比野君の変わったお友達
誤字多すぎぃ!って思う。
___何だか気分が晴れやかで無い。
女の子を罵倒するってのは誰であろうと気分が良い物ではないのだな。
よりにもよって、優梨乃の病室なのに不穏な空気を隠せない。
案の定、怪訝そうな優梨乃の心配をかけられる。
「青娥」
「…んぁ?」
「…何かあった?」
「あったんだろうな」
これまでに無い曖昧な回答だった。
優梨乃と会話する上でこんな雑な会話を俺は今までした事が無い。
だからなのか、優梨乃もこれには呆気に取られてしまう。
「…えっと」
「…」
更に気まずくなってしまった。
冷静に考えれば、優梨乃がいる今ここで不貞腐れる理由がどこにある。
これはある種の八つ当たりなだけである。
こんな事があって良いものか。
「悪い、今日は…」
ついには申し訳なさを感じ、居ても立っても居られない俺は最高記録を更新しそうなくらい短い時間で病室を去ろうとした時、歴史はあらぬ方向へ動いた。
「あぁ、そう言えば、お手紙預かってるの忘れてたや」
「は、お手紙?」
そう言って優梨乃はベッドの横にあるナイトテーブルの引き出しを開け、中を漁り始めた。
「うん、昨日貰ったんだ、青娥宛だったよ」
「…どうしたらお前の所に俺宛の手紙が届くんだよ」
無能な郵便配達人だなぁ、とか思いながらこう考えていた。
俺に手紙を出す奴なんて…いたっけ?
いや、いるにはいるか。
俺のお袋…くらいだな。
自分のガキに家を任せて勝手に家を出てったろくでなしだ。
いや、親父の方はもっとそうだ。
親父は俺がまだ小学生になる前くらいに家を出て行ったっきり帰って来ないろくでなしだ。
今では音信不通ですらある。
故に俺は一人暮らしなのだ。
そんな俺に手紙が届くなど、拙い記憶を根掘り葉掘り漁っても相手はお袋しか___
「舞崎紫苑さんからだって」
気付いたら俺は立っていなかった。
椅子から堕ち、突っ伏している。
こんなシチュエーションどっかで見たな。
「…青娥?」
「ヤダもう俺起きたくない」
「そんな子供みたいに言われても…」
とりあえず平生を取り戻そう。
ゆっくり立ち上がって手紙をひったくる。
そして即刻ゴミ箱に捨てるんだ。
よし、プラン決こ___。
「拝啓、比野 青娥先輩、一年一組舞崎 紫苑です」
「ちょぉぉおおおお!やめてぇ!読まないでぇ!読んだら負けぇぇぇ!」
「でも、昨日舞崎さんが絶対に読ませてあげてくださいって」
「いやそれ読み聴かせ!ってか読ますな見せるな聴かせるな!」
読んだらどうせ友達になりたい的な事しか書いてないに決まってる。
なら読んだら負けだ。
あいつは俺に関わってはならない。
未来のありそうなガキを俺が原因で潰す事になるなんて死んでもヤダ!
「じゃあ私読むから青娥はそこ座ってて。失礼ながら、先輩のこ…」
「だから聞かせるなって言ってるだろぉ!お前アレか?虐めてんのか?!」
「それだけ念を押されたからさ、聞いてあげてよ」
ハァと溜め息を溢し、どっと疲れた様に勢い良く椅子に座った。
それからというもの、沈黙が続く。
加えて自分宛ての手紙が他人に読まれているとなると気になってしまうもので、なんだか体がソワソワする。
優梨乃は無駄に目配り出来る奴で、そんな小さな変化も見逃さない?
