3BET:来訪者+暴力=新キャラ
こんにちわ。夕凪奏です。
昨日から家に家族が増えました。
物凄く嫌でしたが,家族が増えました。
認めたくないけど,家族が増えました。
「ドゥワハハハハハ!!腹筋が千切れるぅぅぅぅぅ!!」
ちょっとは静かにしてくれ。
天気予報見て爆笑してるのが新しい同居人のコインです。何が面白いんだか。
「ヒィィィ!!天気予報士のお兄さぁぁぁん!!鼻毛出てますよぉぉぉ!!ワァハハハハハ!!」
ブホォッ!!
全国放送で鼻毛披露か。ある意味漢だな,おぃ。
あっ!!そうそう。コインが昨日言ってたのはどうやら本当らしい。突然猫に変身したし,CHCって会社もあって名刺を見せられた…ピンク色だった。…ピンクチラシみたいだったな,ありゃ。
「つーかさ,支部長なら会社行かないとまずいだろ?」
「ん?いーの,いーの。俺様が行くと完璧過ぎて本社から怒られるから。」
ふぅーん。要するに貴様は仕事が出来ないわけだ。
「まぁ,俺様がいなくともあの会社は大丈夫だ。だから飯をくれ。」
一日何食食う気だ。既に二食は食ったろ,昼前に。
「大体だな!!飯を食わせるって言って連れてきたのが,なんで居候することに……」
ピンポ〜ン。
こんな時に客かよ。
「…ちょっと待ってろ。はぃはぃ,今出ま……」
バッカァァァァァン!!!!
えぇーーーーー!!!?
なんで玄関が大破?何,今の爆発音は?
「ヤ,ヤバい!!」
ん?コインのやつ顔面蒼白だな。心当たりでもあるのか?
んん?突然部屋に入ってきたこの女性は誰だ。かなりの美人だけど……
「この……天上天下超絶堕落男がぁぁぁぁぁ!!!!」
バキバキ!!ビシッ!!ゴツンッ!!ドガガガ!!グシャァァァ!!
「ギャァァァァ!!!!!」
「う,うわぁ……。」
スプラッターだ…R15指定だ…惨劇だ…。
いきなり現れたスーツ姿の女性にコインが半殺しどころか10分の9殺しくらいにされた。玄関壊したのも彼女か。
「ふー,ふー……」
作業を終えたらしい漆黒の姿の女性は肩で息をしながらこっちを振り向いた。 あぁ…俺の人生もここまでか…確実に死ぬわ…。
「申し訳ありませんでした!!」
走馬灯を見てた一瞬で彼女は上半身を90度近く傾けていた。おじぎ?
「内の史上最低の支部長が大変ご迷惑をかけたようで…本当にすみません。」
「あ…いえ……その…ごもっともです。」
なんだこれ?状況がわからん。
とりあえず死なないで済んだのか。
「私はこういうものです。」
差し出された名刺には【CHC第4支部】の文字。名前は八咫 黒羽。
あぁ,コインの同僚さんね。
「この全国でもトップクラスのダメ男は責任を持って持ち帰りますので。」
さっきから凄まじい言われ方だ。支部長なのに。
「お,俺様は…ここに住む…んだぁ…」
「うっさぁぁぁい!!」
ゴツン!!
「ぐはぁ……。」
コイン殴られっぱなしだ。
「ま,まぁ,とりあえず落ち着きましょう。お茶でもどうですか?」
「いえ,そんな…いただきます。」
いただくんだ…。
「俺様はカフェオレが……」
「あんたは玄関直して来なさい!!!」
「ひっ!!」
立場が逆だ。素直に従ってるし。コインは本当に支部長なんだろうか。
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「どうぞ。インスタントですが。」
インスタントコーヒーに偶然あったチーズケーキを差し出す。
「ありがとうございます。」
「コインももういいからこっち来て休めよ。」
てか大破した玄関直すなんて簡単にはできねぇだろ。
「た,助かった…。」
撲殺されそうになった後に肉体労働。ボロボロだな,おい。
「本当にすみません。ご迷惑をおかけしただけでなく,コーヒーまで。」
「いえ,気にしないでください。そんなに迷惑とも思っていないんで。」
「ワハハハ!!俺様のようなプリティ-な男と一緒に住めるのが迷惑なわけないだろ。」
いや,正直迷惑。食費バカになんないし。
「ったく…せめて会社には来なさいよ。仕事だって結構入ってるのよ。」
「わかった,わかった。明日からはちゃんと行くから。」
「それならいいわ。使えない男だけどよろしくね。」
「わかりました。……えっ!?」
何,この流れ。もしかして……
「それじゃ会社に戻るわ。」
「おぅ!!みんなによろしく。」
………。
………。
………。
クロウさ〜〜〜ん。忘れ物〜〜〜。