第19話 変化
「ふへぇ、、もう無理、、サッカーってこんなに大変なんだぁ、みんな凄いや。」
「広田先生、すみません、練習つき合ってもらって。
だいたいつかめました。
広田先生、ありがとう。」
「もうつかめたの、凄っ、お疲れさま、、、翔太くん、後半もがんばってね、先生応援してるよ!」
翔太は、北原コーチのもとへ走っていった。
「広田先生。」
「はい!」
「お忙しいところすみません、翔太の母です。
いつもお世話になっています。」
「翔太くんのお母さん!はじめまして、広田です。」
「最近、翔太、ちょっと変わってきてて、気になって試合見にきたんです。」
「そうなんですか。
ありがとうございます。」
「変化っていうか、いつもぶすっとしてる翔太が、母ちゃんおはよう、とか行ってきます、とか挨拶するんです。
ごちそうさま、とか、ありがとうとか、今まで聞いたことないこと言うし。
それと、最近お休みに友達と外出することも増えて、サッカーの勉強するとか言って。
全然、悪いことじゃない、、いいことなんですが、急に変わると何かあったのかなって、少しだけ不安になって。
それで、パートの仕事を調整して、久しぶりに試合見にきたんです。」
「そうなんですか。
その変化なら、、絶対大丈夫ですよ。
最近、翔太くん達と約束したんです。
お家や学校で、ちゃんと挨拶やありがとうをするって。
それとお友達。
友達の影響って、当然いい影響だけじゃなく悪い場合もあります。
そこは、大人が注意していかないといけません。
でも、今みんないい方向に向かってるんです。
というか、使ってなかった力を一緒だともっと発揮して、さらに伸ばすことが出来てるんです。
そして、北原先生。
何をするにしても、子供達の意見を聞いて、話し合い、子供が納得してから始めます。
子供を1人の人として、しっかり尊重してる人です。
子供も、理解し、納得してるから、自分で、よし、頑張ろうって思うんです。
北原先生は、変わろうとしてる子供達の芽を、潰さずぐんぐん伸ばしてくれる人なんです。
変わるのって大変なことです。
でも、自分の意思で変ろうとしてる翔太くん。
これって凄いことなんです。
お母さんには、そんな翔太くんをたくさんほめてあげて欲しいんです。
翔太、いっぱいがんばったねって。」
「はい、、、心配いらないですね。」
「心配ないですよ。
今日も、翔太くん、凄くがんばってます。
試合終わったら、いっぱいほめてあげてください。
お母さんにほめてもらったら、翔太くん、もっともっと伸びて行きます。
それこそ、私達の手が届かないくらいに。」
「あれ、翔太のお母さん来てるんだ。」
「えっ、マジ、仕事あったのに。」
「なんとか都合つけたんじゃない。
翔太の試合見たくて。」
「お母さん来てるんじゃ、翔太いいとこ見せたいな。」
翔太は小さくつぶやいた。
「うん、、そうだね、、、。」
そして、翔太は、母ちゃんと法子に向けて軽く手を振ったのだった。




