援助の条件は
びっみょーに書きにくい、この話。
吐き出された言葉は重く、長い沈黙がしばらくその空気を支配した。
「…………没落、ですか」
それを破ったのはカーネリアンの発した言葉だった。
「……うん」
フローライト子爵は、頷くと手を組みかえた。
どう話したらいいのか、迷っている様子だった。
「とは言っても、今日明日すぐにこの屋敷を出なければいけない、というわけではないんだよ」
「でも、いずれは出て行かなければならないんですよね? ではお嬢様は、どうなるんですか」
カーネリアンのその質問に、子爵は優しく微笑んだ。
「カーネリアン、君はいい子だ。こんな時にまで、娘のことを一番に想ってくれてありがたいよ」
「当然です。私はお嬢様の侍女なんですから」
断言したカーネリアンに、それまで身じろぎひとつせずかたまっていたユークレースははっとしたように顔を上げ、目を潤ませながら自分の父を見た。
「わ、私……にも、な……にか、できることは……」
「……うん。実はね、ユークレース。この子爵家を援助してくれる、さる侯爵家があるんだ。とっても好待遇でね。すべての借財を肩代わりしてくれると言うんだよ」
その子爵の言葉に、ほっとした様子のユークレースとは反対に、カーネリアンは眉を顰めた。
「それは……」
「うん、君の懸念もわかるよ、カーネリアン。もちろん条件はある。私は名目上の領主となり、このフローライト家の実権はその援助をしてくれる侯爵家が持つことになる。私自身はいわゆる領地に入って楽隠居の状態だね」
「それは、つまり……」
「そう、君の想像通りだよ、カーネリアン。このフローライトは侯爵家で実権を持つことになる、つまりは、侯爵とユークレースが結婚し、生まれたその子供の一人にこのフローライト子爵家を継がせる、というのが条件なんだ」
「え……え……?」
カーネリアンは静かに目を伏せ、ユークレースは目を丸くした。
「要するに、侯爵家は君を婚姻相手をして所望しているんだよ。……ただ一人のフローライト子爵令嬢の君を、ユークレース」
「え…………?」
再度しばしの沈黙が訪れた後、ぱたりとユークレースは気を失って倒れた。
でもカーネリアンが気に入ったので頑張って続き書きます。
ので、よろしくお願い致します。