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第10話 2人で力を合わせて

海で遊び始めて1時間。


 俺は遊び疲れて、砂浜で休んでいた。


「アイツらすげぇな。まだ遊んでる」


「そうだね。あの体力はどこから来くのやら」


 隣にいるのはアルター。


 俺と一緒で疲れて休憩中だ。


「それにしても、本当にすげぇな。お前のそのスキル。ただ荷物持ちができるだけの天賜だと思ってたが、まさか生物まで格納できるスキルだったなんて。驚いたぜ」


「ごめんね。俺も初めて知った時は正直驚いたよ。それに申し訳なくなった。みんなといる時にこれに気づいていれば、もっと力になれたのにって…」


 こいつ、そんな風に俺らのこと考えてくれてなのか。


 なんだか、ハーレムばっか考えてた俺が少し申し訳ない。




「まぁ…この力に気づかなかったのは、それだけレインたちが強かったからかもだけどね」


「ふっ!あはは!確かにそうかもな!何せ俺たちは強いから」


「調子のいい奴だなぁ。まぁ…これからは違うパーティーだけど、俺もレインたちに負けないように頑張るからね!」





 …と少しアルター話をしていたその時!


「「「「「キャー!」」」」」

「つっ!俺としたことが!」


 突如、海で遊んでた仲間たちの悲鳴が聞こえ、アイツらを見ると…


 謎の触手によって身体を拘束されていた!




「おい!大丈夫か?」


「うん、一応。でも武器もないから抵抗できない…」


「なんなんだその触手⁉︎クラーケンはまだ来てないぞ」



「見てレイン!あの影!」


 海面が不自然に揺れた。


 穏やかだった潮騒が突如として唸り声のように低く響き渡り、空気がざわめく。


 遠くで鳴る雷鳴にも似た重低音が、足元の砂浜を震わせた。



「……なんだ、あれは……?」


 海の中から、"それ"は現れた。

 黒い影。まるで海そのものが意志を持ったかのように、巨大な触手が幾本も空に向かって伸び上がる。


 濡れた甲殻のような表皮は月明かりに濡れ光り、その存在が討伐対象だと否応なく理解させる。

 

 クラーケンだ。


「アルター、俺の剣出せ!」


「うん」


「どうする?お前アイツ吸い込めるか?」


「悪いけど、やっぱり無理そうだね。本当にごめん」


「チッ!みんなは捕まってるし、俺が倒すしかないか。アルター!みんなは吸い込めるか?」


「うん。モンスター以外の生物も吸い込めると思う。格納庫の容量的にも多分ギリギリ入る!」


「よし!じゃあ俺がアイツを一撃で倒す!お前はみんなが巻き込まれないように一気にあいつらを吸い込め!」


「了解!」


 俺は、剣に力を込めた。


「おいアルター!息を合わせるぞ!」


「《剣聖》の天賜よ……我が魂に応えよ!」


「《格納》の天賜よ……我が魂に応えよ!」




 「聖絶煌剣エクスカリバーッ!!」


 「零識格納グリード・エクリプスッ!!」




 一閃。


  俺は、海そのものを裂くかのような縦一文字の斬撃を放ち--


  クラーケンを、空と海に引き裂いた。


 同時に、アルターがみんなを吸収し--


 斬られたクラーケンは粉々になって、空に消えた。






「死ぬかと思ったよ〜。あ…ありが…どう…」

 震える唇で、泣きながらエルセーヌが感謝を伝えてきた。


「本当にすごかった!やっぱりすごいね2人とも!」

 フィリアもすごい感心している。



「当たり前だろ!俺は国に選ばれた勇者、レイン・ナイトレット様だぜ。こんなの朝飯前だ」



「えぇ〜本当に?この前の共同クエストではアルターの新技に驚いてたくせに〜」



「うっ…うるせぇ!」



「でも、本当にすごかったですよ。ワタシ感激しました」


「そうそう。あの技はボクたちのパーティーでは絶対に無理だね」


「確かに。ウチも同じ聖の名を冠する天賜を持ってるものとして見習わななきゃ!ねぇ、今度一緒に修行しようよ!」




「えぇっ…いいけど。本当にいいのか?」



「うん?いいけど…ていうかウチがお願いしてる立場だし…どうしたの?」



「あぁ〜アタシ気づいちゃった!さてはレイン、カナが好きなんでしょ!パーティー面接の時も気に入ってたし!」



「ちっ…違っ…別にそんなんじゃねぇよ!」



「うふふ…レインって面白いね。ウチ、修行楽しみにしてる!」




 今の立場もあながち悪くないなぁ…なんて思う今日だった。

お読みいただき、誠にありがとうございます。

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