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SS_2 過去 case_エル

「ついにここまでやって来たな」


 私、エル・キーマットが率いる勇者パーティーはケルベロス討伐の任を受け、ヤツが潜む洞窟前までやって来ていた。


「あれ…なぜ、モンスターがいないんだ?いつもなら低級モンスターがいるはずだが…」


 私たちのパーティーの金髪剣士、ロット・スタングが不思議そうに言った。


「確かにそうだな。普段のSランククエストには取り巻きの低級モンスターがいてもおかしくないのに…おかしいな」


 真面目で私たちのまとめ役、盾士タンクのタド・デュエスも不思議がっている。


「そんなことより…ケルベロスの討伐に急ごうよ!今回のクエスト成功すれば、私たちは魔王討伐へまた一歩近づける!」


 赤髪の回復士ヒーラー、サリー・ムチェットが言った。


 ーーそう。

 私たちは、魔王討伐を目標としているパーティー。今回はそれに近づくための一歩だ。

 この討伐を成功させ、この国の平和への道へ希望を繋ぐ。これが私たちの使命だ。



「そろそろなんじゃないか?ヤツの住処」


「そうだな。タド、そろそろ防御の体制を整えておいてくれ」


 洞窟の奥までやって来て、そろそろケルベロスに迫っていると感じたその時!



 猛火。


 ーー回復士のサリーの頭部に燃え盛る炎の一撃が直撃する。


「サリー!」


 剣士ロットの悲鳴が飛び交う。


「クソっ…うちのヒーラーがやられた。エル、一旦退くか?」


 盾士タンクのタドはまだ冷静なようだ。


 回復士は他者を回復することができても、自分を回復できる人は少ない。サリーも自分を回復することができなかった。


「そうだな。一旦退こう!」


「それなら、俺が少しは囮になれると思う。これでも勇者パーティーの盾士タンク。任せてくれ」


「…そうか、では頼む。でも、決して無理はするな。タド、お前も私のパーティーの大切な仲間だからな」




「ロット…ここは悔しいが少しの間、タドにケルベロスを任せて、私たちは協力してサリーを運びだそ……おい!ロット…何をしている!」


 タドの提案を渋々受け入れ、撤退を考えていたその時!


 ーーロットは剣を握っていた。




「よくも…よくも、サリーを…」


 ロットとサリーは付き合っていたのだ。今回のクエストの後には結婚も控えていた。


「ロット!気持ちはよくわかる。だがな…今は逃げるぞ!」


「すまなぇ…エル。俺はこいつを許せねぇよ。逃げるなら、2人で逃げてくれ。俺はこいつを倒す!」


「おい!無茶するな!一度立て直すぞ!」


「いや…俺はあいつに一撃を与えねぇと気が済まねぇ!」


「やめろ!ロット!」



 雷撃。


 ーーケルベロスの首を斬りかかろうとしたロットは、逆にケルベロスの雷魔法によって、首を切断された。


「ロット!」


「おいおい…ロットまで。これはどうやら、あれを使うしかなさそうだな…エル」


「おい…まさかタド、あの技を使うのか?待ってくれ…私はもう仲間を失いたくはない。やめてくれ…あの技だけは…」


「すまねぇな、エル。でも、俺は思うんだ。今が使う時だって。16歳で《バリア》の天賜を与えられ、お前とパーティーを組んで、魔王討伐を目標に旅をして数年。多分、こんな時に使うべき力べきだと思う。だがな…この力は絶望の力なんかじゃない。希望の力だ。お前はいつか、俺たちの繋いだ希望を叶えてくれ」


「タド…」


「《バリア》の天賜よ……我が魂に応えよ!」


深淵封魔ダークパクトッ!」


「すまんな…後、頼むわ」


 瞬間!


 ーータドから眩い光が溢れ出し、ケルベロスを光の粒となって、囲い出した。

 集まった光の粒は壁となり、ケルベロスを洞窟奥に球体型の光の壁となって封印した。


 もうそこには、眩い光を放つ光壁のみが存在しているだけだった。

お読みいただき、誠にありがとうございます。

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