し込み順にくじ引きを引いていただきますので、名前を呼ばれたら前にお願いします。では、最初はルーファス=エルドナス選手前へお願いします』
一番かよ…エドガーさん登録開始日にすぐ登録しただろ…いつが登録開始日か知らんけど、あの話の前だったらあの人許さん。
前に出ると穴の開いた箱が用意されていた。よくある感じだなー棒がないところを見るとあれかなボールか何か入ってるのかな?
手を箱の中に入れると丸いけど…ボールじゃない何かが箱の中に入っていた…なんだこれ…?
一つ選んで取り出すと、手にはトマトがあった…え?なんで?
『今大会もくじに使用させていただいているのはエリーゼの村の特産品であるトマトを使わせていただいております』
トマトでくじ引きって…指が当たってぐじゅってなったらどうするんだろ?トマト嫌いだからあとでエーシェにあげよう。
『エルドナス選手は1番ですので第一試合からの登場となります。ぜひ頑張ってください!では…』
ほかの選手たちも呼ばれてくじ(トマト)を引いていく。自分の順番以外は別に興味もなかったし、どんな人が来たからと言って情報があるわけではないからボーっとしてたらいつの間にかくじ引きが終わってた。
『全出場者の出場順が決定いたしました!出場者の方々は一度控室で待機していただきます。試合が始まるタイミングで係りの者が呼びに行かせていただきますので、それまでお待ちください!以上で開会式を終了とさせていただきます!』
「「うおぉぉぉぉーー!」」という歓声とともにポンッポンポポン!と花火が上がり会場はさらなる盛り上がりを見せた。
僕が係りの人に連れられて控室に案内されると、控室の前にはエドガーさん(殿堂入りした化け物)とエーシェが待っていた。
「1番を引き当てたときは笑いをこらえるのに必死だったぞ」
なんでや。なんで一番を引いたら笑われるねん。
「ところでお前…緊張してるだろ?」
「そりゃしますよ~。こんなの初めてだし、周りの人全員強そうだし」
「お前以外は自分の意思で出場を決めたやつなんだからそりゃ相当腕に自信がないとできないことだろうな」
なんでそうやってこの人は不安を煽ること言ってくるんだろうか?
「そしたら、初戦の相手なんだが…」
「運営側として相手の情報を個人に教えるのって大丈夫なんですか?」
「急にお前まじめになるじゃないかどうした?これは別に問題ない。相手には登録情報を見る権利があるからな」
そんな権利あるんだ…知らなかった。
「お前の初戦の相手はここ何年か出場している武術の達人であるブドーというやつだ。毎年何だかんだで優勝はしていないが実力があることは間違いない」
なんで優勝できてないんでしょうね~?僕は不思議でしょうがないっす。なんででしょうねー(じろじろ)。
「大丈夫でしょ別に。いかに武術の達人って言っても一か月の島籠りはしないでしょ。え、何急に?さっきのトマト?え、いらないんだけど」
やっと会話に入ってきたエーシェさんにさっきのトマトを無言で手渡す。
「僕トマト嫌いだからエーシェにあげるよ」
「ぶっちゃけエドガーさんから見て僕はブドーに勝てる見込みはあるんですか?」
「うーんどうだろうなぁ…相手は相当な使い手でだからな」
「ええー。初戦敗退は嫌だなぁ~」
「エル君優勝以外はだめよ?優勝賞金をかっさらってこないとだめよ」
エーシェさんこわいっすよ?目が笑ってない。本気だ…。
「エドガーさん…勝つとしたらどうしたらいいんでしょうか?」
それを聞いて腕組みをして悩み始めるエドガーさん。あれ、これそんなに難しい質問だったの?
「うーん。そしたら、素手で行ってみるか?」
ん?んん?ンンンンンン?
「エドガーさん?ブドーは武術の達人って言ってましたよね?それなのになんで相手の土俵で戦うんですか?」
「相手はいろんな流派を潰してきた実力者だが、異種格闘技のほうが得意らしいんだ。だったら相手の土俵で戦った方が面白いことが起きるんじゃないかと思ってな」
「えー確かに理は通ってるとは思いますけど」
「だいたい素手の相手を想定して剣を振ったことないだろ?」
う…確かに…。
「ということで、これはエーシェに預けておくか」
「え?」
さっきから急にトマト渡されたり木刀渡されたりでわけがわからなくなっているエーシェさんを見守ってたら時間が来てしまったらしい。
「ルーファス=エルドナス選手。第一試合の準備が整いましたのでご移動をお願いします」
うあぁぁぁぁ…木刀も奪われたし急に素手で戦えって言われるしでやっぱり緊張してきた…。
「おーい頑張って来いよ~。今回出てる奴らは全員俺よりも弱いんだから何とかなるって」
それ…励ましになってないっすよ?
