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性格以外完璧な美少女が一人の男に恋をしたら  作者: 黒兎
第1章 美少女との出会い
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2話 帰り道

突然佐藤くんが私の家に来たいと言い出したので私は初めて人を家に招待することになりました。

少し緊張している事を悟られない様に佐藤くんに話しかける。


「佐藤くんは女の子の家に遊びに来たことはあるのですか?」


佐藤くんは少し困った顔をしてから、ポツリと小さな声で言った。


「いや……家に行くどころか女の子の友達自体がほぼ皆無なんだ。」


あら?ひょっとして私が初めてできた女の子の友達で初めての彼女……?珍しいですわね。私に声をかける子皆恋愛経験はあったと言うのに……。まぁ、基本私に声をかけるような子は皆色々な子を捕まえようとして来た様な活発な子ばかりというのもありますけど。



「実は……早乙女が相手を振ったって話聞くたびに俺に声かけてこないかと微かな期待をしてたんだ。早乙女が多くの男と付き合ってるって聞いてたから俺にも……ってね。」


本心から待っててくれたと言ってくれて、少し嬉しかった。


「まさかですけど私が男を振るたびに屋上で見てたわけじゃないですよね?

「……。」


佐藤くんが恥ずかしそうに明後日の方向を見る。


「えっ、見て……たのですか?」


コクリと佐藤くんが頷く。なんだか可笑しくなって笑ってしまう。


「クスクス……貴方、ほんっと素直ですわね!もし私が屋上に来なかったらどうしてたのです?」

「それは、早乙女が退屈な時良く屋上に来ると聞いてたから、来ると思って考えてなかった。」

「先回りするくらい考えられるならそれくらいも考えなさいな。頭良いのか悪いのか……。あ、もうすぐですわよ。」

「んーと、豪邸らしき家は見当たらないんだが。」

佐藤くんは辺りをキョロキョロ見渡して首を傾げ聞いてくる。

「家じゃないです。あれですよ。」


私が一台の車を指差す。佐藤くんはじっとその車を見て、ふと思い出した様に、納得した感じで言った。


「そういえば不思議だったんだよな。なんで早乙女程のお嬢様が徒歩なのかを。」

「あぁ、それはですね、あの車を学校の前に呼ぶと目立つので……。それとあまり印象が良くないでしょう?私ただでさえ色々な意味で有名なのにこれ以上目立つのは嫌ですわ。それが嫌で少し離れたところに呼んでますの。」

「目立つのが嫌って……今更だろうに……。」


車の前に着く。すると車から黒い服を着た男の人が出てきた。


「彩お嬢様。お迎えに参りました。そちらの方は?」


佐藤くんを見て首を傾げた。まぁ突然ですし当然ですわね。


「紫雲、彼は私の客人です。家に招待しようと思いますの。」


紫雲一馬(しうんかずま)彼は私の専属執事。多少性格が真面目すぎて困り者ですけど。私の身の回りの世話は基本この人が担当する。私の部屋は別ですが。


「わかりました。では、どうぞ。」


紫雲が車の扉を開け、乗車を促す。私たちは車に乗る。さっきから佐藤くんが急に静かですわね。ひょっとして、紫雲を見て緊張してるのかしら。


「佐藤くん、緊張しなくて大丈夫ですよ。彼は仕事は真面目ではありますけど、自分に関する細かな事は特に気にしない性格なので。」

「そ、そうか。」


佐藤くんが安心したようにポツリと言う。


「あ、そうですわ。彼は真面目なので少し弄ると反応が面白いですわよ。」

「彩お嬢様⁉︎」

「ふふっ。冗談ですよ。」


佐藤くんが何かを察した様にクスクス笑っていた。さて、これから30分ほど……。何をしましょうか。


「これから家まで30分かかるのですが、何かしましょうよ。」

「え、何かと言われても、特に何も思いつかないし、遊べる様なもの持って来てるけど一人用だし。」

「横でやってみてくださいな。見てみますので。」


佐藤くんがリュックの中からポータブルゲーム機を取り出す。形状はパタパタ閉じることが可能でスクリーンが上下についている。


「ぇっと確か、それは3SDでしたっけ。立体的に見ることが可能なゲーム機。」

「そうそう。やったことない?」

「無いですわ。そういうものはお父様が買ってくれませんの。玩具はダメって。」


前にそれを知ってお父様に欲しいと言ったら怒られましたっけ。別に良いじゃないって思うのですが…。

佐藤くんがゲームを始める。慣れているのかドラゴンみたいな敵を大きな剣で斬っていく。敵の攻撃をまるで分かってたかの様に避ける。


「へぇ……上手ですね。まるで分かってるみたいに避けますし」


佐藤くんが少し自慢気に答える。


「あぁ、これは予備動作でわかるんだ。この動きした後突進してくるとかね。」

「ゲームは得意ですの?」

「うーん、俺よりも上手な人学校にも一杯いるからなぁ…わからない。」

あら意外。男の子はここで見栄を張るものだと思ってたのですが。今までの男は大体そうでしたし…。

「私もやってみたいのですが、お父様に怒られそうですので見るだけにしておきます。」



佐藤くんがやるゲームは面白くて気がついたら家の近くまで来ていた。

佐藤くんがじっと私の家の庭をみて口を開けていた。驚いてるのですかね。


「大きすぎねぇか……これで庭だろ。噴水、花畑…ここは何処の童話の世界だって感じだ。」

「面白い反応しますわね。童話の世界ですか。あ、あの先に見えるのが私の家ですわよ。」


先を見ると大きな家がある。そこが私の家。

大きく分けると左、右、中央となる。そこの左の上部分が私の場所。


「左上部分が私の場所ですわよ。でもとりあえずはお父様お母様に挨拶してくださいね。」

「お、おう。」


佐藤くんが急に緊張して来たのかゲーム機を片付けてじっと家を見ている。


「お母様は大丈夫ですが……お父様を怒らせないでくださいね……結構厳しいので。」

「ええ、そんなこと言われると余計に緊張するんだが。」

「まぁいざとなれば私がどうにかしますので。」

家の前に着きました。お父様……初めての私の招待、何事も無ければ良いのですが。

家の訪問が少し唐突すぎる気がしなくもないのですが、まぁそこは気にしないでください。

少し変えてるので矛盾があれば指摘して下さるとありがたいです。


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