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2次元少女を3次元に。

彼女との出会いは突然だった。

......いや....運命だったのかもしれない。

電気が消えている暗い自室で俺は、運命の出会いを果たした。

その彼女は、画面の奥でこちらを笑顔で見つめてくれた.....!!





小学校、中学校と俺はこの世界を簡単に生き抜いてきた。成績優秀。それだけで俺はヒーローになれていた。

高校を受験し、最高ランクの学校まで行けた。

しかし、現実は甘くなかった。

勉強ができる。それ以外何にも特技も趣味もない俺は当然、友達はできないし、虐められてばっかりだった。

それから、俺は学校を休むようになった。

最初は1日だけのつもりがもう2カ月学校に行かなくなった。

そう。登校拒否である。親には申し訳ないが、これは仕方がない。

何もすることがない俺は寝てばっかりになった。

やがて昼と夜が逆転して、深夜活動をするようになった。妹の顔も何日も見ていない。

そこで俺はずっとテレビを見ていた。電気もつけずに暗い、暗い、自室で深夜番組を見ていた。

そこで俺は彼女と出会った。

深夜番組の途中で深夜アニメというものがあった。

馬鹿らしいと思ったが思いのほか面白く、

何より2次元女子は......可愛い!

その中でも俺の好きな子は、メイドのエリーだ。

大人しくも、大胆で主人公の幼馴染のメイド。

主人公とは結ばれずに、ただ、主人の幸福を願っている優しいメイドさん。

泣ける。悲しすぎる...!そんなの有り得ない!

自分の幸福より他人の幸福を願うなんて!

きずいたらもうアニメにハマっていた。

いつしかお気に入りのキャラを『嫁』と呼ぶようになっていた。

キモいと思うか?だがそれは悪いことではない。

今の社会ではアニメオタクなどのオタクは、

キモいと言われるが、人間とは、恋をする生き物だ。

その恋愛対象が人間であっても、2次元少女であってもおかしくはない。

例えば、ベルリンの壁と結婚した人もいる。

このことから人にとって恋愛とは「自分の愛にどれほどの本気になれるか」を試す儀式なのだ。

ならば、俺はこの恋心を本気にしなければならない。

あいにく俺は天才に近いものを持っている。

俺にしかできないことを考えてこの恋を....成功させてやる!





約1ヶ月後......

「遂に......完成....し...た....」

それはもう、地獄のような日々だった。

毎日、愛しのエリーのことを観察して、

エリーの魂を作った。

人格、性格、全てを完璧に作った。

ぶっちゃけ言ったら、人工知能なのだが、だがそれでもエリーの魂のなのだ。

それと同時に、エリーの姿をこの世界に作った。

その姿は人間かアンドロイドかわからないように繊細に作ってある。

あとは、魂をエリーの中に入れるだけだ。

「い.....入れるぞ....!」

なんだかいけないことをしている気分だが、これは人間を作り出す行動だ。きっと悪いことでわない。

横になっているエリーの脳みそになる部分に、

ゆっくりと魂を入れ込む。

すると......エリーの体がピクッと動いた。

エリーはゆっくりと目を開けて、周りをキョロキョロしている。

「う....ううぅうう......やった......うぅぅ」

いつのまにか目から涙が溢れていた。

やっと愛しのエリーに会えて感動のあまり目が....

「大丈夫.....ですか?」

「え.....?うん.....うん!!」

「それは良かった。あの....ですね。突然で悪いのですが.....」

俺を心配してくれたのか優しいソプラノボイスで話しかけてきてくれたエリーはなにかを聞きたそうにしている。突然目が覚めてびっくりしているのだろう。

「なんだい?なんでも聞いてくれ!」

「えっと....ここはどこで....そもそも私は誰ですか?」

「ふぁっ!?」

突然記憶喪失してしまったエリーに、俺こと、西城海斗さいじょうかいとは固まるしかなかった。

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