「やっぱり手紙、気になる?」
「べ、別に全然気になってなんかねぇしぃ…」
ツンとしてデレっと。
キモッ…あ、また言っちゃった。
「その、そうソワソワされると気になっちゃうっていうか…」
「そ、そうか、すまねぇな。じゃあ捨て…」
「うーん、面倒だから要旨だけ伝えるね。友達になって…」
「あぁぁぁあああそれ以上言うなぁぁぁあああ!」
「青娥、病院だからもう少し静かにね」
ヒドイ…。
もう溜め息も出ない。
これ以上の深入りはしたくない。
優梨乃には悪いけど手紙はひったくらせてもらうぜ。
___パシッ。
良い音が鳴った。
「あぁ…まぁいっか。もう読んじゃったし」
「これは捨てるからな」
そう言ってナイトテーブルの側にあったゴミ箱に手紙を捨てようとした。
しかし、優梨乃の一言がそうはさせなかった。
「気になったんだけど、舞崎さんって虐めに遭ってたりするの?」
自然と手紙を持つ手に力が入った。
手紙を捨てようと右手を挙げた状態で優梨乃のの方を向く。
「なんで?」
「読めば分かるよ」
「…お前、やっぱ俺虐めてるでしょ」
渋々手紙を見る事にした。
悔しいけどしょうがない…。
「青娥、その子を助けたんだね」
「助けた?なんかの間違…」
サッと目を通した文面には、つい昨日の出来事が書いてあった。
最早うろ覚えに近かったが、確かに俺は人を助けた…と思われる様な事をした筈だ。
正しくはただ歩道を通過しただけな筈なんだけど…。
待て、って事はあの時三人に囲まれてた子って___
「ほぉ、絶対読まないと思いましたけど、案外読んでくれてるんですね」
「はぎぃ!?」
背後霊でもいるかの様な怖気が走った。
ビビった俺は思いっきり舌を盛大に噛む。
そしてナイトテーブルの角に膝をぶつけて尻餅をつく。
「大丈夫?新喜劇みたいだったよ」
「れっふぁいひんはいひへへぇはほ…」
訳、絶対心配してねぇだろ。
優梨乃はふわっとした性格故、心配されても全くそんな気がしないだけだと思いたい。
「こんにちは~優梨乃先輩」
「うん、こんにちは、紫苑」
ちゃっかり下の名前で呼ぶ関係だし…。
なんだこいつら。
「ふーかお前、何へいんはよ」
舌を仰ぎながら多少まともに喋れる様になった口で問った。
「なんでって、優梨乃先輩と約束したからですよ。お見舞い行っても良いですかって」
「あっそ…」
素っ気なく、目を合わせない様に。
じゃないと面倒だ。
じゃあする事は一つ。
優梨乃を尋問しよう。
「優梨乃さーん、貴方にちょっと大事な話が___」
「私トイレ行こっと」
えぇぇぇぇぇ!?
仮にもアンタ約束した人だよ?!
なのにこの病室に俺と紫苑を置いて行こうってか!?
「よいしょっと、車椅子乗るのも一苦労なんだよね、これ」
「手伝いましょうか?」
だから何でお前ら結構仲いいんだよ!
「ううん、大丈夫。それより、青娥と話があるんでしょ?私がトイレ行ってる間に私がトイレ行ってる間に話、済
ませておきなよ」
「はーい」
呆気に取られてこのやり取りに突っ込む暇もなかった。
優梨乃はじゃあまた(後でとだけ言い残して病室の引き戸を閉めて出て行った。
鳩が豆鉄砲でも食らっているとはまさにこの事で、今俺はこの状況をどうしたものかと驚いている。
困っているのではない、驚いているのだ。
紫苑はこっち見てニヤけてるし、優梨乃はいなくなるし…。
「先輩…」
「はひぃ!」
紫苑への対応にビクつく。
また何を言われるか分かったもんじゃない。
唾を飲み、覚悟を決める。
しかし、それはあっちも同じだった。
紫苑は一呼吸開けてからゆっくりと話を切り出す。
「どうして、私と先輩は友達になれないんでしょう?」
紫苑の顔は真面目だった。
それなりに俺も答えてやらなくてはならないらしい。
まあいい。
これで引き下がって貰えば…。
「決まってる。俺と友達だなんて知れたら、お前友達いなくなるぞ」
「私に友達なんていません」
揚げ足を取った反論が来た。
知らねぇよお前の友達事情なんて。
「あのな、俺はそんな話をしてるんじゃ…」
「じゃあ、なんで優梨乃先輩は、先輩の事を友達って言ったんでしょうね」
「いつそんな事言った?」
「昨日聞きました。優梨乃先輩から」
そういえばそんな事言ってたな…。
また余計な反論しやがって…。
「先輩、何でなんですか?優梨乃先輩の事、気にかけてるなら尚更優梨乃先輩と離れた方が…」
「煩い!知ったような口をきくな!」
静寂。
声を荒げてしまったが故の静寂だった。
マズい。
今この場を制しているのは彼女の方だ。
それ故なのだろうか。
彼女は何を言ったら良いか分かっている様だった。
「自分が優梨乃先輩を殺しかけたかもしれない」
「ッ!?」
核心をつかれた質問だった。
反射的に、逸らした目が紫苑の方へ行ってしまう。
「だからせめてもの償いをしたい。そうなんですよね?」
「…それも、優梨乃から聞いたのか?」
いや、そんな事ある筈ない。
この事は優梨乃自身に打ち明けた事はない。
であるなら、あいつがそんな事知ってる訳___。
「でも、優梨乃先輩だけじゃないです。私も一緒に、先輩の事考えたんですよ」
考えた…?