「怪我したら回復くらいはしてあげるから勝ってきなさい」
勝つ以外の選択肢はないらしいっすね…。
係りの人に連れられてステージまで行くと再び歓声が上がった。やっぱりこの村の人たちどこか狂ってしまっているんじゃないだろうか?急にこの村の人たちとどう付き合っていくか不安になってきたぞ?
そんなことを考えていたら向こうの方からブドー選手が入ってきた。
体はすらりと細い感じで、頭ははおそらく剃っているのか太陽の反射でまぶしい状態になっている。恰好は…あれですね亀って書いてありそうな服ですね…。異世界でも共通なんですかねそういう服の認識って…あれか実用性がメインってことなんでしょうかね?
『それでは、準備が整いましたので、第一試合を開始します!初めに出場者の紹介です!西側!修めた流派は数えきれず奪った看板も数えきれない!?相手が何を持っていようと彼には関係がない…すべてはこの拳が勝利に導いてくれるから!今大会優唯一の素手での参加東の大国中つ国からの最強の格闘家ブドー選手ぅぅぅぅぅ!!!!』
「「うおぉぉぉぉぉぉーー!!」」
地鳴り(歓声)再び…。ってか何ですかこの選手紹介!?こんなこっぱずかしいこと言われなきゃいけないの?
『続きまして東側!エリーゼの村で最近目撃情報が多発している熊を担いでるのはこのぼうや!一人で一角熊を討伐して持って帰ってくるのが日課になっている!この大会のために一か月の島籠りで修行をしてきて準備は万端か!?殿堂入りしたエドガーさん唯一の推薦枠で今大会最年少!エルドナス選手うぅぅぅぅぅぅ!!!』
「「うおぉぉぉぉぉぉーー!!」」
なんすか?熊を持ってきたこと…そりゃ何回かあるけれども…。
「熊担いできてたのあいつか!びっくりするんだよ熊が村の中にいるとよー」
「エドガーさんに担がれているところ何回か見たことあるけど、あいつ強いのか?」
「いつもはいろいろ持ってるけど今日はなんも持ってないんだな?弓と剣と盾持ってるよな?」
「エルおにいちゃんがんばってー」
歓声が鳴りやんだ後にいろいろと聞こえてきた。一部の人間僕の装備についてかなり詳しいな…怖い。あ、ターシャちゃん応援に来てくれてたんだ手振っとこ。
『では、両者前へ』
ステージの上でブドーさんと握手をする。ごっつい手してんなこの人…達人ってのはほんとらしいな。
「よろしくな…ところで、君は剣を使うと聞いていたのだが、何も持ってないのか?」
「木刀…エドガーさんにとられちゃったんですよ…素手相手の人に対して剣を振ったことないだろって…」
「それで素手で来るのはまじめなのかあほなのか…」
「ところで、僕も一つ質問があるんですけど、その髪型と恰好って決まりでもあるんですか?」
「いや、自然とこうなっていたな」
やっぱりか…武を追い求めるとそうなるのか…スゲーゼ仙人様というかあの作品書いた○山先生!
「ところで、エドガーさんとはどのような関係なんだ?」
「ここ数カ月は師弟関係に近いですかね?一か月島にこもったのもあの人が言い始めたことですし」
「そうか…それならば、初めての素手での格闘だとしても侮れませんな。あの人には毎年素手で負けてしまっていますからね。弟子ということであれば、遠慮なくいかせてもらおう」
うえぇぇ…言わなきゃよかった…というかエドガーさんこの人に素手で勝ってたのかよ…こわ…。
『両者準備はよろしいでしょうか?では、エリーゼの村武術祭第一試合開始ぃぃぃぃぃ!!!!!!!』
ぐわ~~~んと銅鑼のような物が思いっきり叩かれ試合の開始を合図する。これも万国共通項なの?あと…やっぱテンション高いわこの人…。
「祭りだ!⑥~開会です~」最後までお読みいただきましてありがとうございました。
すいません…ちょっと勘違いしていて一回戦まで終わると思ってたんですよ…僕。開会式だけでそこそこの文字数使うんですね…。びっくりしましたよ(笑)。昨日の僕にはもうブドーと戦っている予定だったんですけど…ははは!
【次回予告】
ドッシュ『さあ、ついに始まりました武術祭1回戦!ブドー選手に合わせてまさかのエルドナス選手も素手での登場となりました。相手の土俵で戦うというのは一体どんなことが起きてしまうのでしょうか?いきなり面白いことになりましたね解説のエドガーさん』
エドガー『そうですね。あいつは一か月間素手で島籠りしてましたからねその成果が出ればいいですね』
エーシェ「ほらあんた言いなさいよ最後の最後で武器を自分で作って戦ってたって」
エルドナス「えーやだよー。世の中知らなくてもいいこともあるんだってきっと。そんなわけで次回!祭りだ!⑦~甦れ記憶!~お楽しみに!」
エーシェ「ここから毎回こんな感じでやるの?」
エルドナス「さぁ?作者が飽きるまでじゃない?」
お、お楽しみに!




