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俺達は異世界転生がしたい

皆さんは異世界に行きたいと思った事はありませんか。自分はあります、っていうか今も思ってます。

そんな自分の思いを少し混ぜながら書いてます。誰か異世界に行く方法知っている方いたら感想などで送ってくれませんか。

読んでくれたら感想くれると嬉しいです。更新は不定期です。皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。

「ああ、今日も転生できなかった。」

御伽乃敦はベッドに入り1人呟く。

ある日異世界に転生した主人公は超絶美少女のヒロインとともに壮絶な戦いを繰り広げながら最終的に世界を救う。俺はそんな主人公になりたい、美少女といちゃつきたい。だがそんな事を言えば周りは憐れんだような目で俺を見てくる。だが俺は知っている、青春などというのは偽善だという事を。どんな事にも青春というカバーをかぶせ、自分を騙し全てを綺麗ごとにして片づける。そんな嘘で飾った現実など要らない、だからこんな世界はもう要らない。俺は異世界を手にいれる。


冬休みが明け、俺もそろそろ高校2年生である。休み時間窓際の席から外を見ながら雪を降らせることもなくどんよりと居座る灰色の雲を恨めしく思っていると俺の事を言っているであろう陰口が耳に入る。学校で俺は嫌われている。それは俺が罪を犯したからだ。罪名は「何か気に入らない」だ。だが別に寂しくはない。俺には数こそ少ないが同じ志を持つ同志たちがいるからだ。その同志たちと結成したのが私立廻音高校異世界探求部である。活動内容は異世界転生する方法の研究だ。俺はこの部活のために毎日学校に来ているといっていい。だがまともな部室をもらえるわけもなく、現在は旧校舎の一室を部室としている。


授業がすべて終わった放課後俺はいつものように少し離れた旧校舎に向かう。寒さに耐えきれず制服のポケットに入れようとした俺の手を小さな手が握る。

「敦の手、冷たい」

そんなことを恥ずかしそうに言ったのは東雲玲奈である。水晶のように澄んだ黒目を持つ高校生にしては少し小柄なその少女は白い息をはぁと吐きながら顔を赤くする。

「一緒に行くか?」

俺の問いに玲奈はこくりとうなずく。異世界探求部部員、東雲玲奈。異世界に転生したいのはクラスの生徒からのいじめが原因らしい。もともと人と話すのが苦手なようだがそれが災いしたのだろうか、隣で歩く玲奈を見ながらそんなことを思っていると、

「周りの人、見てる」

玲奈が恥ずかしそうにそんな事を言うので周りを見てみると運動部の奴らが奇異なものを見るような目でこちらを見ている。

「さあな、嫌われ者たちが慰めあっているくらいにしか見てないんじゃないか。」

「学校の事は思い出させないで。」

玲奈は少し怒ったように前を向く。部活も学校だろ、と思いながら前を向いた俺の前には旧校舎の玄関が見えてきていた。昔は生徒達が過ごした旧校舎も今となっては荷物置き場のようになっている。俺達はもともと教室だった所を使えるように片付けて部室としている。

「あれ、もう誰か来ているのか、早いな。」

今日は放課後の掃除もなく随分早く来たと思っていたのに部室のドアが開いていたのでそんな言葉が口からでる。部室に入ると部屋に5つだけ並べられた机のうちの一つに顔をふせて寝ている銀髪の人物が目に入る。

「おい、そろそろ起きたらどうだ。」

俺がそう言いながらとんとんと肩を叩くと眠そうに顔を上げながら、

「まだ眠っていたいの。」

と言いまた顔をふせる。異世界探求部部員、美濃嶋天音。母親がイギリス人らしく銀髪のツインテールで青い目をしている。異世界に転生したい理由はアニメのような世界に入りたいから。

「昨日は何時までアニメ見てたんだよ、ちゃんと寝ないと体調崩すぞ。」

「敦が看病してくれるなら風邪ひいてもいい。」

「起きろっ。」

ポンと俺が頭を叩くと天音は青い目をこすりながら顔を上げる。そして、

「で、なんで敦と玲奈が手を繋いで一緒に部室に入ってきたの。」

「私と敦は恋人同士、それが普通」

「えっ、そうなの敦。答えなさいよ。」

「たまたま来る途中に会っただけだよ。」

「はぁ、よかった。」

天音が何故かほっとしたようだった。そんなちょっとした会話を終えた俺と玲奈はいつの間にか決まっていた自分の席に座る。まだ座られていない席を見るとそのうちの一つに鞄が掛けられていることに気づいた。

席の位置から察するに部長だろう。

「なぁ、部長どっか行ったのか。」

「ええ、貴方達が来る少し前に、光の使者の匂いがする、って言って出ていったわ。」

異世界探求部部長、御剣咲。カラコンをしているのか目は紅くその絹のような長髪は美しい。自分の事を黒騎士と名乗っており日夜戦いに明け暮れているらしい。異世界転生したい理由は我の居るべき場所はこの世界ではないから、と言っている。まぁあれだ、中二病をこじらせちゃった可愛そうなやつなのだ。俺にもそういう時期はあったがその話はやめておこう、というかしたくない。ああ、恥ずかしくなってきた、死にたくなってきた。忘れよう。

「じゃぁ今日は俺達3人だけか。」

「もともと5人しかいないじゃん。」

読書をしていた玲奈がぼそっと事実を述べる。そんな悲しいこと言うなよと思いつつも俺は部活中であることを思い出す。

「で、今日は何しようか。」

返答はなく俺は言葉を続ける。


読んでくれてありがとうございました。

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