考えて…そしてどうした?
そんな事で当ててしまったのか?
俺がここにいる訳を。
どこの馬の骨とも知らぬこのガキに…。
「当たってるでしょう?伊達に人を見てる訳じゃないんですよ」
最早だす言葉もない。
相手は一人。
それなのに四面楚歌に遭っている気分だ。
しかしどうやら紫苑の攻撃は続く様だ。
「先輩、私の昔話聞いて貰えますか?」
俺はそれに答える事すら出来なかった。
紫苑は返事が来ないと察したのか、勝手に一人語りだす。
「私、人は好きなんです。みんなの良いところ見つけるのが上手いんですよ。でも、余計な事まで見つけちゃった
り、詮索されたくない事を無理やり詮索したり、とにかく酷い事ばっかりしてた子なんです。その所
為で、仲間外れにされたり、虐められたりする日々に追われて、死んじゃおっかなとか思った日もありました」
「じゃあ…」
俺も負けじと声を発そうとするもその先が出ない。
それを紫苑は添えてくれた。
「あの時の三人も、私のそういうところが嫌いで、いつもみたいに突っかかって来たんです。でも、先輩が助けにきてくれた時、凄く嬉しかったんです!」
思い出して欲しい。
俺はただ歩道を歩く上でその光景が鬱陶しかっただけであって別に彼女を助けた覚えなどない。
助けたってのはある意味での語弊だ。
「あのな…」
「優梨乃先輩言ってました。先輩は優しい人です」
だからなんだと言うんだ。
そうであろうがなかろうが、結局それは優梨乃の感想に過ぎない。
コイツが感化される理由が何処にある?
それはただ厄災を招く布石になる行為にあたる。
許されるものか。
そんな事…。
「先輩、どうしてそんなに一人にこだわっているんですか?」
違う…。
俺は一人にこだわっているんじゃない。
なのに、何故反論出来ない…。
何故言葉が出ない…。
「もう良いじゃないですか、無理なんかしなくても…」
「違うっ!俺は無理なんか…」
そうだ、俺は護りたいだけなんだ。
こんな絶望から、全ての人々を…。
優梨乃だって、今目の前にいる紫苑だって、周りの人々から変な目で見られて欲しくはない。
優梨乃には、犯した罪だって償いたい。
ただのエゴだって事も重々(じゅうじゅう)承知だ。
それでも俺は一人で…。
「先輩…私じゃ、役不足ですか?」
…当たり前だ。
第一、役不足とか以前に、俺と友達になるのは___
「異端だってのが分からないのか?」
「異端で構いません。元より私は異端者ですから」
そうじゃねえだろ…。
そうじゃ…いけないんだよ…。
それじゃ…___
「それじゃ…お前はもっと嫌われ者になるじゃねぇか…」
俺は初めて、あの事故から目覚めて初めて、泣きそうになった。
それは抑えきれない俺の憤り。
怒りとしてではなく、涙となって底から溢れてくる。
目を潤わせ、それはもう脆弱な眼を、俺は紫苑に向けていた。
そうしたら、初めて気づけたんだ。
ちゃんと向き合う事で、紫苑を見つめる事で…初めて気が付けた。
「人殺しより、大分マシですよ…。私、うぐっ…先輩の支えになりたい…先輩が苦しんだ分、友達として、私も苦しみたい。それなのに、私に気を使ってくれているんですよね?」
「そ、それは…」
「やっぱり…先輩は優しいですね」
そこにあったのは萎れた紫苑の花だ。
水をかけてやらなかったが為に枯れきった一輪の紫苑だ。
でも、きっとそれを隠して無理してきたんだと思う。
儚い笑顔のうちに、そんなビジョンが見えた気がしただけだけど…でもそれはきっと確信に近い何かだ。
じゃなきゃ、なんで紫苑はこんなにも泣かなくてはならないんだ。
何滴も、何滴も、紫苑の頰を朝露の様な涙が伝う。
「 私は…先輩の良いところを見つけたい。沢山、目一杯良いところを見つけて、皆に知らしめたい。先輩は優しい人だって事を…」
受け入れて良いのか?
