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寄生虫  作者: 弁財天睦月
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予防っていったってねぇ···とそう悩んでいた。

あっ、そういえばと思い出したことがある。

あれは半年前のことだった。

真夜中の1時すぎ、ちょっと小腹が空いたのでコンビニで買いものをして帰る時のことだ。

帰りは近道をしようとして駐車場を突っ切っていこうとした。

その薄闇の駐車場に人がいた。

その人物も駐車場を横切ろうとしていたらしい。


「あぁ、ちょうどいいところで···

こんばんは〜です」


すれ違う時に声をかけられた。

優明は身長が174センチある。

そんな優明よりも拳ひとつ分ほど高い男性だった。

街灯に照らされたその姿はひょろっと背が高い外国人だった。

金髪なのでアメリカとかヨーロッパのどこかの国の白人男性かもと勝手に単純に思った。


「はい?

なんでしょ?

あっ、日本語って···OK?」


「おぉ、日本語···

大丈夫、大丈夫、話せま〜す」


この外国人は遠い国からやって来ている営業マンなんだそうだ。

名前はピエール。

営業マンとして企業に務めて商品を販売するとかってことではないらしい。

かなり限られた商品を特定の一部の人にだけ限定販売するといった特別な営業ということだ。


と説明を受けても具体的に何を扱っているのかわからないのでピンとこないでいる。

実は予約されていた商品があるのだが売れ残ってしまって困っているのだという。

商品をお届けする前にその方が亡くなってしまったので売れ残りになってしまったということだ。

このまま国に持って帰るってわけにもいかない。

格安で特別価格にするからあなたが買い取ってもらえないかと泣きつかれてしまった。


「それってどんなものなんです?」


特に興味はないのだが一種の社交辞令のように反応してしまった。

これが日本人ってやつのさがか?


「そうですね、う〜ん、なんていったらいいか···」


ピエールはちょっと小考状態になった。

わかりやすい日本語を探すためだ。

優明は特に急いでるわけでもないので静かに待っている。

なんだか奇妙な夜だったと気づくのは後になってからだ。


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