第6話 恭子先生の策略
「それでね、翔太くん、まゆちゃんに出会う前の私にそっくりだと思ったの。
そしたら、悲しくて涙が止まらなくなっちゃった。
いつもさみしいけど、どうしてかすらわからない。
勉強がんばってたのも、大丈夫なふりをしてただけ。
頑張れば頑張るほど、みんなと距離が遠くなっていく。
一人ぼっちがさみしいなら、友達を作ればいいって。
じゃ、どうすればいいの。
誰も教えてくれない。」
「のりちゃん、ちょっと話しかけづらい雰囲気あったし。
でも、私、のりちゃんとうさぎ係になって分かったの。
のりちゃん、実は優しくてかわいいって。
ちょっと変だけど。クスっ」
「今でも変だよ。
でも今はそれでいいって思ってる。
それはまゆちゃんのおかげ。
まゆちゃんが、変な子の私でもあの日お友達になろうって言ってくれたから。」
「あの日、うさぎのくんちゃんのお墓作って、のりちゃんが、くんちゃん天国行ってもずっと友達だよって言ってるのを見てたら、絶対今言わないとって思ったの。
友達になろうって言ったら、のりちゃん、友達、、それって、何だすか、って。あれはびっくりしたわ。
でも、それからのりちゃん、涙いっぱい溜めて、はい、お、友、達になってくださいって。」
「ごめん、ごめん、私、動揺すると変なこと言っちゃうから。」
「いいの、いいの。それがのりちゃん、
変わらないからいいのよ。」
「そう言えば、恭子先生元気かな。
また会いに行きたいな。」
「恭子先生、私が小学校の先生になろうって思ったのは恭子先生のおかげ。
恭子先生定年退職する時に、まゆちゃんと会いに行ったでしょ。
あの時、先生言ったじゃない。
私のことが心配で心配で、何とかしたくてまゆちゃんと二人をうさぎ係にしたって。
まゆちゃんならきっと大丈夫だって。」
「凄いよ、恭子先生。」
「そうなの、恭子先生退職したら、私みたいな変な子困っちゃう。
だから、私が恭子先生みたくなりたいって思ったの。
でも、まだ全然だめ。」
「仕方ないよ、まだ一年目だし。
あの頃、恭子先生もう何十年も先生やってたんだよ。
のりちゃんはこれから、これからよ!」
「そうだね。へこたれてる場合じゃないよね。」
「あっ、それなら、恭子先生みたく、お友達を作るチャンスを作ってあげられたらいいね。」
「そう、チャンスが必要なの。
でも、うち、うさぎ係無いしな。
恭子先生言ってた。
きっかけがあれば、子供達、みんな勝手に友達になるって。
私、いっぱい考えてみる。
恭子先生いつもいろいろ考えてたんだね。
大変だよ、何十年も。
恭子先生、やっぱり凄いや。」
「ねえ、近々恭子先生に会いに行かない?
ゆきちゃん誘って。
ゆきちゃん、のりちゃんあまりにも悲しそうで、声かけられなかったって後悔してたし。」
「ゆきちゃんにも、ごめんなさいしないと。
ゆきちゃんに会いたいなあ。」
「恭子先生、今横浜だよね。」
「横浜っ、じゃあ夕ご飯はチャイナタウンね!」
「あんたも、好きねえ。
でも、ポニーテールは嫌よ。」
「いいじゃない、ヘアゴム3つ持って行くわ。」
「全くもう、仕方ないわね。
いいよ、ポニーテール。
3本ぶらぶらしながら、写真撮りましょ。」
「3本ぶらぶら、、、ふふっ、変なの。」