この無償の友情を。
こんな事があっていいのか?
果たして許されるのか?
どうも俺にはそれが解らない。
「…やっぱりダメだ。俺は…危ない。人を殺そうとしたかもしれない奴だ。そんな人よりも、もっといい人が絶対いるだろ…。どうして俺なんだよ…」
狼狽。
ひたすら狼狽えた。
こんな感覚は初めてだ。
目も当てられないであろう自分の醜い姿を隠すべく、紫苑に背を向けた。
何だろう、俺は今…人を思いやったのか?
話してから目を背けて、そんな格好悪い俺が、人を思いやっていたのか?
しかし、俺はこの感覚を知っている。
懐かしい、非常に懐かしい。
俺の…アイデンティティとでも言おうか。
異常なまでの親しみを感じるのだ。
思いやりと言う、人情ある行為が、俺にそう訴える。
「先輩は言いました…友達は大切にって…。私、前にも同じ事言われました。だから、今度こそ大切にしたいんです。一人ぼっちの苦しみを抱えてるかもしれない人と、この気持ちを共有したい…一緒に大事にしたい!だから…先輩じゃなきゃ、ダメなんです!人一倍優しくて、人の事を大事に出来る先輩じゃなきゃ…」
今度は回想。
俺の記憶を何かが擽ぐる。
ハッとした様な気分。
大切な何かを思い出せた、そんな気がしたから。
___
「青娥って、優しいね」
「と、突然なんですか…」
いつもみたいに、肝の据わってない俺は、話し相手が女の子でもビクついてた。
元より顔が厳つくてギャップが激しすぎる所為で、アイデンティティと言うものの恐ろしさを認知させられた気分だった。
「だって、私の荷物、いつも持ってくれるし」
「あの、あんまり説得力ないよ…。優しいってそう言う?」
「フフッ、そうだよ。でも、それだけじゃない」
___君は、人の事を大事に出来る人だよ。
嗚呼、そうだった。
「だってほら、近所の子供達の面倒見がいいし」
「だ、だから説得力が薄いって…。せっかく感動したのに…」
大事な、記憶だった。
___
「うぐっ!」
突然の頭痛に頭を抑える。
でも、ほんの一瞬だけだった。
不意に瞑った目を開けた時、それが、きっと俺と言う人間の歴史が変わった瞬間だったのだろう。
今でも俺はそう思う。
背中にかかる重量が増す。
柔らかい物体が二つほど…いや、なんでもない。
そう言う表現じゃない方が良い筈だ。
例えばそれは、人の温もり。
元気な小枝のような腕が背後から俺を抱きしめる。
固く、強く、離れじと掌が絡み合う。
「先輩…行かないで…。私は…先輩と友達でいたいです…」
震えていたのは声だけではない。
紫苑の身体が小刻みに震える。
俺の身体の鼓動に加わって、紫苑の鼓動が聞こえる。
さて、俺がここで取るべき行動はなんだ?
一輪の花を割いて、それでもって失せろと一言添えるのか?
