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祭りだ!④~クッキーって食べてると夢中になるよね~

エル君の修行も実践訓練に突入!結構長くなってしまってますね訓練…。予定では1話分だけだったんですけどね。

何はともあれ「祭りだ!④」開幕です!


「ということで、今日から実践を意識した訓練を始める」

「よろしくお願いしまーす」

一か月間の島籠りを終えて、武道祭まで残り約2カ月くらいになりました。体力とかそういった部分の強化ができたのかと聞かれるとなかなか不安の残る一か月でした…。どちらかというとサバイバル力のほうが向上した気がしますね。何はともあれ今日からは実践訓練です。強化魔法を使わないで戦うすべを教えてくれるそうなんですが…なんであの人はもう臨戦態勢なんでしょうか?

「強いやつってのは武器が無くても強いからな。まずは無手でいくぞ」

「は、はい!」

無手での訓練ってほぼやったことないんだよな。小さなころからやってきた父親との訓練は基本的には剣を握っての訓練だったから新鮮だ。

「とりあえず、何でもいいから来い」

それが一番怖いんですよねー。

「行きます!」

無手で戦うということは自分の間合いに入らなくては攻撃をすることができない。だから自分から相手に向かっていくもしくは相手が向かってくるのを待つしかない。でも、来いって言われちゃってるから行くしかないんだよねー。

「えい!」

無手での攻撃といえば右手を握ってぶん回すに限るよね!ということでエドガーさんの顎を狙って右ストレートを繰り出す。

「え?…っかは!」

僕は気が付いたら宙を舞っていて、そのまま地面に叩きつけられた。受け身をとるなんて文化は僕にないので衝撃をすべて受けてしまうことになった。

「狙いがわかりやすすぎる。攻撃が単調すぎる。あと遅い」

とぼろくそに言われて身より先に心がやられはじめるのでした。

「そんなこと言われても、経験がなさ過ぎてどうすればいいかわかんないんですよ」

「武器使ってる時はそんなことなかったじゃないか」

「いや、武器はずっと使ってたんで使い方がわかるというかなんというか…」

「そうか…でもお前一か月間武器なしで島で暮らしてたんだからなんとなくわかるだろ」

「獣と人を同列にしないでいただきたい…」

「そうか…じゃあ、型を体に覚えこませるところから始めるしかないか…」

「それでお願いします。剣の練習も素振りとかそういったものから始めたので」

「じゃ、今からやるやつを覚えてくれ。今日から一週間はそれをやってもらって来週からその動きを生かしてって感じでいくか」

「お願いします」

そこからエドガーさんが見せてくれたのは、空手の型のような動きだった。その動きをとりあえずマネして、OKをもらって今日は終わりになった。

「ありがとうございましたー」

「じゃあ、これを来週までに完璧にしてくるように」

うへぇ…。こういうのって一週間で何とかなる様なものではないんですけど、ボコボコにされるのは嫌なので頑張ってみます。

冒険者組合を後にして宿屋に戻るとラウンジのところでエーシェがお茶をしていた。あなたいつも優雅にティータイムしてますけど貴族様か何かなんでしょうか?

