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面倒な頼まれ事。
「おーい、〜。」
職員室での用事を済ませ帰ろうとした俺「緋村雪」は、一人の教師から廊下で声をかけられた。
「どうしましたんです?先生。」
「島崎優斗」陽彩のクラス担任である。
普段は、やる気のなさそうな先生だが先生の話は、面白いと生徒の中では評判だ。
「晃野、お前の隣…上田だったよな?」
何故、わざわざそれを俺に確認するだ?
職員室にある自分のデスクの引き出しに、座席表ぐらい入っているだろうに…。
なんだか嫌な予感がするのは気のせいだろうか……。
「ええ、まぁ…。」
「いや〜、その上田なんだが入学式以来、学校に一度も来てないんだ…。」
「…はぁ。」
「だから……な?」
先生は申し訳ないという雰囲気漂わせながらたのんできた。
「え?」
「な?」
先生は、もう一度同じ言い方をした。
「い、いや〜。」
「な?」
「……分かりました!行きます!行けばいいでしょう!」
嫌な予感が的中した。これ以上とぼけても仕方がないので受けるしかない
というわけで、放課後。俺は、上田の家に向かうことになった。