明日は青い春(?)
夜の眠りから覚醒した俺は今の現状を知るのに数十秒かかった。
「....すぅ...おにい...ちゃん...」
「うぅ...ぐぎ...hea....vy」
「えーっと...なぜだ?」
今の状況をお教えしようか。俺が寝てた場所は自分の部屋、そして何故かいつもより1時間ほど早くに起きてしまい時刻は5時53分...ここまでは日常だ。
「な、なんで美島と姫様は俺の部屋で寝てらっしゃらるのですかね...」
俺の隣には美島が少し無防備な姿でうなされながら寝ている。その美島のお腹の上には我が妹の姫様がぐっすりと快眠している。
「...この状況いくらなんでもダメだろ早くここから離れ──あ」
「んーー??おはぁよぉうございまっす...明日春く、ん?」
「「.........」」
十秒程のあいだ二人は沈黙が続いた。
「きゃぁぁぁぁごうかんまぁぁあ!!!」
「え、ちょ待って!ちがう!ってか妹が落ち─」
美島が勢いよく首跳ねおきをしたせいで、美島に身体を預けていた姫は盛大に空中へ飛び、盛大に急降下して落ちる──
「てところでお姫様抱っこキャッチー!!!」
俺がなんとか姫をキャッチしなんとか大惨事を回避成功だぜ。かーっこいい!
「...これはどういう状況、屑兄?痴漢?夜這い?」
「え?」
結局、昨夜の記憶を信じてもらえず俺が往復ビンタ20周をくらい解決だとよ...あはははは...はぁ...。
白茅明日春の朝は辛辣なのであった。
〜放課後〜
「おはようございます、白茅さん。なんでそんなリスの頬袋みたいな醜い顔しているのですか?」
「お、おう...これには辛い辛い過去があるんだよ!今から1時間ぶっ続けでドキュメント放送するけどよろしいかい??」
「答えはNGでお願いします。」
笑顔みせるタイミングが間違っているこの美少女は俺と同じクラスメイトの咲穂子柊利だ。
「で、今度はあなたが答えるばんですよ。ち・が・やさん!」
だからだから近いんだって!俺を緊張で呼吸困難にさせる気ですか!?
「で、でてやるよ!部活!1ヶ月やればいいんだろ?」
「えぇ、でも最後の日に練習試合をするのが予定ですが大丈夫ですか?」
「あ、あぁ!やってやるよ!約束はわ、わかってるんだろうな?」
「はい、1ヶ月部活動に”出れば”ですけどね。」
「よっしゃー!!!明日には青い春が待ってるてな!」
この時、カッコつけてた俺をどん底に落とすほど壮絶な1ヶ月間があるとは、今の明日春には知るよしもなかった。
咲穂子柊利 ♀2年5組
・趣味 卓球、読者、スポーツ全般
・好きな食べ物 グミ系統
・ひとこと 白茅さんを”あの時”の白茅さんにします。