「あれ?エル君お帰り」

「ただいま。今のあれ?って何?」

「いや、早かったなぁってのと今日も帰ってきたら回復魔法かなと思っていたから」

「どんなになると思ってたの?」

「それはボロボロのドロドロに…」

いやいや…さすがにそこまでならんだろ…。

「怪我していないならそれに越したことないわね。一緒にまったりしない?」

「たまにはそういうのもいいかもー。僕もお茶飲む」

「自分で淹れてね」

「あ、はい」

指を刺された方向にはティーセットが置いてある台があった。さすがエリーゼの村の最高級宿屋。いつでもティーセットが置いてあるなんて優雅ですね。

「こんなのあったっけ?」

「最近できたらしいわよ?なんでも王都で流行しているって話を私が受付の人にしたらすぐに採用されたわ」

え、それってもしかしなくても…。エーシェがお願いして作ってもらったとかそういうやつですか…?図太い神経してますね。

「ちなみにこの紅茶にいろんな種類があるのって何なの?」

確かに前世でもいろんな種類があったけれども…。そんなの覚えてませんよ…。

「紅茶って産地によっていろいろちがうのよ。例えばアルサムは渋みが少なくて飲みやすいと思うわ。私が今飲んでるのはダーリンジで香りがいいのよ」

「ほへー。じゃあ、さっき言ってたアルサムにしてみますか。ところでおいしい紅茶の淹れ方ってあるの?」

「変な子としないでお湯を入れて数分待てば大丈夫よ」

「へーじゃあ、昔聞いたあれはガセネタだったのか…」

「何の話?」

「なんか紅茶の茶葉を3分以上お湯につけていると渋みが出てきすぎるからよくないって聞いたことがあったんだけどなぁ」

「おいしく飲めればなんでもいいんじゃない?渋みのあるのが好きな人もいるだろうし」

「確かに…」

とりあえず、テキトーな紅茶を選んでお湯を入れて待つことにした。

「で、修行の方はどうだったの?ケガをしてないってことはそんなに激しいことはしていないってことだと思うんだけど」

「そうだねー。今日は武器を持たずにとりあえずかかってこいって言われてすげー早いカウンターをくらってぼろくそ言われて心のほうに来る修行だったかなー」

「カウンター喰らったって割にはケガしてないわね」

「なんか気が付いたら宙を舞ってた。その後肉弾戦で戦うための型を教えてもらって一週間で覚えてこいって言われた」

「それができたら苦労しないでしょ…」

「僕もそう思うよ」

二人で紅茶の隣に置いてあったクッキーをサクサクしながら今日のことをしゃべってるんだけど…思った以上にこのクッキーおいしい。会話に集中できない…。

「で、この後どうするの?」

サクサク

「ねぇ…聞いてるのかしら?」

サクサクでおいしい!バターの香りしておいしい

「エル君…火弾フェーゴいる?」

っは!聞いてなかったと思ったらエーシェの後ろにどす黒いオーラが…。

「ご、ごめんエーシェ。クッキーおいしすぎて聞いてなかった」

「へぇ~?そーなの」

「そうなんです。こんなおいしいクッキー食べたことないなぁって思って」

「そうね。いつも私たちが行っているお店からの取り寄せらしいわよ。で、エル君火弾フェーゴ…いる?」

「いらない!ごめんなさい!」

「最初から素直に謝っておけば許してあげるのに」

え、僕最初にごめんから入ったはずなんだけど…ちょっと自分のことを棚に上げてるんじゃないっすかねこのちんちくりんツルペタ。

「じゃ、じゃあ、僕はあれだね。型の練習してくるから!」

自分が劣勢なのを感じ取って逃げるのが一番いいと判断した僕はテキトーな理由をつけて離脱することにする。

「また…そうやってすぐに逃げるんだから」

エーシェが何かをつぶやいていたような気がしたんですけどそんなのは気にしない気にしない。あれだよたぶん僕に対しての小言だよ。

外に出て井戸のところで型の練習を始める。今日習ったことを一通りやってみる。ただ、これって正解が何なのかがわかんないんだよな。最終的な目標はこの動きを実践で使えるようにすること。だからこの型を型のためだけに練習をしていても意味がないのだ。

「うーん。どうするべきなんだ…?」

考えてみたけどよくわかんないから無心で型を練習し続ける。

「わかんないけど、続けることに意味があるってことにして続けようか!」

考えてもわかんないならやるしかないよね!レッツポジティブシンキング!

(数時間後)

よくわからんが気が付いたらずっとやってた気がする。なんでかよくわかんないけどずっと続けられる運動って不思議だ。

でも、疲れてきたから風呂に入って寝ることにしよう。うん。疲れたら寝る。食べたいときに食べる。欲望に忠実に生きていこうと決めたじゃないか!(いつ決めたかは覚えていないけど)

「あら、訓練は終り?」

なんで宿屋に入るとエーシェに必ず会うんだろうか?

「なんか無心でやってて気が付いたらこれくらい時間が経ってた」

「何かに憑りつかれたようにずっとやってたわよね」

「え?」

「なんでもない。お風呂が終わりの時間まであと少しよ?」

「マジか!」

走って部屋へ行きお風呂セットを持って風呂場に行くことにする。この状態で風呂に入れないのはさすがに嫌だ。

(4日後)

この型の練習を始めて数日が経った。ずいぶんとすんなりと型の動きができるようになってきたような気がする。比較対象がないというのは困ったものだ。自分の力がどうなのかわからないとやっているモチベーションというのがどんどん下がってしまう。

「そろそろ次の段階に進むべきなんですかね?よくわかんないですけど…」

とはつぶやいてみたものの次の段階とは何をすればいいのかは全く分かっていないんですよね。しょうがないので前世で見た漫画のことを思い出してみましょう…。

型を数十年続けると一つ一つの動作が早くなってきて祈りの時間が増えたってあったな。もともと祈る時間は取ってないからどうでもいいんだけど、同じことを続けるって言うのは意味があるな。一部採用!

