第23話 終幕
「アルター…それは本当か?さすがのお前でもアイツを吸収することはできないんじゃないか?」
「違うよ、アルター。吸収するんじゃなくて、放出するんだよ」
「は?」
俺はアルターの提案に呆れた。
ーーえぇ…だってお前の能力は《格納》のはずだが…今回、必要なのは俺やエルのような強力な技を出し、首を切断できる人材…それはアルターのチート(俺は断じて認めてない!……ただ、みんながチートだって…俺だって勇者だ!チートだろ?)でもできないんじゃ…
「おい!そんなに仲良く話してる暇ないぞ!」
エルがケルベロスから繰り出される攻撃をいなしている。
ーー確かに…今はそんなに悠長に話していられねぇ…
「カナ!俺がレインとエルに討伐の作戦を伝える間、ケルベロスを足止めできるか?」
アルターが言った。
「うん…多分いけるよ。ハルが《交換》の力で作った爆弾とかも貰ってるからね。任せて!」
「私もサポートします!鑑定で相手の弱点などもできるだけ見抜きます!」
「マーラもありがとう!…じゃあレイン、それにエル、俺の作戦を聞いてくれ」
ーー作戦会議。
「今回必要なのは、ケルベロスの首を切断するための強力な斬撃技だよね?」
「あぁ…もちろん。だが、さっきも言ったがアルター、お前は斬撃技ないだろ?」
「確かに僕自身では、斬撃技を持っていないよ。ただ、思い出してみてよ…アルター。僕の《格納》は出し入れが可能なのはもちろん、この前のレベルアップで、技も吸収もできるようになった。……それに、さっきエルの斬撃技を吸収している!」
ーーそうか!エルがまだ俺たちを追い出そうとしていた時に使ったあの技をアルターは吸収している!それを放出すれば、勇者の斬撃技を三頭同時に繰り出せる!
「なるほど…確かにそれならいけそうだな。私は賛成だ…レイン、お前は?」
「いやいや…ここで反対する理由ないから。もちろん賛成だ。アルター、一緒にケルベロスを倒すぞ!」
ーー作戦はこうだ。
今、カナとマーラが頑張って足止めしているケルベロスをアルターの格納でこちらに引き寄せる。
そして、ハルから貰った閃光弾で、アイツの目をくらまし、弱っている隙に俺たち3人の技をぶつける!
「2人ともお待たせ!ケルベロスから離れて!」
アルターが《格納》を使い、ケルベロスを引き寄せる!
「今だ!レイン、閃光弾を!」
「分かってるよ!」
俺は全力でアイツの顔に向かって閃光弾を放り投げた。投げられた閃光弾から眩い光が放たれ、洞窟内を照らす!
ーーケルベロスが光にやられて、ぐらついていた。
「行くぞ!アルター、エル!」
「あぁ」
「了解」
「「《剣聖》の天賜よ……我が魂に応えよ!」」
「《格納》の天賜よ……我が魂に応えよ!」
「「闇絶陰剣ッ!!」」
「聖絶煌剣ッ!!」
俺たちから放たれた3つの斬撃は、ケルベロスのそれぞれの首に届く!
一閃。
ーー同時に3つの首を切られたケルベロスは黒い灰になって、その姿を消した。
「「「「やったー!」」」」
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