___出来っこない。
そんなメンタル、生憎俺は持ち合わせてなんかない。
じゃあ、きっと、こいつを追い払う事は俺の選択肢には無い。
俺は半泣きの目ん玉を擦る。
それから、昔と違って、顔とのギャップを感じさせないクールな、いつもの俺を演じるのだった。
「もうよせ…」
「え…?」
紫苑の両手が脱力する。
同時に背中に感じた二つの柔らかい圧ぱ…じゃなかった、温もりが冷めた。
違う。
まだ先があるんだ。
俺は、花に水を、光を、栄養を与えてあげなくてはならない。
それがきっと、失われた記憶の中の俺が今、絶対にするであろう事だから。
「少なくとも…お前は俺の仲間だな…」
嗚呼、なんと素っ気ない返事だ。
こういう言い方しか出来ない俺がつくづくウザい。
でも、今の俺にとっては、精一杯の返事のつもりだ。
やっと本当に気づけた。
紫苑は、既に絶望の淵に立っていた。
まだまだ浅いけど、それでも、きっと俺と変わらないくらいの思いをしたに違いない。
それは、弱者たる所以。
弱者にしか解らない事が、確かにそこにはあった。
どんな生き物も、協調して生きていくのであれば、弱者もまた同じ。
きっと、同類の気持ちが解る。
それが強調かと言われるとそれは程遠い答えだろうが、気持ちが解って貰えるだけで、弱者がどれだけ安堵するのか、心が安らぐのか、それを皆は知らない。
たったそれだけでも、弱者にとってはこの上ない力だ。
この上ない感動だ。
世界でたった一人、そう思っていた弱者に仲間が出来る瞬間、苦しみを分かち合える瞬間、それが至高の一時なのだ。
俺にとっても、こいつにとっても…。
「うぅっ…ふえぇえええん!」
「わゎっ、泣くなって…」
「やっぱり優しいんじゃ無いですかぁ!ふううぇええええん!」
再び抱きつかれた。
いっぱい泣いた。
それだけ抑えてたものがあったって事なのだろうか。
それだけ苦しい思いをしていたって事なのだろうか。
それも、俺程じゃないと強がって。
そんな事は無い。
思いに強い弱いがるものか。
あるのは思いを持つ量だ。
いっぱい思いを抱けば、強い思いになる。
少し思いを抱けば、弱い思いになる。
苦しい思いをいっぱいしてきたというのは即ち、苦しい思いの量が多いって事だ。
でも、きっとそれは人の感じ方次第で変わる。
重い物を持っても、重いと感じないのは力強いからだ。
きっとそれと同じ。
弱い心は思いが少なくても重く感じてしまう。
多少苦しい思いをしただけだと思っていても、弱い心にとってはこの上ない重りかもしれない。
そういう意味では、俺は強かったのかもしれない。
強くて、まだまだ余裕のある心だから、きっと平気なんだ。
って一人語ってるけど、実はさっき思い出した記憶の一部での優梨乃の受け売りだ。
やっぱ、あいつには敵わない。
俺も紫苑も、あいつに助けられたようなものだ。
「苦しかったんだろうな…」
そう一言添えて、俺は枯れかけた一輪の紫苑を愛でる様に、彼女の頭を撫で続けた。
そして、駄目押しにもう一言。
「ざけんな神様…」
悪口?
滅相も無い。
こんなもん押し付けやがってっていう嫌味じみた感謝だよ。
___「良かったね、紫苑。全く、青娥も青娥だよ。何が罪の償いだよ全く、フフッ。分かり易いなぁ」
病室の外でも、静かに見守ってくれていた少女がいた事を、俺は知らなかった。
一章完結した.って思った?
残念番外編だしまぁす!まさに外道ってやってみたかったSieg004です。
外道でもなんでも無いけど取り敢えず早くまともな文書けって言ってくれた人、本当すいません。
海外生活が長くて日本語下手なところがどうしても多いんですねこれが。
別に、わたし帰国子女ってアピールしてる訳じゃ無いんだからねっ!
番外編って事で、それぞれのキャラの過去変的なのも作ってみようと思います。
実は番外編に関しては壊れた某端末では書いてません。
端末について知りたい方は最初の最初の作品読み切ってみてねって思ったけど面倒だからここで言います。
ここに投稿する前に自分のiOS端末のメモアプリに小説を書いてそんままコピーしようとしたら端末がボロボロに壊れて動かなくなったのでうろ覚えとリニューアル込みで当小説を書かせていただいております。
説明長くてゴメソ…。
ってなわけで、感動しちゃうかもしれない一章完結、どうぞごゆるりと生暖かい目でご覧くださると嬉しいなぁ。
ぶっちゃけ言おう。
若干テキトー。