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寄生虫  作者: 弁財天睦月
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今がその時なのか?

ピエールの話では特に賞味期限のようなものはないということなのでピンチになった時には水で飲んでもらえばよいということは教えてもらっていた。


本当に今、俺の命は危ないんだろうか?

外から見てもわかんないけど中にガンはあるのか?

ガンそのものも怖いんだが完治したとしても油断はできない。

最も怖いのはその次の段階だ。

それが転移だ。

同時に何ヶ所もってことになればも〜無理だ。

余命何日かになってしまう。

それなら予防も兼ねて今のうちにこのカプセルを飲んでおいたほうがいい。

いったいこのカプセルはなんなんだろうとは思うがわらにもすがりたいと思う気持ちはある。

それだけ心配性でもあるんだよ。


成分もよくわからないがカプセルを水と一緒にゴクリと飲んだ。

これでいいのか?

本当に効くのかは知らんが気休めにはなる。

なにしろ元は1,000万円もする薬ということなので。


気は持ちようというが、なんとなく、なんとなくだが良い方向に進んでくれているような気がする。

優明の良いところはわりと楽天的な面もあって単純な性格でもあることだ。

今回はそれが幸いしてるみたいだ。


優明が飲んだカプセルはすぐ胃にたどりついた。

普通なら胃酸によって溶けてしまうところだ。

だがこのカプセルは胃酸にはビクともせず腸のほうに移動した。

どういうわけか腸の一定のヵ所にとどまってビクとも動かない。


翌日、24時間がすぎてからカプセルが割れた。

中から現れたのは小さな、本当に小さな米粒ひとつ分ほどの大きさの卵。

その卵が孵化するのは早かった。

1時間たらずでウニョっとした生きものが姿を現した。

小さいながらもウーパールーパーみたいな可愛らしい顔がある。

これが寄生虫のオカダムシ。

通称オカダくん。


オカダくんは寄生虫なので宿主から食料(養分)をもらって生きていくことになる。

その宿主マスターが亡くなってしまえば自分の命も大変危険なことになってしまう。

そのためオカダくんは宿主の健康に目を配っていかなければならない。


生まれたばかりだというのにオカダくんはさっそく動かねばならなくなった。

変な嫌な臭いがあるからだ。

それがいったいなんなのかはオカダくんにはわかりかねたがこの宿主にとって危ないものであることは理解している。

それは自分の生存にも関わってくる重要なことでもある。


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