もう一つは…相手のことをイメージして模擬戦をやるやつだ。途中でカマキリとかいろんな動物と対戦していたような気がする。僕にそんなイメージ力があるのかどうかは置いておいて、これも一部採用かな?

まとめよう。基本的には今まで通り型を練習し続ける。あとはそれを応用して対戦をイメージした動きをすること。今これを考えながら3周くらいやったからもういいだろう。

「あとは…誰を想定してやるかだよね?」

イメージだけで相手を具現化させて…って待て待て、わざわざイメージだけでやる必要ないんじゃないか?イメージを持つことができるんだったら魔法を使えばいいんじゃね?

「思い立ったらやってみよう!」

人形作成テー・ヌッケ】発動!作る人形はデッサン人形みたいなやつでいいだろ!顔の造形とか関係ないし。動きさえ良ければいいわけだからね。あとはどうやって動かすかが問題だ。そんな魔法は知らないけど、知らないなら作ればいいよね。

最初は父親の動きをイメージしてそれをその動きを人形にしてもらえばいいんだよな。相手の動きに合わせて判断して行動させるとかもう神の領域だと思うんで、動きだけ入れ込もう。そしてそれをランダムに再生し続けるってことで。

人形操作シーラ・ヌッケ】発動!

この魔法はオートとマニュアルの二種類を用意してみた。オートはもともとイメージしてある動きを繰り返してもらうもしくはランダムにやるという魔法だ。マニュアルは名前の通り僕がイメージした通りに動いてもらうという魔法。今回はオートでやっていきますね。

オートで動いている土人形はちゃんと思った通りに動いてくれている。思ったより動きがぬるぬる動くのがなんか怖いけど、ぎこちないよりはましだろう。

「ちなみに土人形だけど…威力ってどんなもんなんだろ?」

一旦魔法をオートからマニュアルに切り替える。ぴたっと止まった土人形は右手の拳を地面に向けて叩きつける。

ゴッと鈍い音が響いて土煙が上がる。これは…ちょっと強すぎませんかね?クレーターみたいに地面がえぐれてるんですけど…。

「力の調整をミスったか…試しておいてよかったこれくらってたら骨の一本や二本普通にいってたかもしれない」

力の調整をしては地面を殴らせる。拳の後がつくくらいの威力に調整したらオートに切り替える。

「じゃ、始めますか!」

今回のオートでのランダム再生内容は今回覚えた型をもとにした父親がイメージだ。いくつかの動きを父親っぽくアレンジしながら作ってみた。まずはこれを防ぎきれるようにしなくては…。

(数時間後)

自分のイメージに負ける僕って才能がないんでしょうか?とりあえず僕に勝った人形はマニュアル操作に切り替えて喜びの舞を躍らせることにした。

型で覚えた動きを実践で使うということはうまくいかないものだとわかった。相手の攻撃を防ぎつつ自分の形に持っていくということの難しさを実感したのだった。これはいい修行になるんじゃないかな?打倒自分の作った土人形!

そうしてまた数日すぎた…。

「で、一週間型の練習はどうだった?」

「えっと、何が正解なのかわからないって感じですかね?」

「正解なんてのはわかんないのが当たり前だ。全部わかったらつまらんだろ」

「それもそうですね」

「じゃ、やってみろ」

一週間型の練習は時間があるときずっとやってきた。さらに後半は土人形との訓練も欠かさなかった。欠かしていたのは依頼位だ。その辺はエーシェさんがやってくれていたらしいので問題ないだろう…たぶん…。

「ふむ。及第点というところか」

OKラインは超えたらしい。やったね!


「祭りだ!④」最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

前書きで書いていた通り修行篇の話は1話の予定だったんですけど、どんどん長くなってしまっているようです。もともとの物を読み返しながら書いてるんですけど、武道祭までにほんとに強くなるのかなと思って思い切ってのばしてしまいました。なのでこの話はほぼ全部元のお話にはない部分でした。間に入れても問題がない程度にってのがまた難しかったですね。この先に出てくるキャラクターを自然に出しそうになってしまいました…(笑)。気を付けないとあいつすぐ出てくるんですよね。武道祭の後ですが登場までお待ちください!

【次回予告】

武道祭まで残り1カ月になりました。素手での訓練も終わり武器を使っての訓練がはじまります!さて、エル君は次回で何回死にかけるんでしょうか?次回も全部初めから作るのでどうなるかはまだわかりません!どうなるんでしょ?ところでエル君は土人形に勝てたんでしょうか…。自分で作った人形に負け続けるってなかなかダサいけど…それでいいの主人公?

さらに強くなるのかどうかわからないけどがむしゃらに修行する修行篇最終章「祭りだ!⑤」よろしくお願いします!

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