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寄生虫  作者: 弁財天睦月
6/8

3-1

3


優明は勇猛果敢に闘った。

総合格闘家としてはここ2年ほどになる。

30歳を前にしての遅いデビューだ。

それ以前は剣道と空手といった武道を行っていた。

総合格闘家としての方向に進んだのはもっと体をフル稼働して闘ってみたいと単純に思ったからだ。

想いは強くても結果を出せてない。

試合中の中盤あたりまではよいのだが後半になるにつれて体力が続かないのか体の動きのキレが悪くなってくる。

いまひとつのところで勝ちにいけないでいる。


3ヵ所で3つの試合に出場することが決まった優明は意気込んでトレーニングを始めた。

この3試合で結果を残すことができたならすべてのことが一段階、いや二段階くらい上がるはずだと思っている。

年齢が年齢だけに少々焦ってもいる。

30歳を超えれば嫌でも体力も落ちてくる。

30代の前半にはなんらかの実績を明確にしておかなければあとが続かない。

場合によっては団体から解雇されることだってある。


まず最初の後楽園ホールでの試合。

相手は年下の選手だがもっか上昇気流にのっている。

スター選手になる日も近いと言われてる実力者。

相手にとって不足はない。

逆に自分が撃破してしまえばよいだけのことと鼻息も荒く試合に臨んだ優明だった。


試合はいいところまでいったと思う。

最後の最後で力負け、技負け、体力負け、若さ負け、人気負けなどすべてのことで負けてしまった。

いい勝負だったとそれなりに評価してくれる人も少数いる。

それだけでもやって良かったと思える試合だった。


試合直後は特に体の不調などは感じなかった。

蒲田の部屋に戻ってからおかしいなこの痛みと自覚するようになった。

右手の拳と胸の痛みだ。

我慢できないってほどではなかったが痛みはジリジリとある。

実際には拳と胸の肋骨は骨折していた。

それと靭帯損傷も起こしている。

優明はもしかしたらとは思っていたが病院へ行くのはためらいもがあった。

病院に行けば診察されて診断されてしまう。

その結果によっては残り2試合への出場ができなくなってしまう。

せっかくのチャンスでもある。

ここはかなり無理をしてでも誰にも秘密にして試合を消化しようと考えた。

病院へはその後で行くことにする。


優明がそんな無茶で無謀な判断をしたものだから優明の体の中にいるオカダくんが大変なことになった。

こりゃ一大事ということで優明の体の修復に奔走しなければならなくなった。

おかげで寝る時間もなくなってしまった。


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