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性格以外完璧な美少女が一人の男に恋をしたら  作者: 黒兎
第1章 美少女との出会い
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10話 彩の性格

授業間の休み時間で、私はお手洗いに行った帰りに各学年が交わる校舎同士を結ぶ共通通路で、西園寺姉妹、ゆかたんと結衣ちゃんが話し込んでいたのを見かけた。

話しかけようとして近づく。

「それは、嫌。」

「もー、我儘だなぁ。」

何を話しているのでしょう。結衣ちゃんが少し不服そうな顔をしていますが。話しかけていい雰囲気かわからなかったのですが、スルーするのもあれなので一応声をかけておく。

「ゆかたん、結衣ちゃん。さっきぶりです。」

「わ、わ、わ!え、えと。彩ちゃんいつからそこに!?」

「どうも。」

ゆかたんは私のことに気づいていなかったのかかなり驚いていた。一方の結衣ちゃんは気づいていたのか冷静に挨拶する。

「え?少し前からですわ。何のお話してるのか気になりまして。何の話です?」

気になったのは事実だ。隠す理由もないし、正直に聞く。稀に空気読めという感じで見られる時があるのには気づいていますが、別に気にしていません。嫌ならそもそも人に聞かれるようなところで話さないでくださいと思います。

ゆかたんはじーっと私の顔を見つめる。

「どうしました?」

「この子、あえて惚けているのなら性格悪いけど。まぁお嬢だし、天然という可能性も。」

ゆかたんが何かぼそっとつぶやく。何て言ったのかあまりにも小声すぎて聞こえなかった。

「ごめんなさい、聞こえませんでしたわ。何か言いました?」

「ん、あ。いやいや!何でもないよ〜!ただ彩ちゃんは美人だから結衣が彩ちゃんみたいになりたーいって言う相談に乗ってただけー!」

何と言ったのか気になりますが。まぁいいですわ。別に興味ないですし。流石に嘘だと気づいていますけど、追求する理由もありませんしあえて乗ってあげました。

「私みたいに?」

「うん、早乙女先輩、美人で何でもできるから……。」

結衣ちゃんが羨ましそうにこちらをみる。これは本音のようですね。あこがれの対象としてみられることは実はあまりなかったりします。どちらかというと嫉妬が多いので……。

「そう。私は特に意識してやってる事などないですし、アドバイスは出来ませんが。頑張って下さいな。」

素直に褒められると恥ずかしかったのでそう言って私は教室戻ろうと来た道を引き返しました。途中で結衣ちゃんがボソッと何か言った気がしましたが、それは周りの人たちの騒ぎ声で聞こえませんでした。



教室に戻ると遼くんは井口くんと楽しそうにお話ししていました。私が近づくと、遼くんが気づき、手を振ってくれました。

「おう、彩。お帰り。」

「あ、はい。」

お互いの顔を見つめ合うと、今日のお昼のことを思い出し、お互いに少し目をそらす。

それを見て、井口くんは急に笑い出した。

「ははは!初々しいな!遼、お前も遂に彼女持ちになったんだよなぁ。こういうの見せられると今更ながら思うよ。」

遼君と私の顔を交互に見てしみじみとつぶやいた。

「そう言う大輔はどうなんだ?」

遼君が井口君に質問する。正直聞かなくても答えはわかっている気がしますが。

「できねぇに決まってるだろ!ああくそ。彼女がいるお前が羨ましいぜ。俺も1度くらいは欲しいなぁ。」

男の子ってやはり皆彼女が欲しいのかしら。偏見かもしれませんが、皆彼女欲しいぜって言ってる気がします。私は「彼氏」が欲しいとは思った事はありませんが。女の子はどうなのでしょう。私は同性の友人が少ないので判断できませんが少なくとも私が知っている人は皆欲しいって言っている気がします。

でも……、井口君を参考にはできないとは思いますが。彼の場合そばに恋愛対象となる女性?がいないのですから。

「欲しいのなら動けばいいのに、と思いますが。告白なりしないと事は動きませんし。」

「あー。天下の早乙女さんはわかんねぇだろうなぁ。美人はいいねぇ。振られた事、ねぇだろ?」

まるで答えが分かっているみたいに断定しながら質問してくる。その通りなのですが。

「ええ。」

「皆怖いんだよ、好きな子に振られるのが。後、早乙女さんは自信に満ちているけど、皆どこかにコンプレックスがあって、それを気にして自分に自信がねぇんだ。だから告白できない。そんな感じだと俺は思っている。」

「そうだなぁ。かく言う俺自身もそうだったしな。彩を告白出来ずに待っていただろ?」

そういえばそうですね。遼くんは私が来るのを待っていましたし。そんなものなのかしら。私は理解しがたいですが。

「でも、そもそもですが……あなたの場合対象が悪すぎるのでは……。」

「失礼な!ロリっ子の何が悪い!」

井口君の火がつきかけたとき、タイミングよくチャイムがなった。危なかった。また熱く語られるところでした。

「お、授業始まるぜ。」

「そうだな。じゃ。」



授業も終わって各々が部活に行ったり帰宅し始めたりしたころ。

「今日は部活行くのやめましょう。」

私は遼君が部活に行くのを止めていた。

「ん?彩がそう言うならいいが。どうしたんだ?」

どうしてでしょう。凄く遼くんを部活に連れて行きたくないのです。そんな理由も言うわけには行きませんのでとりあえず適当に思いついたことを口にしてみた。

「その、今日は遼くんの部屋に行ってみたいなっと思いまして。この間派私の部屋でしたし、今度は遼くんの番ですわ。」

「お、おう。俺の部屋か。困ったな。彩のこと親にバレるじゃねぇか。」

私が遼くんの御両親と挨拶しているところを思い浮かべて、少し緊張する。お互いの御両親と顔見知りだとより関係が深くなったみたいに感じますから。

「別にいいじゃありませんの。」

その緊張は幸いなことに表に出ることはなく、遼君に気づかれることはなかった。

「恥ずかしいんだよ。ったく。俺も彩みたいな性格が良かったぜ。まぁ、別にいいか。俺の部屋汚いが、いいか?」

汚い、と言われましたけど、どうしてか遼くんの部屋は結構綺麗そうなイメージがあります。性格的な問題でしょうか。井口くんみたいな人は部屋にポスターとかフィギュアとかありそうなイメージですけど、遼くんはどうなんでしょう。

「気にしませんわよ。」

「うう、まぁいいか。わかったよ。」

遼くんの部屋訪問が決まった。遼くんの部屋かぁ。どんな感じなんでしょう。ワクワクしながら帰り道へと向かった。


再投稿からそんなに日が経っていないのに思ってたより見てくれてて実は驚いています。

感想、評価など、今後の参考としたいのでよろしければお願いいたします。

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