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友達契約書 契約から始まる?友情物語  作者: 宮本海人


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第23話 大丈夫だ!

大鷹の選手の注意は、思惑通り、じりじりとゆっくりドリブルをしていく翔太に集中している。



ちぃは、かなの後にいた。

ちぃはかなのユニフォームの裾をつかんでいる。

ドクン、ドクン、ちぃは心臓が高鳴るのを感じていた。

かなには、裾を掴むちぃの手が小刻みに震えているのが分かる。


「かなちゃん、、。」

「大丈夫、ちぃちゃんなら出来るよ。

それは、私がいちばん知ってる。」


「あと1!」

北原コーチの声が響く。


それがスタートの合図だ。

ちぃはオフサイドラインを気にしながら、右サイドに向けて走り出した。


「ボン!」

翔太がボールを蹴ると同時に、ちぃは左に方向を変え、大鷹ゴールに向けて急加速した。

翔太のキックは、理想的な軌道を描き、ちぃの前に転がる。


ちぃは丁寧にボールを内側にトラップし、ゴールに向けて高速で疾走する。


気づいた大鷹の選手が全員走り出す。

しかし、翔太のシャペウに気を取られたのか、あまりに気付くのが遅かった。


もう、すでにちぃはゴールに迫っている。


ゴールキーパーの姿が近づいてきた。

小さなちぃよりずっと大きく、背の高いキーパーが大きく手を広げている。


えっ、、。


突然、ちぃにはキーパーが巨人に見えてきた。


決めなくちゃ、、。


でも、巨人のキーパーに隠れてゴールが見えないよ。

どうしよう、、かなちゃん、、〜


でも、ちぃを追いかけるかなはまだ見えない。


〜失敗するかも、、怖くて、、蹴れない、、。



その時、声が聞こえた。


「ちかこ!、、大丈夫だ。、、」


お父さんの声だ。



「うん、、もう大丈夫だよ、、。」


今まで巨人に見えたキーパーが急に小さくなった。

ちぃには、左から走り迫る大鷹のディフェンスやそれをブロックしながら近づくかなの姿まで見える。


ちぃは、キーパーの位置を冷静に確認し、静かにボールをゴール右隅に流し込んだ。



そのまま、ちぃは走ってくるかなの胸に飛びこんだ。



〜ピーー!〜


試合終了を告げる笛が響いていた。




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