「姫」降臨
そんなこんなで俺と美島は赤坂をハイテンションで駆け下り、坂下に見える我が白茅家に帰宅──
「いや、なんでお前(美島)も俺の家に当たり前のように入り込んでの!?」
「いいじゃあないですかぁ!部活復帰祝いをしましもうやぁ!」
美島はワッハッハと笑いハイテンションだ。これのどこが「美」島なんだか。
「ぶ、部活復帰祝いッ!?!?」
「「ふぁふ!?」」
二人が玄関で話してる中、リビングのドアがバタン!と開きそこにはお口あんぐりしている可憐な少女がいた。
「ひゃ〜、びっくりしちゃいましったよ!お久しぶりでぇす!トゥモロープリンセスちゃん!」
「いい加減その前で呼ぶなー!」
美島のあいさつに対して可愛らしく頬膨らませてるのが我が妹の白茅明日姫だ。外観完璧だから後は俺に甘えてくれたら満点なんだよね...。
「ただいま帰ったぞ、我が姫よ!」
「おかえ...そ、そんなことより今さっき話してたことはどういうことよ!早く教えなさいこのクズ!サボり魔!童貞!」
うん、妹を持つ兄貴ってみんなこんな扱いだよね。そうでありたいよね。
「ああ、訳あって部活出ようと思ってな。だから美島と部活復帰祝いしようかなと思ったんだけど──」
あ、あれ?姫様?なんで泣きそうなの?俺問題発言でもしたのか?
「うぁぁぁぁあん!おにぃちゃんがサボりやめたぁぁあぁぁん!!!」
妹は玄関で大粒の涙を流し始めた。
「うぉぉぉお!?落ち着いてくだされ姫ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺と美島は大慌てで姫(14歳)をあやした。
ちょ待ってご近所さんがめっちゃめっちゃチラチラ見てるから!恥ずかしいから!お母さーん!早く帰ってきてくれ〜!!
「よかったぁぁぁぁ〜!!」
どうやら姫は俺が部活をサボってるのを大変気にしていたらしくその不満が一気にほどけて感情的になってしまったらしい。
「明日春くん!と、とりあえず祝いますか!」
「ああ、今日は俺の料理「陽炎」フルコースで作ってやるぜ!...姫が泣き止んだらな...。」
結局、姫が泣き止むまでに1時間かかったが、その後の姫はご満悦の様子で俺の料理を食べてくれたので、とりあえずは一件落着ってことでいいよね!
まあ、明日は明日で咲穂子柊利という試練が待ち受けてるんですけどね。
〜人物紹介〜
白茅 明日春 ♂2年5組
趣味 ラノベ読む、アニメ鑑賞、散歩
特技 そんなんねぇから
一言 俺の名前かっこいいな