渡り鳥と桜
渡り鳥は暖かい国から国へと飛ぶ。
そんな渡り鳥は一つだけ来る国がある。
日本へ。
今年も愛する桜の下へ渡ってきた。
「さぁ、何を話そうか」
【渡り鳥と桜】
暖かい国へ飛ぶ、私は渡り鳥。
今までに色々なところへ行ったけれど、必ず行くところがある。
それは日本。
日本の春はとても美しい。
「また一年経ったのか」
「あらあら、今年も来たの? 小さな旅人さん」
「やあ、久しぶり。美しい桜の精」
「久しぶりね、旅人さん」
「おや、これは本かな?」
「さっきまでそこに人間がいたの。忘れていったのね……。でも、きっと帰ってこないわ」
この日本という国にいる人間は、桜を愛している。
そして、桜も人を愛している。
だから、桜は哀しい顔をする。
「……人間の命は短いわね」
「私たちの命はもっと短い」
「うふふ。そうね、でも貴方は毎年来る」
「私は仲間を見守る役目があるから」
「そう。さぁさぁ、話を聞かせてちょーだい。貴方の話、聞きたいわ」
「あぁ、いいよ。んーまずはどこの話にしようかな?」
彼女が散るその時まで、私はこの美しい国に滞在しよう。
【渡り鳥と桜】
読んでくださりありがとうございました。
Twitterで#いいねされた数だけ書く予定なんてひとつもない小説のタイトルを言う というタグをやりまして、15個♡貰いタイトルを15個作りましたので、その第一作目となります!
このお話は、以前ネットプリントで配信した【もう少しで春になる】へと続くお話となります^^
タイトル作ったから、続き書いちゃえっ! って感じて書きました笑
もしよかったら、残り14個もよろしくお願いします。
(次はいつの更新になるのかな?┐(´д`)┌)