第30話 ぴよぴよサッカー
「という話をしていると、俺のことを聖人君子だと思ったらそれは大きな間違いだ。
時には、相手の嫌がることを、喜んでバンバンすることもあるぞ。」
「えっ、北原先生がですか?」
「広田先生、そう、それは、サッカーの試合で対戦相手に対してだ。
敵の強みを消して、弱点を突く、それがサッカーだ。
それが、ひるがえって、対戦相手にとっても、一段階成長する糧になる。
もちろん、悪質なファールは絶対ダメだぞ。
サッカーはけんかじゃない、ルールを守って戦うゲームだ。
ルールに従いながら、対戦相手を研究し、相手の嫌がることをするのは大好物だ。
ひよこの戦力では、正面突破、真っ向勝負では勝つのが厳しいのは事実。
それでも勝つには、相手の想像を超えた意表をつく作戦や大胆なプレイが必要だ。
裕太、孝太、それについては情け容赦は必要無いぞ。
荒鷲がもう勘弁してくれって思うような、嫌がる作戦をいっぱい考えてくれ。
サッカーの常識を変えるような、面白い、とんでも作戦もいいぞ!
サポーターがびっくりして大喝采する、そんな試合を見せてやろうぜ。
ひよこだと舐めたら、痛い目に会う、、それがひよこのぴよぴよサッカーだ!」
「ぴよぴよサッカー、っっ。」
法子は、いつも通り、ぴよぴよぴよ、と声に出しそうになったが、
みんなの真剣な顔を見て、ここは思いとどまることが肝要だと深く悟ったのだった。




